紙の本
「会社」にいるのは人間という存在
2008/01/29 22:51
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「カイシャ」に入って、三十年近くなる。幸か不幸か、「カイシャ」の盛衰を身をもって味わってきた。リストラでやめていった先輩たち、自ら新たな職を求めて去った同僚たち。何年後には元に戻すと説明されて下げられた給料は訳のわからない制度の変更でうやむやになり、株価の下降に青色吐息する経営陣とその周辺の様子に本当にこの会社は大丈夫なのかと思いつつ、それでいてやめる勇気もなく、「カイシャ」は度重なる経営陣の交代のあと何とか潰れずに残った。それで、自身はといえば、いつの間にか、子会社とはいえ何百人と社員のいる会社の経営を任される立場になった。いわゆるサラリーマン経営者である。元従業員、そして今経営者という立場で「会社の品格」をどう見るか。本書はそのための一つのヒントたりえたか。
本書は「会社の品格」を、「組織の品格」「上司の品格」「仕事の品格」「処遇の品格」という社員視点の4つから検証している。なぜ社員視点なのかは、本書の中でも説明されているが「社員こそ、本来の会社の関与者だから」(6頁)という考え方が根底にある。そのことに異論はない。「カイシャ」という人格を監視抑制できるのは確かに社員の視点が大きな要素であり、それは著者もいうように社員こそが最大の投資家であり、顧客だということだ。その一方で、本書は「経営者の品格」についてわずかな紙数しか割いてはいない。元従業員であった立場でいえば、実は「会社の品格」をおおいに左右するのは「経営者の資質」そのものであると考えている。著者のいう社員視点の考え方で「会社の品格」が保持できたとしても、それ以前の品格の成り立ちとして、経営者が品格に対しどのような考え方をもつかは大変重要な課題だと思う。そのアプローチなくして「会社の品格」は語れない。
その一方で、経営者の立場でみた場合、「社員の品格」はどうなのかと問いたい。「経営者の品格」と同様「社員の品格」についてもわずかな説明がなされているが(実際このふたつは同じ章立てになっている)、変革をおそれて旧態依然のことを良しとする社員が果たして「会社の品格」に対し警鐘を鳴らすことができるだろうか。そういう社員に誰がしたとばかりに経営や上司ばかりにその責任を押し付けることこそ問題があるような気がする。
□つまり「カイシャ」というのはそれぞれが人間である経営者と社員から成り立っているところに危うさも、希望もあるといえる。すべてにおいて完璧な人間など多分ほとんどいないだろう。そういう人間たちが「カイシャ」を経営もし、社員として「カイシャ」を動かしてもいるのだ。品格のある人もあればない人もいる。それはどの立場であってもそうだ。(もちろん、経営する側からいえばそれをすべて肯定するのではなく、経営は常に品格をもたないといけない責任があることを否定しないが)だからこそ、あえて本書でわずかしか書かれなかった項目にこそ、「会社の品格」にかかわる大きな問題があるような気がする。なぜなら、「会社」を構成するのは、人間そのものだから。
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会社は如何にあるべきか、品格という言葉をもとにして、組織、上司、仕事、処遇という面で品格ある行動はどうゆうものか書いている。ただ、通り一遍の内容でしかない。
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会社という組織の中で働く人なら、一度読んでみる価値はあります。
そこで働いている人たちが、生きがいを見出して働いているのかと、思わず考えさせられます。会社に求めるもの、会社が求めるものとの間で会社員はどのように考え、行動していくかを考えさせてくれました。
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「経営者」、「組織」、「上司」等々、会社の品格という使い古されたフレーズではありましたが、「リンクアンドモチベーション」の小笹さんの本だったので購入してみた。ここ最近感じている、会社に対するいろいろな違和感を紐解いて見たい。ということで、読後の感想。最近はやりの「品格本」ということで、本当に「品格ってなんだ?」と思える微妙な定義づけ(説明)になっているところもあったけど、「品格」という言葉についてあまりこだわらなければ、著者の主張は極めてもっともだと思った。さらに言うと、これらの著者の主張が満たされた会社が「品格のある会社」だとするならば、今の会社は「品格に欠けている」ことうけあい。特に社長に「品格に欠ける発言・行動」を強く感じるだけに、精神的につらい。品格に欠けているわけだから、それもまた仕方のないことだということか。。。改めて働く環境ということについて、考え直してみたいな。
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今の会社について冷静に分析することが出来ました。今まで自分が思っていたことを代弁してくれているようで、読んでいて『その通り!なんだよなぁ』と何度も思いました。
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働く人なら読むべし。
公務員でも読むべし。
上司の品格、仕事の品格、社員の品格が特に心に響いた。
上司の品格はリーダー論。教員ならば、学級のリーダーたる担任はかくあるべしということを学ぶことができる。
世の中に多々ある「品格」シリーズ。
それ中でも、この本は素晴らしい本だ。
身を引き締めて仕事をしたい。
自分を株式会社に例えて。
ただし、普遍スキルが何かはわからなかった。
2008年01月26日読了
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「国家の品格」以来、「なんとかの品格」といった本が多数出ています。実にたくさんの本が出ていて、「女性の品格」「男の品格」っていうのは分からないわけでもないですけど、人間なら何でもいいということで、「父親の品格」「日本人の品格」「親の品格」「子供の品格」「母の品格」など、いろいろな品格があるものです。さらには、「横綱の品格」(気持ちはよく分かります!)「上司の品格」「社長の品格」「ハケンの品格」と言うのもあって、「老いの品格」なんてなるとおちおち年もとれません。
「恋の品格」「朝飯の品格」「不倫の恋の品格」って本になると、、ちょっと・・・って考え込んじゃいそうですが、ここまで日本人は品格に飢えているのかって実感するタイトルでした。
