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事件から1年。それは、長く、苦しく、悲しい時間であったに違いない。
何があったら、「誰もわかってくれなかったし、誰も手を差し伸べてくれなかった。ただの一度も」と、言わせるのでしょうか?しかも、13歳の少年に。
しかも、周りの大人たちだけでなく、神様にも。「毎晩のように祈っていたんだよ。結局神様は見向きもしてくれないと悟るまで。これから先もそれは変わらないと悟るまで、わかる?」、この悲しみから、物語は始まる。
そう、事件から、1年後、新しい事件が起こり、新たな展開を迎える。
無茶苦茶になった家族、ジョニー、ジャック、そしてハント刑事。時が動き出して、後編へ。
印象的なフレーズは以下:
★どこも安全ではないことを早くに学んだのだと。どこも安全でなく、誰も守ってなんかくれない。子供時代は幻想にすぎない。
★刑事さんが諦めたかからって、ぼくまであきらめなきゃいけないことにはならないよ
★「希望を持たせるようなまねはやめて」…「二度としないで」
★誰にも理解できっこない。ティファニーの家の壁の向こうで何が起こっているのか、家族がどれほど苦しんでいるのかを。恐怖と怒り、少しずつ失われてゆく希望、そしてすべての終わりを。
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彼が何のために
何がしたくてそうしているのか
わからないまま進む
それでもちっとも気にならず
どんどん進む
だって面白いもの
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アメリカの作家「ジョン・ハート」の長篇ミステリ作品『ラスト・チャイルド〈上〉〈下〉(原題:The Last Child)』を読みました。
『川は静かに流れ』に続き、「ジョン・ハート」の作品です。
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早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念作品。
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞&英国推理作家協会賞最優秀賞スリラー賞受賞。
〈上〉
少年「ジョニー」の人生はある事件を境に一変した。
優しい両親と瓜二つのふたごの妹「アリッサ」と平穏に暮らす幸福の日々が、妹の誘拐によって突如失われたのだ。
その後まもなく父が謎の失踪を遂げ、母は薬物に溺れるように……。
少年の家族は完全に崩壊した。
だが彼はくじけない。ただひたすら家族の再生を信じ、親友と共に妹の行方を探し続ける。
〈下〉
「あの子を見つけた」大怪我を負った男は「ジョニー」に告げた。
「やつが戻ってくる。逃げろ」少年は全速力で駆けた。
男の正体は分からない。
だがきっと妹を発見したのだ。
「アリッサ」は生きているのだ。
「ジョニー」はそう確信する。
一方、刑事「ハント」は事件への関与が疑われる巨体の脱獄囚を追っていた。
この巨人の周辺からは、数々の死体が……。
ミステリ界の新帝王が放つ傑作長篇。
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2009年(平成21年)に発表された「ジョン・ハート」の第3作で、同年の英国推理作家協会賞(イアン・フレミング・スチール・ダガー賞)や翌年のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞を受賞した作品です。
13歳の少年「ジョニー・メリモン」は、犯罪歴のある近隣の住人たちを日々監視していた… 彼は、一年前に誘拐された双子の妹「アリッサ」の行方を探しているのだ、、、
美しい少女だった「アリッサ」は何者かに連れ去られたが、警察はいまだ何の手がかりも発見できずにいた… 「ジョニー」の父親も、「アリッサ」が誘拐されてまもなく謎の失踪を遂げていた。
母「キャサリン」は、土地の有力者「ホロウェイ」の愛人になり薬物に溺れ薬漬けの毎日を送っており、「ジョニー」の家族は完全に崩壊していた… 「ジョニー」は学校を頻繁にさぼり、友だちの「ジャック」の手を借りつつ昼夜を問わない危険な調査にのめり込んだ… ただひたすら、妹の無事と家族の再生を願って――。
「キャサリン」に好意を抱き、「ジョニー」を気遣う刑事の「ハント」は、事件への関与が疑われる巨体の脱獄囚「リーヴァイ・フリーマントル」を追っていたが、この巨人の周辺からは、数々の死体が……。
面白かった! 久しぶりの感動作です… ひとつの事件ではなく、異なる複数の事件が絡んだ意外な真相が待ち受けているミステリとしても愉しめ、崩壊した家族を再生させようとする少年の成長を描いたヒューマンドラマとしても愉しめる作品でした、、、
誘拐された妹を果敢に探しながら、愛する母親を愛人と薬から取り返そうと、懸命に行動する「ジョニー」に気持ちをシンク���しながら読みました… 少年モノには弱いんですよねー
決してハッピーエンドではなく、主人公の「ジョニー」にも、刑事の「ハント」にも、過酷な現実が突き付けられる結末でしたが… それでも、救済や赦しが得られ、未来への灯を感じさせられ、家族の再生を期待できる深い余韻の残るエンディング、一度は友情が決裂した「ジョニー」と「ジャック」が仲直りする清々しい展開も良かった、、、
そして、「ジョニー」と「リーヴァイ・フリーマントル」との出会い、「メリモン家」と「フリーマントル家」の先々代の関係等、奇蹟的・運命的な出会いも巧く織り込んでありましたね… リアルな部分と神がかり的なファンタジックな部分のバランスが絶妙だったのも印象的でした。
700ページを超えるボリュームには感じられないくらい集中して一気に読みました… 今年イチバンの作品かな。
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森や川を描く冗長な場面も多く、なかなか読み進めることができなかったが、複雑なプロットで最後の謎解きには感心した。米国ミステリー全般にいえるが、銃が身近にある米国でないと成立しないストーリー。ジョニーの万能さとキャサリンの外見的魅力にリアリティが欠ける気がするが、米国文化を知らいないためかもしれない。