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羅生門すごい。蜘蛛の糸もそうだが人間のエゴを描いておきながら、それについて否定も肯定もしない芥川の態度が良い。蜘蛛の糸やこの作品を、学校教育なんかで道徳論にすりかえるのはつまらない。人間の本質はエゴでしかありえないのに、それを見据えず、エゴに対する後ろめたさから道徳論として消化する人間の態度もまたエゴであろう。
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京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃の話。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひきぬいている老婆を目撃した男が、生きのびる道を見つける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、何とか短くしようと悪戦苦闘する『鼻』。ほかに、怖い怖い『芋粥』など、ブラック・ユーモアあふれる作品6編を収録。
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後期に芥川の演習があるため、実は羅生門とトロッコしかろくに読んだことのないのですが挑戦してみましたよ。この年になって初めて「鼻」「芋粥」読みました、読みましたともさ!さすが「鼻」は漱石が絶賛したくらいだもの面白かったです。「芋粥」もよかったー。「袈裟と盛遠」で芥川の深さに惚れましたね。しかーし「邪宗門」未完かよ!!すごく続きが気になる終わりですよ……ああ、こうなったらもっとたくさん読んでやる。
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同じ小説でも、何度も読んでいると違った視点が見えてくることがある。
芥川龍之介の『羅生門』もその一つだ。
「境界」という視点でこの小説を眺めると、とても興味深いことに気がついた。
次に箇条書き的に、その「境界」について述べてみよう。
?「羅生門」(羅城門)は、平安京の入り口で、洛中と洛外を隔てる境界である。
?冒頭は「ある日の暮れ方」、そして末尾は「黒洞々たる夜」で、小説の世界は、昼と夜の境目である。
?時代は平安末期。貴族の時代が終わりを告げ、武士の時代に移り変わろうとする境目である。
?季節は晩秋。京の町にまもなく冬が来るわびしい時期。季節の変わり目である。
?仕事を失い、明日の暮らしにも困っている主人公の下人は、飢え死にするか、盗人になるかを迷っている。すなわち、善悪の境界線上で逡巡している。
?飢え死にするか、盗人になるかという選択を迫られている下人は、死と生との境界線上にいるといえる。
?羅生門の上で、死人の髪の毛を抜く老婆も、「許されぬ悪」と「許される悪」との微妙な境界線上で、生のバランスを保っているといえる。
?死人の髪の毛を抜く老婆を見て、悪を憎む心を燃え上がらせた下人は、最後には老婆の着物をはぎ取る盗人になってしまう。すなわち、正義の側と悪の側とを隔てる境界線を超えることになる。
?羅生門の楼の上に捨てられている死人は、身寄りも葬る人もなく、現世の穢土と極楽浄土との境目で、浮かばれることなく放置されている。
?本編には登場しないが、羅生門といえば「鬼」が有名である。方角の鬼門は「丑寅」(北東)の方角で、時刻の「丑寅」は午前3時頃。古代においては朝が始まる直前で、ちょうど夜と朝との境目である。この怪しげな時間帯に魑魅魍魎が跋扈する。
以上、思いつくままに書いてみたが、ちょっと面白いとは思いませんか?
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文学大好きだった高校生の頃の1冊。
このお話は大飢饉のときにあった話らしいが、侍が農民たちより衣類を奪い、
自分の人生がどんどんと堕落していくという内容だったかな?
なかなか現代にはない奥の深い
何度も読まないと理解しがたい1冊。
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「羅生門」「鼻」「芋粥」「運」「袈裟と盛遠」「邪宗門」「好色」「俊寛」
芥川龍之介、“王朝物”と言われる歴史小説を8編収録。
芥川は「羅城門」を「羅生門」とする。「『話』のない小説」論争で、物語性に富む虚構を退け、心境小説を最も純粋な文学としたように、彼の人間の心理描写は素晴らしいと思う。
現代文の授業で昔読み、好きだった「羅生門」。今読んでもまた考えさせられるものです。羅生門を後にした下人はどこにいったのだろう?
「羅生門」「鼻」「袈裟と盛遠」「好色」が好き。
手元に置いて、繰り返し読みたい一冊です。
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難しい文章が酷に感じる反面、徐々に物語の中へと吸い込まれていくからびっくりだ。芥川先生の良さは、羅生門を読んだらすぐにわかる。
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中学生くらいだったか、両親がお土産に買ってきてくれた本。妖しくて、独特で、影があるような話ばかりだった記憶がある。
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「これを聞いている中に、下人の心には、或勇気が生まれて来た。それは、さっき門の下で、この男には欠けていた勇気である。そうして、又さっきこの門の上へ上って、この老婆を捕らえた時の勇気とは、全然、反対な方向に動こうとする勇気である。」
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羅生門は暗くて、怖いです。苦手だけど、読んで、でも好きになれなかった。
でもこの怖いって思えるリアルさがすごい。
理想じゃなくて現実。
カフカの変身とリアルさはにてるけど、後は対称って感じ。
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芥川の短編集です。短い中に人間のいろんな面が切り取られていて、非常に面白いです。表題の2作に加えて、私が好きなのは『芋粥』と『好色』です。恋するのが辛くて、好きな人にあえて幻滅するために、好きな人のう○こを見ようとするんですよ!すごすぎっ☆
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芥川の文学とは何ぞ?
と、川上未映子さんをきっかけに
手に取りました、初めての古典です。
国語の教科書に掲載されていた
のを今でもぼんやり覚えてて、
そのミステリアスやインパクトは
何年経っても僕の心を突き刺しました。
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中学生のときに教科書で『羅生門』を読んだことがあったが、また読んでみたくなったので買ってみた。読み返してみて、いかに自分があの時まともに読めていなかったのか悟った。こういう物語だったのか、と。他にも気に入った作品として「鼻」「芋粥」などがある。これらを読んでいると芥川龍之介のユニークな才能がヒシヒシと感じられる。また古文調で書かれているのでところどころ訳せないところがあった。もっと学校で古文を勉強しておけば良かったと自分ながらに反省してしまった。2008-2-9
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もうちょっと勉強しとけばよかった!
注釈読まないとわからない事が多すぎる
中学で習った時のあの凄まじい記憶は間違いじゃなかった
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もう何て言ったらいいんだろ…
あまりにも有名な表題作は勿論、他も魅力に溢れてます。『邪宗門』の続きが気になってしょうがない!もどかしい!