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猫だましい みんなのレビュー

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紙の本

猫好き本好きのあなたを猫本に導く書評集

2009/10/20 22:27

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書と出逢ったのは、2009年8月13日から9月27日まで
『江戸東京ねこづくし展』を開催していた『江戸東京博物館』の売店です。

でも、実は、売店から連れ帰ったのは、
和紙ねこのケータイストラップのみ。

本の神様、猫の神様、ごめんなさい。

このときは決心がつかずに連れて帰らなかったのです。

私が読んだのは、図書館で再会したもう買うことができないハードカバーの『猫だましい』なのでございます。

でも、ここで本語りしたら、神様も許してくれるかしら、きっと。

ということで、本書で出逢った素敵なお話をちょっとだけ紹介します。

本書自体が猫本の書評のようなものなので、
どんなことが論じられていたかを詳しく書いてしまうと、
せっかくの楽しみを奪ってしまいますから、
コメントはできるだけ簡単にしておきたいと思います。

まずは目次から。

1 なぜ猫なのか

2 牡猫ムル

3 長靴をはいた猫

4 空飛び猫

5 日本昔話のなかの猫

6 宮沢賢治の猫

7 怪猫―鍋島猫騒動

8 100万回生きたねこ

9 神猫の再臨

10 とろかし猫

11 少女マンガの猫

12 牝猫

全部で12章です。

これは『新潮』(1998年10月号~99年10月号)に連載されたものに
若干の加筆を行ったものだそうです。

どうです? 目次だけでも、興味がそそられませんか?

タイトルで何の本かわかる章もあれば、
これは何の本が出てくるんだろうって章もありますよね。

参考文献一覧には見開きいっぱい猫本が!

これも目次に挙がっている本以外は、秘密にしておきますね。

私が一番気になったのは、「とろかし猫」でした。

これだけで、何の本かわかった方は、相当の猫好き本好きでいらっしゃいますね。

ワタクシは、まだまだです。

いったい何の本だろうと、皆目検討がつかなかったのです。

そして、読んでからわかりました。

あぁ、売店で、本書と『吾輩は猫である』と
いっしょに並んでいたあの本のことかと。

ちなみに、本書では、『吾輩は猫である』は、論じていません。

それもおもしろいところです。

タイトルの「猫だましい」は、「猫魂」ではないのには、
ちゃんと訳があります。

ひらがなを選ぶか漢字を選ぶのかも、結構深いですね。

なぜ、ひらがなか、勘のよいあなたはきっともうお気づきですね。

そして、なぜ猫なのかということについては、
著者はこのように述べています。

  それにしても、なぜこれほどまでに
  ペットが人間の心を惹きつけるのだろう。

  それは、人間がたましいという
  不可解な存在をもっているからだと考えられないだろうか。

  自分の内にあって、把えようのないたましいというものが、
  何かの姿をとって顕現してくる。

  あるいは、たましいのはたらきを
  何か外的なもののなかに認める、
  というと、ペットがその役割をする。

  そして、犬よりは猫の方が、
  たましいの不可解さ、とらえどころのなさを
  はるかに感じさせるように思われる。

  (p.7)

これは第1章からの引用です。

なぜ猫だったのかはあとがきでもまた述べられていて、
それは現実的な理由なのですが、そちらもおもしろいです。

第1章ではなぜたましいを語るのかについても、述べられています。

  一本の線分を二つに切断するとき、
  それぞれの端に名前をつけて明確にすると、
  必ず抜けおちる部分がある。

  このことを、人間存在という連続体に当てはめてみよう。

  それを「心」と「体」という明確な部分に分けた途端に、
  それは全体性を失ってしまい、
  その二つをくっつけてみても元にはかえらない。

  人間という全体存在を心と体に区分した途端に失われるもの、
  それを「たましい」と考えてみてはどうであろう。

  それは連続体の本質である。

  と言って、連続体のなかから
  「たましい」だけを取り出すことはできないのだ。

  それは人間の全体性を考える上で不可欠であるが、
  それを明確に示すことができないのである。

  (p.10-11)

また、「猫マンダラ」なるものが出てきます。

ユングの弟子のバーバラ・ハナが、猫のいろいろな側面を図にしたそうです。

猫の変化自在な特性をよく表している図で、おもしろいです。

あぁ、このままどんどん書いてしまいそうでコワイので、
あとは、お気に入りの部分をちょっと書いておしまいにします。

・ファンタジーの傑作は「なぜなし」にできている。
 ところが最後のところにきて、
 典型的な「なぜあり」の話になる。
(4 空飛び猫 p.72より)

・一見無価値、あるいは醜いような存在が実は価値があり、
 それが福をもたらすというテーマである。
(5 日本昔話のなかの猫 p.84より)

・「身体の語る言葉に耳を傾けようとした」コレットが、
 猫好きだということは、当然のような気がする。
 本書のなかで多くの例を示したように、
 猫はまさに身体で語る才能を豊かに持っている。
(12 牝猫 p.203より)

本書を読んで、読みたい猫本がたっくさんできたのですが、
残念なお知らせがひとつ。

取り上げられている本には絶版も多いとのこと。

あとがきにこんな言葉が書かれています。

  「猫の事務所」は解散になったが
  「猫の本屋」でも新たに設立していただきたいものである。

  店員はすべて猫で、猫の本ばかり売っている
  ブック・センターなどあると愉快であろう。

「猫の本屋」ができた暁には、雇ってもらえるように、
もっともっと本が語れる猫になるべく
楽しく修行に励もうと思うのです。

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