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おなじみのトンネルからの回想シーンと、突き抜けるようにどこまでも白い景色が鮮明に記憶にとどまる作品。
主人公と駒子がどこまで行っても調和することのない互いに一方通行さが、より物悲しい。
それぞれが内に秘めたる暗闇と一緒に、自分の内で個々に生きているような印象を受けた。
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綺麗な文章。
よくわからないままに読み終わってしまった。ぼかされた表現がまたよいのだろうけれど、ぼかされたところまで読めない自分の読解力のなさが身にしみた。
底っていう表現が好きなのかな。雪の底、夜の底。
次は伊豆の踊子を読みます。
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主人公の考え方にひどく苛々して一度放り投げたのですが、三ヶ月寝かせて読了しました
苛々と掻き乱された時点で作者に圧倒的に敗北したと思ったし、明確な美しいものを描いてはいないのに、一抹の美をかんじてしまう後味が怖かったです
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学生時代、留学生の子が読んでて自分を含めた日本人の殆どが読んでなかったので、こらいかん!と恥ずかしさを覚えて手を出しました。
とりあえず自分の首の後ろのお肉が気になって仕方ありませんでした。作者、うなじフェチ?
また、海外小説と違って婉曲した表現 が多く、日本人の小説だと思うと同時に、大人じゃなけりゃ分からない話だとしみじみ思いました。ティーンエイジャーの頃読んでも分からなかっただろうなあ。
日本語学習にはつきものの冒頭の名文はやはり素晴らしかったですが、個人的には次文の「夜の底が白くなった」が大変好ましかったです。
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絶対自分のもとからいなくなってしまう島村への駒子の強くて熱い気持ちが今の自分にはグッときました。共感できました。
島村の世間離れしたような坊ちゃん気質と勝手さにはイライラしました。
火事のあたりの美しい情景描写は素敵でした。当時の常識がわからないところもあり、情景が浮かびにくいところもあって残念。
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何を書いても、この話を伝えるのに相応しくない気がしてならない。
言葉はまして、情景の美しさとしんとした激しさに、とうに忘れたはずの父方の故郷が目の前に浮かぶようだった。
激情に動かされながらも時の止まったように、どうしようもなく胸に迫るのは、雪国だからこそか。
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人に愛情を傾けるという行為に欠陥がある男と、
人に愛情を傾けると周りが見えなくなる女と、
得体のしれない情熱と清廉さをもった女の話だと感じた。
ちょっと悪い男とか、ちょっと手の届かない男とかに
惹かれた経験のある女性は、多かれ少なかれ駒子に共感するのでは。
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年をとってから、この本を読んだが、後の方が、読んだ後がすばらしかった。誠実で、頭がいいがあまり、将来の見えない雪国の女性のこの透明な美しさが、雪国の清冽な寒さとマッチする。
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川端康成さんの『雪国』といえば冒頭の一文、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」がとても有名です。この文は今まで自分がいた世界から非現実的な世界にやってきたようなことをにおわせます。この雪国での体験が島村の夢の中の出来事だと言われても私は不思議に思いません。そしてあまりにも有名な冒頭の文ですが、私は締めの一文も素敵だと思います。「踏みこたえて目を上げたとたん、さあと音を立てて天の河が島村のなかへ流れ落ちるようであった。」
ノーベル文学賞を受賞するにあたって日本語から外国語に翻訳されてこの本が読まれたと思います。しかし、この作品での日本女性の美しさや雪国の描写は日本語でしか表現できないものだと強く感じます。
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表現がとても美しかった。指で覚えているという表現を覚えている。ただ、あまり手が進まず、途中でやめた。この本は、もっと歳をとってから読むべきなのかもしれない、正直、表現が美しかった、ということ以外に印象に残らなかった。
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冒頭の一文しか知らなかったので、そういう話なのね、と。
若いのになかなか難しい女性像でした。。(共感できないばかりか、行動の理由すら原因が分からない。。40代未亡人とかならそんなものかなぁと思うのですが)
とつとつと時間が進んで、起承転結の真ん中は無い感じ?まぁ現実なんてそんな感じ? 系かと思っていたので
ラストに あれ?!! と驚きました。
そして解説を読むまで結末のその後が分からなかった。。
澤野久雄氏
E・G・サイデンステッカー氏
花柳正太郎氏(劇)
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一つ一つの描写が独特で儚い印象を持つ。そこに隠された意味を理解したり、この物語を面白いと感じるにはまだまだ自分は子供なんだろうと思った。「夜の底が白くなった」
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上野から上越新幹線に乗ってトンネルを過ぎた時に一面雪景色が広がったときに「ああ、川端康成だな」と思ったことが鮮明に思い出される。川端康成のような重たくも丁寧で真摯で重厚な美しい日本語の小説は二度と出てこないんだろうなと思う。
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純文学の好きなところは
感情を説明しすぎないところで
今この人物はどんなことを考えているんだろう
どうしてこういう行動をとったんだろうって
自分で想像してみるところだと思っています。
「君はいい女だね」
たったその一言が、
別れを代弁する言葉になったり
感情を説明しないことが
一番忠実に伝わる説明になることを
雪国をよみながらしみじみと感じました。
なんといっても雪国は文章や、
登場人物のセリフが美しいです。
最後、別れの予感が二人の頭によぎりながら
その真上に輝く天の川。
風景はその時見る人の気持ちや
誰と見るかでその美しさをかえる。
あの天の川は二人にとってもう二度と見ることのできない刹那の美しさ。
はじまりがあって、必ず終わりがくる。
終わりがあるから一瞬一瞬が輝いて
なんとも言えぬ気持ちになりました。
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風景の描写が美しい、と友人に勧めてもらい読んでみた。読むのすごい時間かかってしまった。風景描写ももちろんだけど、言葉のやりとりの中にひそむ言葉に出てこない感情表現、まさに行間を読むといった奥ゆかしさを強く感じた。そう、奥ゆかしさを感じました。純文学をほとんど通っていないので、掬いきれてないところたくさんあるんだろうなぁ。