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奥泉作品は、面白いものと「なんだかよくわからない」ものがある。
この作品はかなり面白い。
ラストのどんでん返しが効いていて、「ええっ?」と読み返す羽目になった。
ミステリとしては感心したし、シューマンに対する愛情(たぶん、作者の)が噴出していて、凄みのある作品だと思う。
が、好きではない。
余計な部分が多くて冗長にすぎるわけではないのだが、それほどシューマンやピアノに関心がないので、「このあたり、読むのが面倒だなあ」と思う部分が結構あった。
骨子となるストーリーがあって、肉付けがある。
ストーリー展開や人物造形、文体などが気に入っても、肉付けの部分を愉しめないと「好き」とは言えないのだな。
シューマン、音楽に対する深く強い思いを感じたけれど、それが鬱陶しくもあった。
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【2014年3冊目】本の半分以上がシューマンのうんちくで、あまりクラシックに興味のない人は読む進めるのがつらいかも。後半だいぶ過ぎてからミステリ要素がでてくるのだけれども…。ミステリをたくさん読んでいる人からしたらあのラストはいただけない。というか、ミステリ要素が必要だったのかな?クラシック文学としてとてもきれいな文体が多かったので、それでまとめたらよかったんじゃないかと思ってしまい、残念でした。
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最後まで読めなかった。
とにかく音楽のことがわかってないと理解ができない感じ。
音楽のことを知らない人を拒否する作品。
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「ノヴァーリスの引用」以来、奥泉光の作品を読み続けてきた。ミステリー仕立てではあるけれど、ミステリーとして読んでしまうととても平凡な作品と感じてしまうだろうと思う。けれど、芸術というものの本質の追求がテーマである作品として読んだらどうだろうか。僕はこのミステリー仕立てそのものが、芸術の本質に迫ろうとした人間の限界のようなものを表現しているのではないかと思えてならない。
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2011年本屋大賞5位
高校の後輩:天才ピアニストが語るシューマンの世界に傾倒していく物語。そして天才ピアニストが弾くシューマンを聞いた直後、殺人事件が起きるというミステリー。
本の前半分がシューマンについて、非常に熱く語った内容となっている。
まるで大学の講義を聞いているようで、読むと眠くなってしまい、なかなか読み進めることができず…w
(そう言えば、教授が研究対象への情熱が溢れすぎて置いてけぼりにされることってあったよなぁ)
半分を過ぎるころから漸くミステリーが始まり、クライマックスは少女マンガの世界が繰り広げられるという何かと忙しい作品。
本屋大賞に選ばれるってことは、本屋さんにはクラッシック好きな人が多いんだね、きっと。
それとも描写が美しいってことなんだろうか?
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i am poor music intelligence. of cause, about Schumann, too. the tree of dead. http://www.jgg.jp/modules/kolumne/details.php?bid=71
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なんとも不思議な。最後まで読んで、やられたーと思う。
延々と音楽史だか音楽論だかが続く。全く音楽に疎い私は正直飽きた。でも最後まで読んで良かった。
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読んでいるときの違和感が あ〜〜そーゆーことねぇぇぇ!!と結末で回収されたのはよいのだけど、要するに思ってたのと違うからこその違和感だったわけですね。
主題となるであろう 幻想的な晩の映像が怪しく美しく脳裏に思い描かれる。
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クラシックの楽曲や演奏に対する詩的な賛美表現や
作曲家の薀蓄がページの大部分を占めており、
読中受ける感じとしては、ミステリー小説を読んでいるというより
クラシック名曲ガイドの類を読んでいるのに近い。
物語的な起伏もそれほどなく、
事件といえば高校で起こった殺人事件くらい。
終盤になって、物語が急転直下を告げて
物語の土台がひっくり返る様はなかなかに見ものだが
それを良しとするかついていけない感じを受けるかで
評価が変わってくる一冊だと思う。
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こちらの作品のブクログ登録日は2015年2月7日ですが、レビューを書いていなかったので、本日(2021年7月31日)書きます。
著者、奥泉光さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
奥泉 光(おくいずみ ひかる、1956年2月6日 -)は、日本の小説家。近畿大学文芸学部教授。
作品の内容を、適当なところからコピペすると、次にとおり。
音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。
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奥泉氏については個人的笑いのツボ、どストライクのユーモアミステリ『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』についで2作目、芥川賞作家のミステリとして2011年度このミス第5位である。さらにタイトルから容易に連想されるが、音楽、とりわけクラシックとミステリの融合である。これは中山七里氏の岬洋介シリーズとかぶる世界観であり発刊日も2010年と同じ年。音楽を文字で表現する手法においても対比せざるをえないだろう、そのような予想の元に読了した。
以下かなりのネタバレとなります、この先の立ち入りはご注意ください!
