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本には読むべき時がある、といつも思う。今この小説を読むことができてよかった。
痛くて苦くてヒリヒリする。それは、ふだん見ないようにしている自分の弱点を容赦なく暴き立てられてしまうから。でもその痛みが自虐的快感を呼び起こす。
「桐島、部活やめるってよ」を読んだ時は、高校時代の自分を見るフォーカスを見つけたと思った。
本作では、大学以降の自分の輪郭がくっきり浮かび上がってきた。
時代背景も社会状況も世情も全然違うのに、そこにいる人間の根本はなにも変わらない。
何者かになりたくて、何者にもなれなかった、と思ってきたけど、何者かになるためのカッコ悪いあがきをちゃんとやってきただろうか、と今ごろになって思う。どんなにかっこ悪くても痛々しくても、現実の自分をまるごと受け入れてその上で勝負していくしかないんだよなあ。
一見優位にみえる観察者、傍観者の立場に逃げ込んで他人を見下してみたって、それで何者かになれるわけじゃない。
他人との距離の中に漂う、形にならないけど確実に存在する感情や雰囲気が、恐ろしいほど正確に描かれていて、背筋がぞっとする。
生きてる間に朝井リョウの作品に出会えてよかった。
「朝井リョウ」に間に合ってほんとによかったと思う。
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読み進めていくうちにすっかり主人公に考え方、価値観が同期されてしまった自分には痛すぎるラストでした…(T_ T )
主人公の背中越しに眺めてた物語のラストでとつぜん主人公が振り返って「で、お前は一体何者なの?」って聞かれたくらいの衝撃…w
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就活から逃げたから、今でもこういう世界に興味がわく。
あるんだろうなーこういうこと。
一気読みした。
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すっごいおもしろかったよ。
それぞれのキャラクターはそうはいないタイプですが、それぞれの行動やら心情やらがすごいリアルかも。
なんかちょっと身に覚えがあるような感じ、すごいする。
それぞれの本音が痛くていたたまれない。
しかし今の子たちは、大変だよね。
就活にこんなに消耗して、むしろ本来の将来の進路選択とは別の戦いがそこにあるものね。
SNSとかほんとめんどくさい。
でもその分、想像力を失くさずにいたいよね。
最終的なオチもうわーって感じだけど、至極だな。
やっぱり、こういう等身大の人物たちを描くとすごく上手いなぁと思います。
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就活生になってしまった、というわけで読んでみた。主人公がなんだが自分と重なる。私もこういうことあるなー…。就活頑張らねば。
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30代の作家ならともかく、同年代の心情をここまで冷静に描けるのはすばらしい。
登場人物の関係性の微妙な変化や、物語の設定に一ひねりあってアクセントになっている。
リアルタイムで作品を追って行きたい作家の一人。
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大学で演劇サークルに入り就活難航し、ツイッター見て他人を笑い2ちゃんを見て自分を慰める・・・
ふう。
大学4年間をほぼ演劇サークルの活動に費やし、しかも就活に失敗して現在留年中のaikoism35にはキッツイ小説であった。キッツイ小説だけど、桐嶋の時と同じく、計算されたさわやかさがあり、読後感はすっきり。
実はaikoism35は朝井リョウと同じ平成生まれで、同じ某早稲田大学生である。戦後最年少で直木賞を取り就活にも成功していやがる朝井リョウが、とにかく憎たらしいぜ!笑
でもすごい面白い小説でした。
でも朝井リョウの小説が好きです!って言いたくないな!
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相変わらず表現が豊かで素晴らしい。今までの作品にあった爽やかな雰囲気はなりをひそめて、人の弱さ、痛々しさ、裏の顔といったものが描き出されている。就活の厳しさや苦しさがギッシリ詰まっているから就活生は必読。
ただ就活が憂鬱になることは確実。
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著者は真面目で誠実な人なんだと思った。
僕はこの小説の中で起きていることを、見たことがあるし、聞いたことがあるし、読んだことがある。この小説の中の登場人物たちのことをよく知っている。この小説について、こうして点数をつけて、評価を下すという行為そのものが、小説の中に入りこむということなのだということも知っている。そして、小説もそのことを知っている。
残酷なことですよ!
