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村山由佳の王道な感じの作品。
背景描写が素晴らしいです。
モロッコ行ってみたくなった。
読了後、野生の風や翼を読み返したくなった。
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前半はとても長い情景描写が続きます。作者自らの旅の思い出を書き綴りたい気持ちと、物語の展開度合いを比べると釣り合わない分量になっていますが、
読み進めるうちに味わいが深まり、クライマックスに向かうにつれ、この旅が終わってしまう寂しさを感じさせる、せつない物語に展開していきます。
ラマダン(断食)を通じて、信仰心とは別に、心と肉体の浄化(デトックス)や人々の平等性、博愛を悟る。そして心の覚醒が訪れる姿が描かれます。
気取らずも、奥深い「大人の」か書きっぷりは流石に直木賞作家ですね。格の違いを感じます。
モロッコという舞台に同性愛を絡めてくるけれど、
ギリギリで抑えてる愛欲表現には物足りなさが残りますが、それはそれで作品の意図を崩すことなく良かったと思います...
通常のルートでは、中間点のクライマックスであるサハラ砂漠。ここではぐるっと迂回して最後に辿り着く設定になっている分、
メラズーガから見るサハラ砂漠を旅の終着点に持ってくる意図がはじめからあったんだろうと思います。
とても穏やかで、感動をそそる終わり方でした...
旅と人との出会い、異文化を通じ、自らを見つめ直して、心をわだかまりを浄化し(カタルシス)、それぞれが先々に進むべき道筋を優しく指南してくれる素敵な物語でした。
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読んでる最中は特に思わなかったけれど、
読み終わって見て思い出してみると、
頭に浮かぶのは旅行中の情景、雑貨類など神秘的な...
うーん、なんていうんだろう、華やかとはちょっと違うんだよなあ。
魅力的ともちょっと違うし...
あー、語彙の少なさにいらいらする笑
思い出せそうで思いだせない。
とにかく読んで見て、どうしても死ぬ前にモロッコに
いって、ラマダンをしてみたいと思いました。
そういう情景とか雑貨とかの描写がとてもきれいで、
魅惑?...魅惑!そう、この言葉がほしかった笑
読み終わってみると好きな作品の1つです。
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不思議な視点に最初違和感を覚えましたが、途中からはどっぷりと物語に入り込んでいました。
久しぶりにたっぷり涙を流しました。
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ここ数年で個人的にベストな作品。
周の遺言に従って、姉、友人、そして人生のパートナーと共に遺骨をサハラ砂漠へ撒きに行く旅の物語
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村山由佳さんらしい一冊。
登場人物たちが抱えるモノが、弟の遺言であるサハラ砂漠へ遺灰を撒く旅を通じて、だんだんと透明に透き通っていくようなそういうイメージが感じられて印象的だった。
終盤に登場するハールーン(だったはず)の言動が特に私は好きだったな~
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ひさしぶりに読んだ。
この前に読んだのがダブルファンタジーで、おいしいコーヒーの~シリーズは脱落。
ひさしぶりに、この人っぽい作品を読めた気がする。
周の遺言を叶えるために、サハラ砂漠まで旅する、姉・友人二人・恋人?の不思議な四人の旅をゆっくり描いているような。
途中ちょっと間延びかなぁ、と思うところもあったり、視点がそれぞれ変わっていく話があんまり得意ではないのだけども。それでも、行ったこともないサハラ砂漠までのルートが一つ一つ目に浮かぶような話だったかと。
こんな風に誰かを思えるっていうのは良いなぁ、と思ったり。
冒頭に出てきたフラワーコーディネーターを目指す女の子二人組、というのは、すべての雲は~に出てくる二人なのだろうか、と後で気付いた。
昔の作品と同じ匂いがしつつ、そうでないところもあったりして良かった。
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友達・恋人・弟、それぞれにとってそれぞれの存在だった男性の死を弔う旅で、それぞれが何かに気づく話。
非日常の風景が気持ちに刺激を与え、凝り固まった気持ちを変えていく。その気持ちの変化を受け入れ、日常生活に戻れるのか…?
