木を見て森を見る。
2007/01/29 10:36
20人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は「統計学の超入門書」と銘打たれている。「カイ二乗分布の登場」までは、なんとなく頭に入った。つってもさわりの部分、ごく表層部分を読んで、理解できた程度だけど。
たとえば、選挙のときの出口調査。なぜ少ないサンプルだけで全国の選挙の結果がある程度予測できるのか。それは統計学に則っているからだそうだ。ランダム・サンプリング(無作為抽出)は名前だけは見たことがある人もいるはず。
「「データをたくさん観測すると母集団にものすごく近いヒストグラムができる」
この仮定を「ランダム・サンプリング(無作為抽出)」の仮定といいます」
1を聞いて10を知る。木を見て森を見る。が、現実にあり!なのね。ええと、作者の「おわりに」ここを引用するのがいちばんいいかな。
「統計学の論理にはある種の「飛躍」がある、ということでした。−略−推測統計の方法論は「部分から全体を推論する」という「帰納法」です。これは数学という完全無欠の「演繹法」になじんだ筆者には、「飛躍だらけの論理体系」に見え、これを受け入れるためには、慣れ親しんだ思考法からいったん頭を切り換えなければならない、と悟ったのです」
「「もしも注目している不確実現象が正規分布だと見なせるなら、正規分布の性質を利用して、なんらかの予言が可能になるのではないだろうか」。そう、この予言は全く正しいのです」
正しい予言だって。でも、ちゃんと数式で導き出されるのだよ、かなりの精度で。この「ある種の「飛躍」」ってなんだか魅力的。具体的な事例のところを読んだだけでも、統計学っていう難しい名前に、少しは親しみを覚えるはず。
作者は、味噌汁の味見を引き合いに出してうまく説明している。何気なく人は、おたまですくって小皿などにあけてひと口飲んでは、味の確認をする。鍋いっぱいの味噌汁を飲まなくとも。これだってある意味、「ある種の「飛躍」」だし。もっとも、味噌がちゃんと溶けていないと、ダマになって沈んでいたりして、味見が失敗することだってあるけれど。
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤマベ - この投稿者のレビュー一覧を見る
数式をほとんど使わずに統計で重要な要素を説明しているので、非常に分かり易かった。
標準偏差を知るにはオススメ
2016/11/30 23:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シュミドク - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで統計学に関する本は幾つか読んだが、イマイチ理解しきれたとは言えなかった。この本を読んで標準偏差についてはクリアになった。
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入門の本としてはすっごい最適なのでは?読みやすいし、エッセンスたっぷりで面白いし。後、最近統計学に触れてないけど久々に勉強してみっかなーって感じの人にもお勧めですね。ま、それ僕ですが。
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これは非常に理解しやすいですね。本当に分かりやすい。
個人的には、微分積分・行列などなどはかなり昔の事になってしまって、
もう一度復習しないとなかなか理解に苦しむのですが、本書は一次不等式までしか
扱わずに、t分布まで説明してくれるので、最初の一歩としてはかなりスムーズに
歩き出せると思います。
本書がターゲットにしている人は、
●統計学を初めて学ぶ人
●改めて統計学を学びなおしたい人
●何度も挫折して、いまだに身に付いてない人
●今まさに落ちこぼれつつある人
なので、この説明からどれだけ理解しやすいかは想像がつくでしょう。
また、途中で株や投資信託などのリスクを、統計学から理解しようとする部分があって、
これがある事で、途中で興味を失わずに読み進める事が出来ました。
もちろん、一回だけ読んで終わりではなく、こういったやさしい本を何度も読む事で
体に染みついてくると思うので、私自身もこれ一回だけでなく、何度も読み直したいと
思います。また、本書は本当に理解しやすいので、一日あれば読み終わると思います。
最後に、本書である程度理解出来た人向けに、さらに理解を深めるための参考図書が
巻末に記載されているので、これを指標にして、これからより統計を深く学んで
いきたいと考えている人にとっては、とても心強い内容になっています。
統計学をこれから学ぼうとしているあらゆる人にお勧めできます。
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2009/3図書館で借りる
まだあまり読んでない。
けど分かりやすそう。
各章がコンパクトにまとまっている。
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『データの特殊性を判断するには標準偏差を基準にする』
「標準偏差は波の激しさ」
サーファーにとって、海の水位も大切ですが、最も大切なのは「どれくらい波が上下動しているか」
海の水位=平均値
波の激しさ=標準偏差
50?上下する波と1m上下する波とでは、全く別物の海。
A海とB海の波の激しさの平均が上下60?だったとする。
A海の波の標準偏差20、B海の標準偏差が40だったとしたら、毎回B海でサーフィンをしている人のほうが、高い波でも乗りこなせる。
『正規分布・信頼区間の考え方の土台』
