投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
i am poor music intelligence. of cause, about Schumann, too. the tree of dead. http://www.jgg.jp/modules/kolumne/details.php?bid=71
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
なんとも不思議な。最後まで読んで、やられたーと思う。
延々と音楽史だか音楽論だかが続く。全く音楽に疎い私は正直飽きた。でも最後まで読んで良かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読んでいるときの違和感が あ〜〜そーゆーことねぇぇぇ!!と結末で回収されたのはよいのだけど、要するに思ってたのと違うからこその違和感だったわけですね。
主題となるであろう 幻想的な晩の映像が怪しく美しく脳裏に思い描かれる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
クラシックの楽曲や演奏に対する詩的な賛美表現や
作曲家の薀蓄がページの大部分を占めており、
読中受ける感じとしては、ミステリー小説を読んでいるというより
クラシック名曲ガイドの類を読んでいるのに近い。
物語的な起伏もそれほどなく、
事件といえば高校で起こった殺人事件くらい。
終盤になって、物語が急転直下を告げて
物語の土台がひっくり返る様はなかなかに見ものだが
それを良しとするかついていけない感じを受けるかで
評価が変わってくる一冊だと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
こちらの作品のブクログ登録日は2015年2月7日ですが、レビューを書いていなかったので、本日(2021年7月31日)書きます。
著者、奥泉光さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
奥泉 光(おくいずみ ひかる、1956年2月6日 -)は、日本の小説家。近畿大学文芸学部教授。
作品の内容を、適当なところからコピペすると、次にとおり。
音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
奥泉氏については個人的笑いのツボ、どストライクのユーモアミステリ『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』についで2作目、芥川賞作家のミステリとして2011年度このミス第5位である。さらにタイトルから容易に連想されるが、音楽、とりわけクラシックとミステリの融合である。これは中山七里氏の岬洋介シリーズとかぶる世界観であり発刊日も2010年と同じ年。音楽を文字で表現する手法においても対比せざるをえないだろう、そのような予想の元に読了した。
以下かなりのネタバレとなります、この先の立ち入りはご注意ください!
まず本書の構成は主人公一人称の独白スタイルである、30年以上前の青春時代を回想するという形式。ミステリ通ならばこの構成でなんらかの仕掛けを疑うかもしれない。自分もその疑惑を持ちつつページをめくったのだが、その疑惑は間もなく霧散してしまった。
冒頭において核心となる謎が提示される、指を失ったピアニストが遠く異国の地でピアノ演奏をしていたという事象。この謎と時を同じくして発生した殺人、過去を紐解き真実に迫ろうと記憶を手繰り、資料を洗いだしていくのだが、そこにまるごと音楽家シューマンが存在したのである。
主人公とシューマンに魅せられた天才ピアニストの友情、そして彼等がつむぐシューマンの音楽、序盤から中盤はこれがほとんどである。読者によっては難解すぎ退屈かもしれない、しかしながら自分にとっては、クラシック音楽素人でありながらも、その世界観に入り込むに容易く、シューマンの音楽、音楽論、人物像、それが勘違いであろうと己の脳内に確立されたのだ。もちろんページから音楽を聴くことはできない、作家と読者の相性もあろうが、これは作家奥泉光氏の「言葉」の威力に他ならない。彼の綴る言葉、会話、その計算された配列が綯い交ぜになることなくすんなり頭に入ってくる。既読の読者ならおわかりと思うが、章と章の合間の一行だけの会話、独白、文節の切り方などが頻繁に現れる。過去と現在を繋ぐ場面、背景の移り変わりなどで多様されるが、そのアクセントは自分の読書力に完全に当てはまった。この快感を味わいつつ世界観に埋没したのだ、そこで最後の物語の反転にも素直に驚き、ミステリ的感動も味わうことができた。
「クワコー」において奥泉氏が挑戦したのは「笑い」であった、真義はともかく自分はそう受け取った。笑いは読者の反応を見るには簡単である、笑わせればよい。自分は大笑いした。次作を読んで思うに、あの笑いの質が改めて思い起こされる。キャラクター、会話、出来事が渾然一体となって、完全に何が起きたのかがわかるのだ。そこにも奥泉氏の「言葉」の威力があり、自分との相性もあったかもしれない。色彩は全く違う作品であるが、表現という手腕においては共通のものを感じることができる、他の作家と比べても歴然たる同一性を感じることができた。
