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桜庭一樹の『赤朽葉家の伝説』を読んでいる。ガルシア・マルケス流の、とは言いすぎかもしれないが、一族の物語という古典的なスタイルでこれだけの作品を作れるのは流石。随所にマジック・リアリズムの雰囲気も見られるし。にしても結婚してたの知らなかった・・・。
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2008年本屋大賞第7位
6/7-7/13
他とは違う雰囲気の桜庭一樹。これはこれで面白かった。
テストを挟んでしまったものだから、読了が大幅に遅れてしまった;
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文庫化したので再読。戦後から現代へと到る旧家の栄華と衰退を描いた母娘三代記。重厚な雰囲気と桜庭さんの独特の表現が織り交ぜられて壮大な物語としての雰囲気を感じました。第一部と第二部の過去の物語の語り手である瞳子が時に役割を離れて自分の感情を感じられる瞬間があり、それによって今へと繋がる瞳子の物語に自然に入っていけるのではないかと思いました。初読の時には第三部は余計だと感じたけど、物語の終わりと深みを与えるのためには必要な存在だったと考え直しました。でもやっぱり僕は第二部が一番好きです。
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旧家に生きる女3代の伝説なんて、それだけでそそられる。
ページをめくる手が止まらなかった、(おそらく)渾身の長編です。
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宮尾登美子や山崎豊子などとの力量の格段の違いがまざまざと見せつけられている。ちょっと無理があったんじゃないでしょうか。
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ミステリーと思って読んでしまったので、その要素が薄くて期待はずれになってしまった。しかし、忘れ難い小説ではある。
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2011/04/19
おもしろかったー!
万葉さんのお話もよかったけど、常に死の匂いをぷんぷんさせてる、毛毬の話が切なくて好きだなぁ。
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旧家赤朽葉家に生きた女の三代記。推理ミステリーだと思って読み始めたので、予想外の展開。三代目の瞳子で少し推理要素があったくらいかな。でも、面白かった。それぞれの時代背景が鮮やかに描かれていて、どこか懐かしみを覚えながらページを捲っていった。毛鞠と瞳子の間の世代だけど、二代目の毛鞠が一番印象的。その時代のドラマを子供の頃に見てたからかしら。
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ああ、ものすごく面白かった。読み終わってため息が出る。とんでもない設定の、奇妙な女三代の年代記。孫の瞳子を語り手に祖母と母の歴史が語られる。なぜ推理文庫に入ってるのかなあ、と読み進めていったら、単に年代記というだけでなく第三部で物語を通したひとつの謎が解き明かされる。最後に瞳子がささやく言葉が胸に沁みるから、死者に満ちた作品だが、読後感は明るい。
帯にもある瞳子の、「わたしたちはいっしょに、これからもずっと生きていくのだ。せかいは、そう、すこしでも美しくなければ」という言葉がいい。もしかしたら、自分は生まれるはずではなかったのかもしれないという想いや、悩み多き世界に、それでも生まれてきたことに対して誰かから「ようこそ」と言ってもらえる。自分自身で「ようこそ」とささやく。そのささやかな明るさがいいな。
「文庫版あとがき」も濃密だ。豊富な読書体験から生み出された作品。これは読めて幸せだった。
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「私の男」にハマったので、続けて読んでみた著者の本。ですが、こちらは正直に言うとイマイチでした。一番興味深かったのが、オカルト色の強い、一代目の「万葉」の章。二代目の「毛鞠」は何よりも主人公に共感できないし、漫画の技術を身につけた過程が無理やりすぎでした。万葉が殺人を犯したかもしれないとの謎解き部分も不十分に感じました。長さの割りに読むのは苦にならないけど、激動の時代の上っ面を撫でている感じで今ひとつでした。
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内容は
赤朽葉家、女三代に渡るお話の三部構成。
祖母は千里眼。母は漫画家。
だが、私は何でもない現代の無気力な若者。
語りべは、三代目の「わたし」赤朽葉瞳子で
名家の伝説を語りつつ、最終部では探偵的な話に。
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女三代にわたる製鉄所一族の物語。
国の歴史や事件などを絡め、高度経済成長~バブル崩壊~現代
といった、その時代背景も楽しめて読み応え充分!!
