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これに入っている「青鬼の褌を洗う女」が
お気に入りです。
坂口安吾の矛盾や葛藤など人の心の醜さを
潔く、美しく描くところが素晴らしいと思う。
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6月27日購入。9月6日読了。
「いずこへ」「白痴」のみ。
太宰と並ぶ戦後の新戯作派、デカダン作家と呼ばれた坂口安吾の短編集。デカダン派だけあって話のテーマも虚無的で、登場人物も廃れきっているものばかりだが、退廃や貧困を良しとし墜ちるトコまでとことん墜ちていこうという主人公(たとえば白痴の伊沢)は勇ましい。物語後半、戦争の業火から逃げる伊沢の「俺と君の生きる道はいつもこっちなのだ!」という台詞には魂を揺さぶられた。
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坂口安吾の文体は力強い。
映画の白痴はアレンジされてて時代設定がよくわかりづらかったけど、小説はひしひしと戦中の惨烈さが伝わってきた。
浅野忠信が主人公を熱演(かなーり力をぬいているようにみえるんだけど)してた映画をもう一度みたいな。
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短編集だけど
全ての話を通して
「どうしょもない女」に
だらしがないなぁ!とかキモイなぁ!とか
思いながらも、ダラダラと関わってしまう男の話で
あぁーそうだよなぁーそうなんだよぉーと
そういう場面多し
「青鬼の褌を洗う女」が人気あるようだけど
あたしもそうかなぁーそれか「白痴」かなぁー
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どれも似通っているけれど、「戦争と一人の女」ヤバイ。パンピーの中に、戦争を希う女がいるなんて思いもよらぬことでした。そういう破滅的な女がほとんどみんな「淫売」の類なところにはこの人の限界があるのか。他の作品はどうなんだろう……と思いました。
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戦中・戦後の時代が舞台の短編集。男が主人公の話が多いけど、私が女だからか、女のほうが印象に残ってる。2008/02
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ダメ人間の話。かと思ったら案外それだけでもなく、女の子が主役の話は特に良かった。
割り切れる人でありたい思想と、こだわってしまう現実と。
その解離具合と脆弱さが好きだ。自覚的だから美しい。
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15冊目。『青鬼の褌を洗う女』『戦争と一人の女』『白痴』、安吾の描く女性って自身が魅力的なわけではけしてないんだけれど、安吾フィルタをかけると恐ろしくかわいい。
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初安吾作品。
かぁ〜、『ダメ人間』になりたい瞬間って生きてるうちで何度も出会う瞬間だと思うんだよね、
そんな時読めばいいと思うんだな、これ。
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あまりに有名な坂口作品を集めた短編集です。坂口さんの女性の書き方が独特で好き。
戦争がもたらした焼け焦げた不安定な社会のその歪さに焦点を当てた短編。
「鬼の褌を洗う女」が好きだな。妾さんの一人称で進む短編ですが、この妾さんがまた魅力的です。道徳を重んじながらも、遊蕩・怠惰に憧れるのは人間の性でしょうか。
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「知らないのですもの。
びっくりするところへ、つれて行ってね。」
坂口安吾の小説で
繰り広げられる男と女の駆け引きは
流れるようだと思います。
『青鬼の褌を洗う女』のやり取りは
なんだか引きつけられちゃいました。
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予想以上に入り込んでしまった。
もちろん有名どころは『白痴』だけれど、私はそれ以外が気に入った。
特に『母の上京』『外套と青空』『私は海をだきしめていたい』『戦争と一人の女』
がいいと思った。
私文学史の知識浅いのだけど、戦争の最中で裸にされ、シンプルな三大欲望のみ
顕にならざるを得ない状況下で生まれた作品だということはわかる。
肉欲とは一体人間にとってなんなのか。
最悪の環境でも潰されぬそれは卑しくもあり泰然と人間を構えているよう。
色々なことを思いついたが、正直一度読んだだけでは言葉にしにくい。
それってやはり当時の状況をあまりよく知らないからか。
もちろん完全には知りえないんだけど、極限のところまで追い詰めないと
理解できないもんなのかもしれない。
この作品の延長線に幸福がないのは確か。
「中途半端な所有感は悲しく、みすぼらしいものだ。
私はすべてを所有しなければ充ち足りぬ人間だった。」(『いずこへ』)
「人が物を捨てるには、たとえば紙屑を捨てるのにも、捨てるだけの
張合いと潔癖ぐらいはあるだろう。
この女を捨てる張合いも潔癖も失われているだけだ。
微塵の愛情もなかったし、未練もなかったが、捨てるだけの張合いもなかった。
生きるための、明日の希望がないからだ。」(『白痴』)
「全ては過ぎる。夢のように。何事をも捉えることはできないのだ。
私自身も思えばただ私の影にすぎないのだと思った。」(『戦争と一人の女』)
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この本、高校時代に読書感想文を無理やり書くために読んだような・・・
でもほとんど内容を覚えてなかったので、もう一回読んでみました。
それもそのはず。
文章が読みにくいです。やたら難解。
ホントに高校生の時、ちゃんと読んだのだろうか・・・。
ついでにいうと、私あんまりこの手の小説好きじゃないです。デカダン派というやつでしょうか。それでも読みかけたので頑張って読みました。
表題作「白痴」を含む代表作7作が収録されているのですが、「私は海をだきしめていたい」「戦争と一人の女」はどうやらリンクしているらしく、良かったです。
苦手な類の小説なんだけれど、戦争を取り扱った小説としてはかなり珍しいものだと思います。そういった意味で興味深いです。
私は当然、日本で戦争があった時代に生きては居ないので、戦争観というのはメディアによって形作られています。
坂口安吾は時代的に第二次世界大戦を経験しておられると思うのですが(終戦10年後に亡くなっています)、「戦争と一人の女」は戦争体験者が書く小説としては私にとって衝撃のものでした。
「私は然し夜間爆撃の何が一番すばらしかったかと訊かれると、正直のところは、被害の大きかったのが何より私の気にいっていたというのが本当の気持なのである。照空燈の矢の中にポッカリ浮いた鈍い銀色のB29も美しい。カチカチと光る高射砲、そして高射砲の音の中を泳いでくるB29の爆音。花火のように空にひらいて落ちてくる焼夷弾、けれども私には地上の光芒たる劫火だけが全心的な満足を与えてくれるのであった。」
−−「戦争と一人の女」より
それから、殆どの作品で女性が登場するのですが、この女性たちが思わず疑問を抱いてしまうような人物です。
坂口安吾の人生と、女性との関係を知りたくなりました。
なんとなく、全体的に太宰治を彷彿とさせるなあと思ったら、太宰も坂口も無頼派だったんですね。何にしろ苦手です。
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高校時代、すっげぇ好きだった。
いま、あらためて読んでみた。
「文人ってオトナになれん人なんやなー」と思いながら、やっぱ好きだった。
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初めて読んだのは、高校の修学旅行のときだったように思う。
友人が読んでいた。
二度目にこの小説を読んでいた頃、古書店で安吾の文庫をたくさん見つけ、まとめて買ったのだった。
それらは、ぼくよりも安吾が好きな友人にまとめて渡した。
その文庫は今も友人の部屋にある。
2002年6月11日読了