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ゲイのおとうとが死んだ。愛するひとが死んだ。愛する仲間が死んだ。一人の男性の死なのだが、それぞれの人にとって違う意味を持った死がある。悲しみはそれぞれ違うのだが、その男性の遺言がサハラに骨を巻いて欲しいというものだった。モロッコに渡り、サハラに、向かう一行。それぞれが思い悩んでいた愛情に対する不信が旅の中でぬぐわれていく。そんな話です。モロッコからサハラめちゃくちゃ行ってみたくなりました。
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文庫版が書店に並んでいるのを発見して無性に読み返したくなって再読。
前回読んだのがいつだったか忘れていたのですが、面白いと思ったことだけは覚えていました。
改めて読んでそれが記憶の美化ではないことを確信。
情景描写をはじめ、男女のみにとどまらない恋愛模様、グローバルな世界観、何より登場人物の心情表現の細やかさ。村山由佳さんの魅せ所が全て詰まってる作品だと思います。
まぁ詰め込みすぎだという意見もあるかもしれませんが……。でも私は大好きな作品です。
様々な愛の形を知る、というのがこの作品の謳い文句であるようですが、どちらかというと恋愛観より人生観の方に影響を受けたかも。それこそ登場人物の結衣が言っていますけれども。
「どうしてあれほど傲慢に、続いていく明日を信じられたんだろう」
その一文が沁みたのはきっと私が現状の問題を先延ばしにしてしまっているからなんでしょうけど。
ちょっと自分を見つめ直さなきゃなぁと反省。
恋愛面や文化価値観などについて色々語りたいことはたくさんありますが、今の私にはそれが一番深く刺さった部分でした。人生観。
あとは……
私もサハラ行きたい。
これに尽きる。
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周の遺灰をまくためにモロッコに旅する4人。彼らはただ周によりつながっていた人たちだった。そしてモロッコを旅している時も、缶の中の周の遺灰だけでつながっていた。主人公が遺灰となった周であるのに、あたかもそこに魂が存在しているかのように書かれている。旅をしながら互いを少しずつ理解し、それぞれが自分にとって大切な人についてあらためて考えていくという、そんなお話だったと思う。後半にいくに連れて面白さが増していった。
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1度目に読もうとした時は途中で挫折。
なんだか途方もなくファンタジーの要素がしたのだ。
何ヶ月か経って再度読もうとした時には、
ファンタジー嫌いなわたしにもすっと入ってきた。
サハラ砂漠に向かって旅する人たちの話、
というとあまりに薄っぺらすぎる。
魂とか、愛とか、文化とか、宗教とか、
そういういろいろなものに触れられるストーリー。
最後ちょっと泣いた。
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パリで、ひとりの青年が死んだ。最期をともに過ごした同居人は、ゲイの中年フランス人だった。青年の遺言は、「遺灰をサハラにまく」こと。フランス、スペイン、モロッコ―。青年の姉、友人のカップル、同居人のグループは、様々な思いを抱えたまま、遺言を叶える旅に出るが…。 魂の拠りどころを求めて彷徨う男女の姿を通じて、同性愛、姉弟の愛など多様な愛のかたちを描いた意欲作。
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亡くなった人物の遺灰を、姉、友人、ゲイの同居人たちが遺言通りにサハラ砂漠にまきに行く、ロードムービー。所々に、人物描写や深い言葉が入るけど、ちょっと入り込めなかった。
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私が特に惹かれたのは、腐れ縁の二人の描写です。死んでしまうかもしれない、そこまでの状態にまで行かないと自分の気持ちに気付けない、そんな意地っ張りで素直じゃなくて、でも誰よりも一途な彼女の姿に自分を重ね合わせて、祈るような気持ちで読みました。また、同性愛のむずかしさ。慣習だったり、意識しない所での罪悪感。罪深いからこそ、背徳感からスリルになり、なんだか真実の愛のような気がしてきてしまう。
ラストシーンの叫びはもう・・・