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初めて読んだSF長編小説。
SF小説は難解な専門用語や知識が必要であり、敬遠していたのですが…
これは読みやすい!!
地球人が残した歴史的建造物や功績は全て、トラルファマドール星人のある目的を達成するために行われていた。
虚しく残酷だが、どこかユーモア溢れる物語。
リアルから掛け離れた話もたまにはいいものです♪
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時間は直線的ではなく、過去も未来も現在も同時に存在するという考え、神は無関心、
という作者の考えは、狭いこの世界から心を開放してくれました。
宇宙の大きな視点から見れば、人間の生きる意味や目的なんて塵みたいなものだけど、
自分だけが選ばれしものだとか、人生に希望を持ってしまうのが人間といういきもの。
逆に、そう思わなければ生きていけない。
それが宇宙視点では滑稽に見えたとしても。
内容は☆5だけど、日本語訳がいまいちなので☆4。
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我が師匠、太田光が何度も薦めている本でやっと読む機会ができた。なんとも不思議な世界観、そして読んだ後の空虚な脱力感。行動の選択や人生の意味は他者からの有限によるものか、それとも自分の意思による自由なものなのか。これは読んだ後に人生について考えさせられる本でした。結局人生に何の意味はなく、虚構から生み出された幻影を追い求めながら死にゆくものなのだと思う。
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最高に面白かった。面白くて悲しくて優しかった。
理不尽で突拍子もない展開で、普通なら入り込めないような話なんだけど、ユーモアで読ませるのは筆力なのか。
パンクチュアルな見方だと非難されるかもしれないが、火星の話がいちばん好き。
本書の中に出てくる表現を使えば、最高の意味での文学。物語っていうのはこんなに面白いのか。この本は、生きるにつれて物語は際限なく面白くなるような、そんな予感をさせてくれる本だった。
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安定の名作ってことで。
感動とかはないけれど、多分頭の中をいくらか占められた気はしてる。
だからめいさくなんだろうと。
何て言えばいいのかわかんないけど、34年前の作品とは思えない。名作っていつまでも生きがいい気がする。
存分に入れ子構造な操作操作の流れの中で、コンスタントさんが最後に幸せだったのかなんて、思ったり。
入れ子の最下層は何にも知らないで幸せになっただけの人類だけだったり。
とりあえず、名作って大事。
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あらゆる時間と場所に存在するラムファードに翻弄される人達を描いたSF物語。舞台は地球から、火星、水星、タイタン(土星の衛星)へと移っていく。。。
ということで、あまりSFは読まないんですが。
爆笑問題太田が勧めている記事を読んで、つい気になったんで読んでみました。
シニカルな描写の中でも、なかなかに考えさせる場面も多く。
物語が進むにつれて、グイグイと読み進めてしまいました。
評価を★4にしたのは、
・もうちょい、私に西洋の宗教観がしっかりとあったら
・もうちょい、SFの世界に馴染んでいたら
と思っただけです。
「もう一度読んだら、また別の見方ができるんじゃないかな」と
感じさせてくれる良作でした。
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とにかくスケールが大きい。時間・距離スケールが物凄い。その中で翻弄される人々の話で、相対的な小ささを思う人もいるだろうし、面白さを感じる人もいるだろう。
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あまりSF作品には詳しくないのだが、その業界でも珍しいSFだと思う。単純に未来的なものがでるのではなく、時間軸に対して”時間等曲率漏斗(クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム)”といった概念がでてくる。これにより過去未来現在を同時的に見れる、まるで神のようなラムファードに主人公が翻弄される話なのだが、果てしない惑星の旅というものをうまく表現していた。これをヴォネガット氏が1959年に書いているのが驚きでもあり感動した。
結末としてはハッピーエンドなのだが、それぞれの心中を考えれば考えるほど寂しさが感じられるのは、中心人物でもあり主人公を旅へといざなうラムファードの深い愛情と人生についての洞察に触れたせいだと思う。すばらしく紳士ですばらしく人間を愛していた。
彼の言う”単時点的(パンクチュアル)な意味において”という言葉は作者によって投げかけられたメッセージだと思った。すなわち『今』の存在の尊さ。
ぜひ皆さんにも読んでいただきたい作品だと思う。
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SF小説というのは、子どものためのお話だと思ってたから、ものすごく衝撃だった。
ラムファードの怒りや悲しみや企みや。
ラムファードのいとおしさ。
自分の意思か、全体の意思か。
そこに違いはあるのかな、という運命に対する疑問。
すごく良かった、しばらく経ったらまた読み返したいです。
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人生において最も大切なものは愛である。
そんなポップミュージックで何千何万と唄われてきたことを今さら言われても何も心に響かない。
なんとも軽薄な言葉に聞こえて仕方がない。
愛してるだの恋してるだのという素敵なセリフも毎日毎日繰り返すうちに安くなってゆく。
ラブだのピースだのと装身具のように言い散らす人が果たしてどれだけ平和に頭を悩ませたのだろうか。
常に恋愛していたい。私は愛に生きるのだという人もよく見かける。
それだけが人生の目的になることは幸せなことなのだろうかといつも疑問に思う。
だけどもし、
人生の目的というものがなんとも些細で馬鹿馬鹿しいものだと知ったらどうだろう。
人類の目的ですら、宇宙から見れば三軒先まで行って醤油を買ってくるだけの子どものお使いのような取るに足らないものだとしたらどうするだろう。
僕たちが生きている意味なんてほんとにくだらない理由でしかないと知った後で聞くこの言葉は、少し形が違って見える。
ヴォネガットが人生の目的とは何か考え抜いた末に出した結論は、愛だったのだ。
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ストーリー :☆☆☆
世界観 :☆☆☆☆☆
ビジュアル :☆☆☆
キャラクター:☆☆☆
読みやすさ :☆☆
オススメ度 :読んで損なし!