音楽とミステリの融合と銘打つも実際の演奏シーンは少ない、少ないながらもそのシーンにおいては作者の技量が満遍なく発揮されて、息を呑む密やかさ美しさがページに溢れていた。中山氏のシリーズとは音楽をベースにおきつつも作風は全くの別物であった。中山氏が音楽を通じての人間的成長、外側に広がっていく陽の側面なら、奥泉氏は人の内側に深く入り込んでいく陰の側面、結果人を滅ぼしかねない魔力を描いていた。描写という点では甲乙つけがたいと感じたが、読者は読み取るものは別物であろう。
結末については賛否があるようだ、自分は音楽に入り込みその予想ができなかった。同じ作風は別の作家にもあり枚挙にいとまない。しかしながら本当の真実は明かされじまいであり、虚構の中に灰色の影を仄かに照らすような終り方であった。どうやらこれも奥泉氏の作風のひとつであるようだ。また別のものも読んでみるしかないようだ。
そしてやはりシューマンを聴いてみなくては…
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
なんだか不思議なお話でした。
前半部分は、クラシックに疎い私にとっては、全くピンとこない内容だった。クラシック好きな人だったら、面白いんだろうなぁ、と思いながらなんとか読み進めた。
それが、殺人事件が起こり、一気にミステリーへ。シューマンの調べを底に響かせて、思いもよらないクライマックスへ。
そこからさらに、主人公の妹の手紙によって、世界はガラリと様相を変える。
前半部分にも、たくさん伏線があったんだなぁ。確かに読みながら、違和感を覚えるきじゅつはたくさんあった。
誰かの目線で語られる世界と、他の者からみた世界が、こんなにも違うなんて。
音楽は目に見えないけど、確かにそこに存在する。世の中で、目に見えているものの、なんと限られたことか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
15/05/10
最初のほうで「あれ?これ、もしかして前に読んだかも?」と思い、読み進めていくうちに「読んだわ、これぜったい前に読んでるわ」と確信したのに、結末がすっかり思い出せない。で、しゃあないともう一回読みました。そうだそうだ、「このなにその結末、、不快」な感想を持ったんだった。もう三回目は読まないように気をつけよう。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
シューマン大好きの私にはすごく楽しんで読めました。
結末にはちょっとびっくりというか、そんなオチもありなのか…と思いましたが、個人的には好きです。
もう一度ピアノを、特にシューマンを弾きたくなりました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
冒頭の鹿内堅一郎から里橋優への手紙の謎が、最後の里橋の妹宮沢恵子から吾妻豊彦への手紙で見事に解き明かされるという、特異な構成の物語だが、Youtubeで出てくる曲を楽しみながら読んだ.優の手記が淡々と展開する中で、何故か腑に落ちない部分がずっとつきまとうが、最後のどんでん返しが秀逸だ.
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読了。(2015/09/28) ネタバレ注意!です。
主人公は一度音大に入学するも、医大に入り直して現在は勤務医をしている。年齢は50歳を超えたくらいなのだろうか?
二十年以上前に高校時代の友人、鹿内堅一郎がドイツから出してきた手紙を久しぶりに読んだ。
その手紙には、指を怪我してピアニスト生命を断たれたはずの永嶺まさとがコンサートでピアノを弾いていたと書いてあった。
鹿内が面会すると、永嶺は「怪我をした指は古代エジプトの秘法で再生した」と語ったという。
主人公は訝しむが、鹿内は当時すぐに病死してしまい会うことができず、事実の確認ができなかった。
主人公は当時を回想する。
高校三年生の時同じ高校に、十二歳で国際コンクールに入賞して天才ピアニストと評判だった永嶺修人が入学してきた。音楽室で知り合った二人は友人となり、主人公は修人が心酔するシューマンの話を度々聞くことになる。そして鹿内を交えて三人でシューマン縁の「ダヴィッド同盟」という会を作って音楽雑誌を発行しようと計画する。
音楽雑誌用の執筆ノートを作り、三人でそれぞれ意見を書き込んで回覧を繰り返した。
主人公が卒業した夜、忘れ物を取りに学校へ行くと音楽室からピアノの音が響いてくる。それは永嶺の弾くシューマンだった。
自分からピアノを弾こうとしない修人の初めての演奏を、偶然居合わせた美術教師の吾妻と共にじっと隠れて聴いていると、プールから女性の悲鳴が。
吾妻と共にプールに向かったが、女性は首を絞められて亡くなっていた。そうして、なぜかその場に鹿内まで立ち会っていた。
その後、末松佳美という他校の女子生徒がダヴィッド同盟に加わった。
この殺人事件は解決しないまま、主人公は浪人から音大生になり、相変わらず永嶺と鹿内とダビット同盟のノートを書いて回覧し続ける。
ある日佳美の家の別荘で行われた修人の誕生日で悲劇は起こってしまう。
説明しづらいですが。。。
読み応えのある小説でした。最初は全く詳しくないので音楽論についていけなくて読みにくかったのですが、段々と引き込まれていきました。主人公が修人の演奏を隠れて聴くところはなんとも素晴らしい場面でした。
心の中に音楽はあるのだという永嶺の主張のように、読んでいる間私の頭の中には空想ではあるけれど(該当の曲は聴いたことがないので)永嶺の弾く何かしらの音楽が流れていました。
で、こういう音楽の話がずっと続くのかと思いきや、いきなりの殺人事件!