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初めて朝井さんの本を読みました。始めはぬるい感じに物語が進んで行ったけれど、後半はけっこう心にグサッとくるエピソードばかり。なので心に響いた言葉に付箋を貼っていたら後半に集中していました。SNSは簡単に情報が発信できるけれど、使い方によってはとんでもない大きなものを失う、ということが生々しく伝わってきました。瑞樹が隆良に感情を爆発させるシーンはアッパレ。確かに拓人考え方はたくさん共感してしまう部分があった。けど、やっぱり愚痴とか他人の批判については慎重に、という教訓を彼から学んだ気がします。
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以前から気になっていたものやっと買えた。就職活動が始まった自分にとてもしっくりくる内容。主人公が自分を映す鏡のようだった。これは僕だけに当てはまることではなく、一般の就活生全員に当てはまることなのだろう。
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やっと読了。
嫌で嫌で仕方なかった就職活動期を思い出させていただきました。
登場人物の気持ちが手に取るようにわかるというか…
私は多分就職活動していたあの頃が1番性格悪かった。
それを無理やり思い出させられた感覚。
苦痛も感じたけど、でもそれで少し救われた部分もあります。
SNSで簡単に発信できるからこそ、一生懸命仕立てた鎧も簡単にボロが出てしまう。
あれからまだ数年しか経っていないけれど、その数年でSNSはまた急速に身近に迫ってきて、こんなもんと付き合いながら就職活動するなんて…
もう2度としなくないです…許してください…(そんな気持ちになりました。)
そして、最後にゴンッと頭殴られた気分。
就職活動=○○ということに縛られすぎてた。
身近にもそういう人結構いたのに!
思い返せばヒントも結構出ていたのにその発想はなかった。
さすが直木賞!と思いました。
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就活かぁ・・・大変そう~・・・ってか、やりたくない・・・あー、息子とか、今から心配・・・でもまぁ、自分で何とかしてくれいっ!!とか、いろいろ思いながらつんたら読んでしたら・・・あら、あら、あら・・・後半は、かなり追い上げてくれましたね~!「何者」、ナルホドね。ちょっとコワかったなw
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・いつからか俺たちは、短い言葉で自分を表現しなければならなくなった。フェイスブックやブログのトップページでは、わかりやすく、かつ簡潔に。ツイッターでは140字以内で。就活の面接ではまずキーワードから。ほんの少しの言葉と小さな小さな写真のみで自分が何者であるかを語るとき、どんな言葉を取捨選択するべきなのだろうか。
・俺たちは、人知れず決意していくようになる。なんでもないようなことを気軽に発言できるようになったからこそ、ほんとうにたいせつなことは、その中にどんどん埋もれて、隠れていく。
・「生きていくことって、きっと、自分の線路を一緒に見てくれる人数が変わっていくことだと思うの」
・「10点でも20点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと、点数さえつかないんだから。これから目指すことをきれいな言葉でアピールするんじゃなくて、これまでやってきたことをみんなに見てもらいなよ。自分とは違う場所を見てる誰かの目線の先に、自分の中のものを置かなきゃ。何度も言うよ。そうでもしないともう、見てもらえないんだよ、私たちは。100点になるまで何かを煮詰めてそれを表現したってあなたのことをあなたと同じように見ている人はもういないんだって」
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人は、いくつもの顔、そしてつながりを持っています。今の時代は、SNSも加わり、自分が何者であるかの立ち位置が難しい時代なのかもしれません。学校での顔とそのつながり、会社での顔とそのつながり、家庭での顔とそのつながり。自分とは、何者か。自分という役者を演じているのか。それを総じて自分なのか。就職活動を通じて、登場人物たちが、人生の葛藤をしている場面の連続で、今の大学生のリアルをこの本からも感じ取れることができました。いつ何時も、今の自分の存在を認めることから進化・深化・真価は始まるのだと思います。