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この作者ならではの現実と地続きの異世界が、怖いながらも魅惑的なんです。そんな南の島を舞台にした連作短編集。一家心中から逃れた少年の悪夢、十字路に建つピンクの廟にまつられたもの、蛸漁師の語る話、地面と一体化した海賊の回想、などなど現実と異世界の狭間をたゆたう物語たち。ホラー文庫からの刊行ですが、ホラーというよりはファンタジー幻想小説といった赴きが強いかも。物語の結末も曖昧にされているものも多く、それがまた独特の情緒を生み出しています。
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ホラー文庫で出ていますが
ダークファンタジーの感じです。
ホラーが苦手なわたしですが
この方の作品は大丈夫というか
好きです。
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導入部から、現代が舞台なのだという事は分かるけど、何処か時間軸からズレた魔法が息づく島が舞台の不思議なお話。
ちょっと気味の悪い童話という印象。
でも幻想的で、この世界の何処かにこの島があったらいいなあと思ってしまう。
雰囲気が素敵でした。
私はまどろみのティユルさんが一番好きでした。
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今回の舞台は架空の島「トロンバス島」。
阿鼻叫喚タイプのホラーではなくて、異国の魔女や悪の化身が出てくる童話集を和訳したみたいな…。人間に属さない奇妙な生き物なんかもたくさん居て恒川ワールドを魅せてはくれましたが…やっぱり私の中で「夜市」を越える作品ではなかったかな。
この作者は四季をイメージさせる描写が秀逸なので、今回は南国の温暖な気候が固定してしまい長所を活かしきれてない感じが否めました。
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ぶれることなく面白い。
怖さにも色々な種類があるが、それらを明確に分けて各章が形になっているように感じた。
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美しさとグロテスクの同居が堪らない……! 久々の恒川さんにテンションあげつつ、独特の世界にどっぷり浸からせていただきました。一つの島を中心に、時空の壁を超越して繰り広げられる短編七本。想像できそうで想像できない、摩訶不思議な登場人物(?)たちに、ゾクリとさせられる嫌味のない怖さを覚えます。個人的には後半の三本が好き。蛸漁師と「ヤニュー」の会話のうすら寒さとか。
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理屈がいらない。自然に当たり前にある異界の描かれ方が非常に好ましい。
…あと。ホラー文庫から出てますがホラーではないでしょうこれは。
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架空の島、トロンバス島を舞台に起こる、時代や時間、生物の観念を越えた、少し不思議で少し不気味で、幻想的な出来事を綴った短編集。
一家心中目前に、不思議な呪術師ユナに連れられてトロンバス島に預けられたタカシ、20くらいにしか見えないのに120才の呪術師ユナ、遥か昔に滅びた島から迷いこんだシシマデウ、元海賊で地面に埋まり石像のような植物のような、よくわからない生物となったティユル。なんとも奇妙な人たちが、差し障りなく現実に自然に混じりあう幻想的な世界。ちょっと神話的なファンタジー?
つかみどころがないようで、なんかしっくりくるような、ほんと今までに見たことない不思議な世界観で気になりました。著者の他の話も読んでみたい。
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南洋の島々を舞台にした連作短編集。以前よりも少しインパクトに欠けて、ハッキリとしたオチも無く弱いかぁ・・・と思いながら読み進めましたが最後には著者の描くトロンバス島の世界をけっこう堪能出来、そこそこ満足させて貰えました。(連作と言っても何の謎解きもされないんですけどねぇ笑)『紫焔樹の島』と『まどろみのティユルさん』が好みかな。やや物足りないですが独特のボーダーレスな世界には惹かれるのでまた他の作品も読みたいと思う。
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一家心中の運命から少年タカシを救った謎の美女ユナ.二人が過ごす南の島は不思議な世界だった.全6編からなる短編集.静寂で神秘的な悪夢の数々.気付けば,物語に引きずり込まれているような,奇妙な感覚.一言,不思議な本だなあ・・・
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架空の島、トロンバス島とその周縁を舞台にした連作七編。ヤニューという名の悪魔に実体があるなら、小鬼か人間か
百二十歳のおねえさんや黒く巨大なトイトイ様、フルーツ頭が闊歩する町、不思議な世界
収録作品:『南の子供が夜いくところ』『紫焔樹の島』『十字路のピンクの廟』『雲の眠る海』『蛸猟師』『まどろみのティユルさん』『夜の果樹園』
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終始漂う「怪しさ」は決して嫌なものではなく、もっと清々しい感じ。全部の謎が説明されていないところが逆によかった。
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傑作『夜市』から続いてきた異郷を舞台にした作品群から一転。伝説、民話、神話、怪談という民族心理に根付いた寓話を一つの舞台で語られる短編集として構成、展開しようとした恒川光太郎の意欲作。
絶望の淵からの再生と復活をテーマに7つの話が語られてゆく。表題の『南の子供が夜いくところ』は、この短編集のプロローグ的な話であり、主人公のタカシ少年と大呪術師ユナが南洋に浮かぶトロンバス島との関わり合いと、この島にまつわる奇談で読者を現代、過去、異界へ縦横無尽に駆け巡る異世界へと誘う構成と飽きることなく一気に読ませる「技」は見事。日本人の深層心理にある「南国望郷論」に基づくユートピア「トロンバス」。大自然の不思議は神々へ畏怖と優しさとして人の中に息づく。恒川が魅せた新たな「異世界」。
作中、トロンバス島の住人の中に「ON:オン」からやって来たとされる人物は前作『雷の季節の終わりに』の舞台となった「穏:おん」からか?ちょっとしたファンサービスが嬉しい。
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時間も空間も越えて、この場所へ。
まさに誘われたという感覚。
不思議な場所、トロンバス島での日々。
「紫焔樹の島」と「まどろみのティユルさん」が良かった面白かった。
全部読み終えてから、冒頭をもう一度読むとつまりタカシは…?とまた謎に包まれる。
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頁を捲る手が止まらない部分と、中ダレして読むのが苦痛な部分との差が激しい気がした。
確かに楽しめる所はあったはずなのに、途中で飽きてしまった。