そんな中、「会社の品格」です。最近は企業の不祥事が多発していますが、会社の品格とはどうやったらできるのか、そのあたりは興味深いものがあります。
この本の面白いところは、もともと会社と言うのは不祥事を起こしやすい体質の存在だということを認識するところから始まる点です。会社とは儲けることで存続する存在ですが、それを法人と言うように法律上は「人」としています。しかしながら、このような儲け一辺倒の守銭奴が近くにいたら嫌な奴って思いますよね。人間ならそうなのです。会社は儲けを目的として存在することで、ともすれば社会的な価値観からずれて儲けようとしちゃう体質があるということで、そんな未熟な会社を社員や経営者がその体質を見抜いて企業経営しないといけないということなんです。
世の中の経営者はの方はちょっと読んでみてもそんなはしない本でしょう。
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?リンクアンドモチベーションの代表取締役社長で、夢を見ながら仕事をすることの重要性を語る著者の理念は、「会社をつくるのは、他でもない社員である」ということ。本書でも社員からの視点で会社論を語っている。成熟した会社は「組織の品格」を脅かす?顧客視点欠落症、?当事者不在症候群、?既決感蔓延症、?セクショナリズム症候群に注意(本文p78)。(1月23日報告)
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リンクアンドモチベーションの社長さんが書いた本。
内容は、おおざっぱに言えば組織論と人的資源について。
会社の存在意義や、上司の存在意義はとても勉強になりました。
あと、小笹さんは7つの原則を実行しているというのが、この本を通じて伝わってきました。
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今まで、小笹氏の本でバラバラに書かれてきた内容が、集約された無いようになっている。
便乗タイトルとは違い、内容は良いし、章立ても受け取りがスムーズ。
あくまで、本。
実践にうつしてこそ価値があるが、人の上司になっている方には読んで欲しい。
モチベート指数は★★★★☆
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まぁ、著者の所謂ビジネス コンサル業の宣伝のようなもんかなぁ。
これと言った目新しさは無いけど、着眼点は面白い、と思う。
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知る人ぞしる『リンクアンドモチベーション(通称リンモチ)』の社長の小笹芳央の著。モチベーションエンジニアリング(笑)会社を取り巻く全てのステークホルダーに焦点をあて品格を高めていこうという趣旨の本だった。まず、『会社』というものは経済合理性を軸に行動するものである事が前提にある。それゆえ不景気時にはまず、『ヒト』を見捨てしまう。しかし、会社を作っていくのは『ヒト』だからそこを大事にしなくてはいけない。その『ヒト』も『カネ』と『ポスト』では動く存在ではなくなってきたので社会にアンテナをはって常に会社も変革していって品格を高めなくてはならないそうだ。さて、自分が就職する『会社』はどうなってしまうのだろうか?それにしても『モチベーションエンジニアリングを使った企業変革コンサルティング会社リンクアンドモチベーション』って(笑)
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● 成果主義の導入にあたっては、多くの会社で、会社の中の分け前を、どんなルールでどう分けていくのか、ということばかりが議論されてきました。本来、会社が行うべきは、会社の儲けを大きくしていくためにどうすべきか、というものだったはず。ですから、本来は、会社の儲けを最大化するには、どんな人事ルールが適切なのかを議論すべきだったのです。
● 「人間」という字は、「人」の「間」と書きます。実は、組織の問題は、特定の「人」ではなく「間」に生じるという見方をしたほうが、スムーズに問題点をつかみ、解決に導くことができます。
● しかし、判断材料としての数値を出させ、それを判断するだけなら、小学生でもできるわけです。数値化できない事柄を、自らの鋭い嗅覚でいかに判断するかということこそ、本当に部下が期待していることであり、上司に求められる「鼻」なのです。
● 仕事の使命感について語るとき、こんな逸話がよく語られます。あるとき街を歩いていた旅人が、石を積んでいる職人に聞きました。「あなたは何をしているのですか」と。すると、職人は答えました。「見ればわかるだろう。石を積んでいるのだ」と。ところが旅人は、もう少し歩いて、同じように石を積んでいるもう一人の職人に同じ質問をしてみました。すると、その職人はこう答えたのです。「私は教会を造っているのです」と。
● 理想はこういうことです。「辞めやすい会社にいたけれど、結果的にはその会社からたくさんの意味を汲み取れた。だから30年間も勤めることができた」。
● 誤解されがちですが、公正な評価というものは、実は存在しません。正しい評価というものもない。いい評価のポイントというものがあるとすれば、評価する側と評価される側が、どれだけ信頼感をベースに、「納得感」のある評価を下せるか、ということなのです。
● 1000人の雇用で10億円の利益を上げている会社は、一見、生産性は低いように見えるけれど、1000人という雇用者の「働く意味」をきちんと創り出している会社である、と。1000人分の意味報酬を、1000人分の時間投資家の満足を生み出し、それを継続できている会社である、と。
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品格シリーズ。会社があるべき姿とは。利益を生み出し、社会に貢献すること、他には…。企業活動の上で何が求められるのか。学校ではまなばなかったので勉強になりました。
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Kodama's review
最終的には、そこで働く人たちの人格にいきつく訳ですが、ポストや収入などの報酬だけではなく、最も大切なことは、仕事を通して得られる自らが社会に貢献しているという実感を得られるという報酬が大切だと、とても共感出来る内容がたくさんありました。
(08.8.10)
お勧め度
★★★★☆