幼女じゃないですよ。妖女です。
「われはロボット」に続くSFを読もう第二弾。
爆笑問題の太田さんが超オススメしてたので
どんなもんだと思ってたんですが
いや、なんというか、とても難解な物語でした。
ストーリーとしては、
空間と時間の割れ目に落っこちたおじさんと、
運がよすぎるだけで大金持ちな青年が主役。
普段神と呼ばれている地球外生物?の
大きな力に巻き込まれ、
理不尽で、孤独で、無力で…
慢性的に満たされない気持ちと、
向ける相手がわからない怒りを抱えたまま、
火星、水星、そしてタイタンへ
押し流されていく話です。
というか、登場人物全員が
無意味で理不尽な目に合い、
孤独で無力なままです。
善と悪もないし、悪気も男気も色気もない。
どんでん返しもクライマックスもあるようでない。
たまに紙で指を切ったような鮮烈な悲しみがある。
パッと見なにも残らないようで、
そうでないようで、でもこれじゃなぁ、なエンド。
わかんねッ!!(汗)というのが最初の感想だった…
太田さんが解説で、その「わからなさ」が面白い、まるで人生のよう、と書いていて
ちょっと腑に落ちたような。そうでないような。
文章表現は巧みです。ササーッと読めました。
とくに最初のあたりは秀逸。
「お前たちがどこかに行けるなんて考えがどうして出てくるんだね?」
あらゆる物語は、読者がその入り口に立ち、
「この先はどんなところで、なにがあるんだろう」と思いながら
一歩を踏み出していくわけですが、
のっけから「どこにもいけやしないし、なにもない」と
身もフタもないことを言われてしまいます。
「いやそんなはずはない、
自分の足で行って自分の目で見てこよう。
私ならなにか拾ってこれるはず。」
そう思ってタイタンの旅に出てみたものの、終わってみれば
本当に「どこにも行けなかったし、なにもなかった」ので
「そらみろ、なにもなかっただろう」
と言われているようで釈然としません。
本当になにもなかったかというと、そういうわけではないのですが、
光も、地面も、掴んだものも、
あるのかないのかわからないくらい
かすかで頼りなく、ぼやけてよく見えません。
まるで宇宙空間のようですわ。
でも生きることは、そういうことなんだろうか。
私たちは何も持たずそこから来て、
何も得ずそこへ還るんだろうか。
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やっぱしSF大好きです。
それも、理論に基づいて、50年後にはこうなってるでしょう、100年後には十分あり得ます、みたいなんじゃなくて、荒唐無稽なのが。
そして、この小説は、やさしさに溢れてるような、そんな気もします。
読んでて気持ちよくなり、やさしくなれる文章をかけるってのは、これはもう一番すごい。
そんな風に思いました。
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ウン十年振りの再読。読み終わって当時もなんだかぼんやりした印象だったなあ、と思い出す。ヴォネガットはその後好きな作家となったがこの作品に対する思い入れは薄い。基本設定および雰囲気は結構好みなんだけどなあ。
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SFの古典中の古典。半世紀が経過してさすがに古びてはいるものの、名作と言われるだけあって非常に面白い。たぶん訳もいいのだろうけど、ぐいぐい引き込まれる。さらに人間の社会や制度に対する問題意識が現代でも有効に機能している。
海外はいざ知らず、日本においてSFやファンタジーというのはあまり人気がない。アニメやマンガの印象もあろうが、子供向けの、あるいは知的でない娯楽のためだけの商品であり純文学などとは一段劣ると捉える向きは多い。中途半端なインテリ層は特にその傾向が強い気がする(直木賞は取れないという暗黙のルールがあったり、最近だと某氏が「(年収)500万の人はファンタジーに逃げている」なんて言ってたり)。
しかし、それはまあ、SFを知らない人、あるいはSFを読んでも理解できない人による不当な評価だと言っていい。SFというのは、現実離れした単なる夢物語ではない。ある特殊な状況、特殊な環境において社会や制度、人間の行動がいかなる様態を取りうるのかという可能性を検討する一種の思考実験だといえる。そこから現実世界の様々な事象の意味や矛盾点があぶり出され、あるいは日常生活において疑問に思うことのない"現実"の確からしさに揺さぶりがかけられる。"リアル"な話だけが現実を語わけではなく、逆にSFやファンタジーを通して初めて現実の一側面が姿をあらわすこともある。
もちろん、SFやファンタジーならなんでも現実を映すわけではない。そこでは多大な想像力と緻密な構想力とが要求される。しかもそれは、書き手だけでなく読み手に対しても求められ、その要求水準は決して低くない。
しかし、そうであればこそ、書き手と読み手の想像力と構想力が高い水準で合致した時、ときにSFが描く現実は"リアル"が描く現実を凌駕する。
科学的にはあまりに古くあまりに厳密さを欠くSF作品が半世紀を経た今でも名作として読まれるのは、まさにこの想像力と構想力による高度な思考実験がこの作品で実現されているからなのだと思う。
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不思議な感じ
全宇宙の全能者が人類を手足のように動かし、未来を作ろうとする。主人公は「手足のように動かされる被害者」なんだが、実は全能者こそが「動かされていた」ことに気づく。とにかく奥が深く、どこかで読んだ感じのする不思議な作品だった。
驚くべき事は、この作品が1959