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奇妙な体験談を蒐集し、読み物らしく整えた怪談シリーズ『新耳袋』。
そこに綴られた恐怖譚の舞台となった場所を特定し、様子を見てみよう!
という雑誌連載を纏めた「殴り込み」の文庫版。
『映画秘宝』にそんな記事があったことも知らなかった……が、
夫が買ってきてポイと置いてあったので読んでみた。
「ポイ置き」とは、すなわち、買ったはいいが忙しいし、
やっぱり面倒だから代わりに読んで要約せよの意である、概ね。
ハ イ 読 み ま し た
「山の牧場」「幽霊マンション」「ノブヒロさん」「天狗神社」の現場検証。
とはいっても、はっきり種明かしが出来たわけではない。
基本的に謎は謎のまま、怪談は怪談のまま。
ただ、怖い話をメシの種にしている人たちが
恐怖心と戦いながら職務を全うしようとする姿が涙ぐましくも滑稽で、
つい笑ってしまった。
テンパッて言動が乱暴になる人や
非情な編集長の無茶ブリに応対する筆者の格闘に、敬意を表したい。
それにつけても恐ろしいのは、あやかしの気配より、
悪意を孕んだと思しい胡乱な人々であることよ。
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新耳袋、とは、どうやら、現代の怪談、百物語のことらしい。私はそちらは読んでいない。が、どうやらこの新耳袋殴り込み、は、その新耳袋で紹介された怪談にまつわる場所に、実際に行ってみて突撃取材・レポートをしてみよう、という主旨の本のようだ。この概要だけ書いてみると、面白そうだしゾクッとできそうな匂いがする。
しかし、だ。読み始めてみると、どうも全体的にまどろっこしく、無駄も多く、肝心の突撃シーンもたいして怖くなく、なんだか何を表現したいのか掴みにくいルポである。
『映画秘宝』に連載されていたようなので、ある程度一定の読者層をターゲットにしているのだろう。だから、書き方や進め方がその層に受けがいいように偏りがちなのは仕方がない。で、たぶん、そのターゲットに合わせて?、変なギャグというか無駄な笑いの要素というか、たいして面白くもない先が読めるかけ合いの部分にだいぶページを割いている。しかもそのかけ合いの部分は、要である恐怖体験には全然関係していないので、こっちも肩がこるというかうんざりするというか、「ハイハイ分かりましたよまたその展開ね、よーく分かりました」の繰り返しになる。無理矢理登場人物にキャラクター性を盛り込もうとしている感じ。
どうせなら、もっと面白い、本当に笑えるレベルのかけ合いを混ぜてホラーエッセイ風にするか、もしくは、きちんと怖さが滲み出るようなシリアス味のあるものか、どっちかに統一されていた方が読む方も安心できて良いのだけどなー。
とりあえず、本家の方の新耳袋を近々読んでみるつもり。。。
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怖い話が苦手ですが、皆さまに面白いから大丈夫!と言われて読み始めて、本当に面白くてゲラゲラ笑っていたら、あの写真でやられました。怖いじゃないですか!私は眠れませんでした。今でも残像に怯える日々。面白くてしっかり怖い。
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「新耳袋」の舞台となった心霊スポットを訪れ、検証したルポ。
ではあるのだが、悪ノリの度が過ぎているし、終始落ち着きがない。
そのせいでちっとも怖くない。