ここで皆目どう話が転がっていくのかわからなくなりました。
ミステリであるのだけれども、別の主題もあるのだろうし、ページめくるたびに頭がぐるぐる。
最後、現在の主人公がダヴィッド同盟の回覧ノートにエンドマークを書き込んだ時。
鍵盤に指が落とされたのを確かに見て、最後の音の余韻が静かに響いて消えていく瞬間に立ち会ったような気持ちになりました。
クライマックスに向かって進んで行くにつれて考えました。
この小説は一つの楽譜であり、読者の中でその音楽がずっと再生されている ���ではないかと。
そして小説の本当の最後。
現在の主人公の妹から美術教師・吾妻への手紙で一気に現実に引き戻されてしまいました。
ここでちょっと途方にくれるというか。
これはきっと現実なのだろうけれど。主人公の考える真実ではないし、主人公と同じ目線で読み続けてきた私にとってもまた困惑する内容の手紙でした。
うーん、これはどう受け取ったらいいのだろう、と最初は正直思ったけれど……。
ミステリは謎は謎のままとはできないでしょうし。
演奏が一度終わっているけれど、小説としてのラストも用意してあったといいうことなのかな。。。
何だか色々ラストについて書きましたが、間違いなく名作というか、五つ星!な小説でした
読めて幸せを感じられた本でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
シューマンはそれなりに好きだし、ピアノも弾く。それでも彼らの熱弁っぷりにはついていけない所が多々あった。けれど、好きなものについて熱狂的に語る様はまるで自分を見ているようでちょっとおかしかった。
最初からミステリーだと分かっていたから「事件はいつ起こるのだろう」と思いながら読み進められたけれど、ミステリーと知らずに読んでいたら「なんだこれは?」と途中で挫折しそうだなとは思った。また、やたらと難しい言葉で言い表したりしていて、頭が不出来な私には時々「?」となる場面も多かった。
とまあ思うところはいろいろあるけれど、彼らの音楽に対する熱意や途中から見え隠れする不穏な雰囲気は嫌いではないかな。事件の真相が結局夢オチだったのか、それともまた別の真相があるかは分からないけれど、そのもやもや感もまたこの本の良さだと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
初奥泉。ミステリィとして読み始めたから、最初は読むのが苦痛でした。。特に魅力的な(?)事件も起きず、全く判らない音楽談義(主にシューマン)が永遠と続き・・とても退屈で、よく挫折しなかったものだ。しかし、徐々にではあるが面白く感じられるようになった。そして最後には『マジかっ!?』と、拍手を送りたい。帯に偽りなし!ホント純文学にして傑作ミステリィでした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
オチにやられちゃいました、、、!
読み始めた最初はこんな最後だと思いませんでした。いやーやられた。
ミステリーっぽい青春小説みたいだなあ、なんて思いながら読み進めていて、オチがついたかなーと気を抜いたら更にもう一段ありました。
凄いこれ、読みやすい上に面白い。
短時間で読みきっちゃったんですけど、物語にぐんぐん引き込まれてあっという間でした。
ぜひ、ネタバレなして読んで欲しい本です。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
学校、夜のプール、合鍵のある更衣室、夜のピアノ、密会。
まるでピアノの音色が聴こえてくるような、そうして包囲されて悩ましくなる小説でした。「永嶺修人」と「私」。翻弄されながら読んで、いまだ自分なりに結論を見いだそうとしている段階です。
「永嶺修人」は、「私」の音楽そのものだったんだと思う。「私」の音楽がかき鳴らす悲鳴がああして苦しんで、陰惨さののちに輝きを取り戻して、ふるえるような体験をしたんだと思う。だから、夜のピアノを、音楽そのものを得た快楽を「永嶺修人」に見た。
淫蕩の前後、歌い上げるピアノ。淫靡で、狂おしい光景です。「私」の音楽への想い、彼への想い、ぐずぐずになって「ダヴィット同盟Ⅵ」は書き上がったんでしょう。
あの指は、精算、なのかな。それとも憧憬や懐古かもしれません。
音楽を思うままに掴めなかった、「私」のお話なのかも、と書きながら思いました。
それはそうとキスシーン、ぐっときました。