三世代目に謎解きが入ってくるのも最後まで飽きさせない。
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「全体小説」として書いたらしいが、そこまでかな?というのが正直な感想。1,2部の間は、社会の教科書とファンタジーとコミックのノベライズを交互に読んでいるような感じ…。
1部のちょっとおどろおどろした雰囲気が一番良かった。この部だけで、尺を縮めて1冊書いてくれたら、もっと気に入ったと思う。
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2006年の刊行、第60回日本推理作家協会賞受賞、このミス第2位の作品で、ずっと読みたかった一冊です。著者の他の作品『ゴシック』も最近アニメになってるし旬の女流作家さんですね。
鳥取県を舞台に旧家の女3代に渡る物語で、戦後の昭和史に連動して赤朽葉家の女3代の人生が語られます。中でも2代目赤朽葉毛毬の物語、ローティーンの頃からバイクを駆ってレディースで中国地方を統一し、その後プロマンガ家として「あいあん天使」を大ヒットさせ斜陽の憂き目にあった赤朽葉製鉄を陰ながら支えるも夭折してしまう…このあたりはスピード感もありキャラも元気で楽しい!本来この第二部の部分はもっとページ数も多かったようですが、全体のバランスを鑑み大幅に縮小し1冊にまとめたようです。
この部分はスピンオフ作品『製鉄天使』としてまとめられてます、いずれ読みたいですね!
この作家さん初読みですが、擬音がすごく特徴的に感じました。女性ならではなのか?柔らかいというか?なんとなくクセになってしまいます。またちょっとファンタジー色が強いというか、1代目赤朽葉万葉の千里眼能力とか赤朽葉の大屋敷の様子とか、独特の世界観があります。(こういうの「マジックリアリズム」というそうです!ウィキにありました)その中で親子3代女の生き様なんですが、これもやはり独特に感じました。
2007年のこのミス2位は前述の通りですが、1位は『警官の血』佐々木譲氏だったんです!同じ年にかたや男3代、かたや女3代の物語が並んだのは偶然でしょうが、どちらも読んだゆえ比較して論じてしまうと、女3代が受け継ぎながら守り続けるモノは家であり血筋である、と思わざるをえません。男3代父から息子へ繋いでいったモノは、男としてあるべき姿、誇り、直接手渡していける無形のモノと読み取ると自然に読者の熱は上がるし、作品世界に没頭できますが、女性は男以上にクールなのか、家を守るため婿を取って子を成し…と、そこらへんにロマンがないんですよね~
かといってこの作品が面白くない、というとそれは全く別で面白いのは間違いないんですが、男女が宿命的に結びついて燃え上がる♪的なロマンスはありませんでした。そのあたりを混ぜちゃうと、また作品世界が様変わりしちゃうんでしょうが…
そんなわけで楽しく読み終えたし、スピンオフ作品への興味も湧きました。他の著作にも挑戦したい作家さんです。
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『姉さんは、ブルジョワだ。俺は社会矛盾と闘っとるんだ。姉さんはいま、いったいなにと闘っとるんだ?』
『恋をすると、未来を待たなくなるね。時間が止まればいいのに』
『い、いじめられるほうにも、原因があるって』
『そんなこと、あるもんか。それは大人のいいわけだ。そんなこと言うセンコーは、人間の屑だぜ』
『甘えるなよ、毛鞠。現実を見ろ』
『あのころは、楽しかったね。毛鞠ちゃん。わたし、ずっと続けばいいと思ってたよ。ほんとだよ』
『まだなにも終わっちゃいない。時間は過ぎ去ったけど、なんだって取り戻せるさ。チョーコ、目を覚ませ』
『いつだってそうさ。おばあちゃん。いつだって、それなりにサ、難儀な時代なんだよ』
『おれたちの暮らしている世界の常識が、どこでも常識というわけじゃないと思うと、気が楽にならないかい…』
『自分にできないことは、むりをしてもできないから。できるだけのことをやるよ。そうすることでしか、ぼくは輝けないと思う』
『なんていうかさ…。やりたいことがみつからない。いや、それ以前にね、やりたいことをみつけるのに必要な情熱が、まったくもってみつからないって感じ。』
『叫び出したいほど、ほんとうは不安だ。だけど、なにを叫ぶ?』
『むくれるなよ。ただ、べつの視点の意見をはさんでみただけ。せっかく男と女なんだから』
『なんだってそうさ。始めることと、続けることが、だから、すごくたいへんなんだ』
『そんなのいいよ。ユタカがユタカでいれば、それだけで。ユタカを好きな人たちは、ずっとあなたのそばにいるよ。でしょ』
『ようこそ。ようこそ。ビューティーワールドへ。悩み多きこのせかいへ。』