【標準偏差1個分の低さ・高さの値は月並みの値】
【標準偏差2個分の低さ・高さの値は特殊な値】
偏差値が40〜60にあたる得点は月並み。20.30・70.80は特殊。
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統計学の授業のために購入しました。
私は社会学系の学部に所属しているのですが、アンケート集計等に必要ということで受講した統計学です。なので数学をほぼ必要としない本書は非常に分かりやすくポイントを押さえていたと思います。
しかし到底この本だけでは授業理解は出来なかったので入門書中の入門書として使うことをお勧めします。
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春に『ゼロから学ぶ統計解析』を買って、カイ二乗分布とt分布で軽くつまずいて放棄したということもあって購入してみた。
この本ではカイ二乗分布とt分布に行く前につまずいてしまった。10-2の「信頼区間の『95パーセント』が意味するところ」あたりの説明がどうもよくのみ込めない。僕は筆者の意図するものが汲み取れないという状況が最もむずがゆく耐え難いものであり、一度はこの本ですら放置してしまった(お子様みたいな性格だ)。
しかしそこらへんの細かいニュアンスの理解はさておいて読み進めてみると、案外すらすらと読めるものであり後はほとんど苦もなく読み終えることができた。
カイ二乗分布やt分布の説明も非常に噛み砕いて説明しているのでわかりやすく、このおかげで分布そのものに対するアレルギーも少しは軽減したように思う(恐らく「一様分布」や「ポアソン分布」と言った他の分布も同様に取り組めばいいのだろうという耐性ができるからね)。
超入門の本だから?、数学もエッセンス程度に取り入れるにとどめていて、それが逆に『ゼロから学ぶ統計解析』よりもわかりにくくしているという部分もあるにはあった(少なくとも僕にとっては)。しかしものすごくありがたいことに巻末に今後の理解に合わせて読むべき本が提示されているので、それを踏まえた上で、この本をそういった本に対する「つなぎ」として位置づけて考えれば、この本のコンセプトも悪くはないのだろう。
さっそく『ゼロから学ぶ~』や筆者の紹介した別の参考書を読まなければならない。
(ちなみに「予言的中区間」は筆者の感じる統計学に対する違和感から生まれた新解釈らしいけど、その解釈のどこか従来の考え方と違うのかを今もって理解していないという意味では、僕はこの本の根底をなす意図を全くもって理解していないということになる)
(2006年12月11日)
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中学数学で統計学の必要最低限の知識が得られるようになっている本。回帰分析までは述べていないが、しばしば統計学でつまずくポイントをおさえつつ、独習でも出来るように様々な工夫が取り入れられている。
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前半は正規分布の解説を中心に、区間推定の考え方まで。
後半は「部分」から「全体」を推定する方法の紹介。
カイ二乗分布やt分布が何者なのか?何に利用するのか?が理解できた。
初心者の自分にとっては非常に分かりやすかった。
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仕事で統計データを扱う端くれとして、ボンヤリ程度の統計学理解で算術平均しか使えてないので読んでみた。
相対度数からの平均の出し方を知らず知らず使えていたことがわかってうれしい。
そして、t検定まで完璧ではないにしろなるほどと思えるレベルには理解できておススメ。
同じ著者の微分積分のも読んでみたい。
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これは満足のいく解説書ですね 高校も大学も、専門分野がまるで違ったために 数学の初歩にしか触れていない僕ですが、流れに沿って読むだけで 「選挙速報」のロジックが理解できましたよ。 各理論のつながりと理屈が落としこまれていってつながると けっこう「へーっ!」て感動するww。 「最短で理解させてあげますよ」という冒頭での宣言どおり、 確かにいろいろ省略はあるものの、納得はできる造り。 終わりに書かれているように、多分筆者も最初は理解にするまでに 相当な難儀をしたんだと思われる。 その苦労の経験を踏まえて、畑違いの人間が躓くところを うまく逃げて、消化して教えてくれます。 専門の人じゃ使えないんでしょうが、 そのほかの人がちょっと読んでみると必ず勉強になりますね。 …ただいつどこで使うのかは不明ですがw。
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標準偏差など他の本ではさらっと定義だけで流されるような部分が丁寧に解説されていて初学者にとっては秀逸な本だと思う。
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タイトル通りの統計学の入門書です。平均,分散,標準偏差,正規分布,χ二乗分布,t分布など,統計学が用いられる事項の基本的な概念と特徴,それらを用いた推定の基本的な考え方が把握できる内容になっていると思います。
本書の立ち位置として,数学的な厳密性よりも概念の把握のほうが優先されています。具体的に統計的な例を用いた解説もされていますので,まずは術語の概念をきちんと把握するということでは,良い本だと考えます。まずはこの本を入門書として,より詳細に説明した本に進んで行くのが良いのではないでしょうか。