まず本書の構成は主人公一人称の独白スタイルである、30年以上前の青春時代を回想するという形式。ミステリ通ならばこの構成でなんらかの仕掛けを疑うかもしれない。自分もその疑惑を持ちつつページをめくったのだが、その疑惑は間もなく霧散してしまった。
冒頭において核心となる謎が提示される、指を失ったピアニストが遠く異国の地でピアノ演奏をしていたという事象。この謎と時を同じくして発生した殺人、過去を紐解き真実に迫ろうと記憶を手繰り、資料を洗いだしていくのだが、そこにまるごと音楽家シューマンが存在したのである。
主人公とシューマンに魅せられた天才ピアニストの友情、そして彼等がつむぐシューマンの音楽、序盤から中盤はこれがほとんどである。読者によっては難解すぎ退屈かもしれない、しかしながら自分にとっては、クラシック音楽素人でありながらも、その世界観に入り込むに容易く、シューマンの音楽、音楽論、人物像、それが勘違いであろうと己の脳内に確立されたのだ。もちろんページから音楽を聴くことはできない、作家と読者の相性もあろうが、これは作家奥泉光氏の「言葉」の威力に他ならない。彼の綴る言葉、会話、その計算された配列が綯い交ぜになることなくすんなり頭に入ってくる。既読の読者ならおわかりと思うが、章と章の合間の一行だけの会話、独白、文節の切り方などが頻繁に現れる。過去と現在を繋ぐ場面、背景の移り変わりなどで多様されるが、そのアクセントは自分の読書力に完全に当てはまった。この快感を味わいつつ世界観に埋没したのだ、そこで最後の物語の反転にも素直に驚き、ミステリ的感動も味わうことができた。
「クワコー」において奥泉氏が挑戦したのは「笑い」であった、真義はともかく自分はそう受け取った。笑いは読者の反応を見るには簡単である、笑わせればよい。自分は大笑いした。次作を読んで思うに、あの笑いの質が改めて思い起こされる。キャラクター、会話、出来事が渾然一体となって、完全に何が起きたのかがわかるのだ。そこにも奥泉氏の「言葉」の威力があり、自分との相性もあったかもしれない。色彩は全く違う作品であるが、表現という手腕においては共通のものを感じることができる、他の作家と比べても歴然たる同一性を感じることができた。
音楽とミステリの融合と銘打つも実際の演奏シーンは少ない、少ないながらもそのシーンにおいては作者の技量が満遍なく発揮されて、息を呑む密やかさ美しさがページに溢れていた。中山氏のシリーズとは音楽をベースにおきつつも作風は全くの別物であった。中山氏が音楽を通じての人間的成長、外側に広がっていく陽の側面なら、奥泉氏は人の内側に深く入り込んでいく陰の側面、結果人を滅ぼしかねない魔力を描いていた。描写という点では甲乙つけがたいと感じたが、読者は読み取るものは別物であろう。
結末については賛否があるようだ、自分は音楽に入り込みその予想ができなかった。同じ作風は別の作家にもあり枚挙にいとまない。しかしながら本当の真実は明かされじまいであり、虚構の中に灰色の影を仄かに照らすような終り方であった。どうやらこれも奥泉氏の作風のひとつであるようだ。また別のものも読んでみるしかないようだ。
そしてやはりシューマンを聴いてみなくては…
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なんだか不思議なお話でした。
前半部分は、クラシックに疎い私にとっては、全くピンとこない内容だった。クラシック好きな人だったら、面白いんだろうなぁ、と思いながらなんとか読み進めた。
それが、殺人事件が起こり、一気にミステリーへ。シューマンの調べを底に響かせて、思いもよらないクライマックスへ。
そこからさらに、主人公の妹の手紙によって、世界はガラリと様相を変える。
前半部分にも、たくさん伏線があったんだなぁ。確かに読みながら、違和感を覚えるきじゅつはたくさんあった。
誰かの目線で語られる世界と、他の者からみた世界が、こんなにも違うなんて。
音楽は目に見えないけど、確かにそこに存在する。世の中で、目に見えているものの、なんと限られたことか。
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15/05/10
最初のほうで「あれ?これ、もしかして前に読んだかも?」と思い、読み進めていくうちに「読んだわ、これぜったい前に読んでるわ」と確信したのに、結末がすっかり思い出せない。で、しゃあないともう一回読みました。そうだそうだ、「このなにその結末、、不快」な感想を持ったんだった。もう三回目は読まないように気をつけよう。
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シューマン大好きの私にはすごく楽しんで読めました。
結末にはちょっとびっくりというか、そんなオチもありなのか…と思いましたが、個人的には好きです。
もう一度ピアノを、特にシューマンを弾きたくなりました。
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冒頭の鹿内堅一郎から里橋優への手紙の謎が、最後の里橋の妹宮沢恵子から吾妻豊彦への手紙で見事に解き明かされるという、特異な構成の物語だが、Youtubeで出てくる曲を楽しみながら読んだ.優の手記が淡々と展開する中で、何故か腑に落ちない部分がずっとつきまとうが、最後のどんでん返しが秀逸だ.