投稿元:
レビューを見る
奇抜な設定に反して、静かに淡々と進む物語。なのに、徐々に胸の奥に少しずつ溜まっていくなにかの存在を感じずにはいられなくなって。西加奈子さんの解説を読んでまさにそれだと思い当たる。『疼き』。なるほど。女は強いのか弱いのか、よくわからなくなる。泣き叫んで早く楽になりたい。
投稿元:
レビューを見る
ルームシェアをしてるまひると奏絵は同じ中年男性の愛人同士。
なのにさらっとしたただのルームシェアなんじゃないかってシーンがいくつもでてくる。
どろどろしてないのに感情の波に飲み込まれそうになるのが不思議。
全体的には静かなのになー。
海の中にふかーくもぐってく感覚に似てるのかも。
表紙のおかざき真理先生でコミック化したらすごくよさそうなんだけどなぁ。
この二人の組み合わせ何度もあるけどすごく自然だなー。
投稿元:
レビューを見る
食べることは、生きることだとわたしは思っている。
実際、誰かが家に一緒にいるときは三食の心配をするけど、ひとりだと何かを作ったり支度をしたり、あまりしない。
だからひとり暮らしは向かないと、心底思っている。
この小説は、ひとりの男性が付き合っているふたりの「愛人」という立場の女の子がメインだ。
男性が生活費を払ってくれる高級マンションに、ふたりは同居している。
色白で二重で目がぱっちりとしていて読者モデルの経験もあるというまひると、まひるよりひとつ年下のホームセンターでバイトをしている奏絵。
奏絵の目線で、日々は語られる。
愛人同士が同じマンションに同居し、男性は定期的にそこに来て3人で食事をする。
もちろん個別に外で会うこともするけれど、そこに秘密はないからお互いがいつ男性に会ったかを知っている。
「おかしい」し、「狂気じみている」のに、せかいはとても静かだ。
ときどき、呼吸すら薄くなるほどの静けさ。
色の鮮やかさもあまり感じない世界の中で食事がとても鮮やかに見えて、あぁこの人たちは生きようとはしている、と感じた。
食べることは生きることだ。
オムライスも中華スープも麻婆豆腐も、桃も。
まひるの脆さや危うさや幼さ、奏絵の目線の俯瞰やまひるへの思いに、ときどき苦しくなりながらも一気に読んでしまった。
加藤千恵さんの小説はいくつか読んでいるけど、これが一番好きかもしれない。
「おかしい」状況に住んでいるふたりがどこへ向かうのか。
生きることに正解なんてきっとなくて、でもみんな正解を欲しがる。
だけど正解じゃなくてもあたたかい空気はきっとあるし、自分の中にすとんと落ちる現実にもきっと出会える。
明日に目を向ければ、きっと。
投稿元:
レビューを見る
まひるに憧れるような愛しく想ってしまうような。ウィスキーを出されたときに悪酔いしている様な、気付かないふりをしたい時の様な感覚の後味の本。読んでる時の味は薄いビールの様にもっとすっきりしているけど。不思議な小説です。
個人的に後書きは好みに合いませんでした。
投稿元:
レビューを見る
静かな物語に感じるがとても熱いスティグマを感じる。
スティグマがあるからあえて押し隠しているそれを男性はわからないのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
加藤千恵、長編もいけるじゃん!と。
本業の短歌がないのは残念だったけれど、おもしろかったー!
最後、部屋を出て行く勇気というか、ふっきれみたいなものがとても気持ち良かった。
西加奈子の解説も良い。
投稿元:
レビューを見る
不思議な本だった。
食事の描写が巧みすぎて、ああ、こうやって流されていくもの、強烈な印象を残していくもの、あるよなあ、って。
感情の機微にはっとさせられ続ける一冊だった。
わたしはやっぱり、彼女の短歌が読みたい。
投稿元:
レビューを見る
桃がすきなのと(笑)、女性が静かに狂っていくはなしが結構すきなので読んでみました。
ジャケットのかんじが、最近の軽い本みたいで、あまり期待せず読んだのですが、そのせいか意外に楽しく読めました。静かに淡々と進んでいくかんじが、まひるの静かに狂っていく不気味なかんじとうまく溶け合っていて面白かった〜。
投稿元:
レビューを見る
正しい関係じゃないけど一緒に食べて暮らせば情がわく。奏絵にとってまひるは生きていくなかで、いいアクセントだったと思う。
投稿元:
レビューを見る
ルームシェアの相手と自分の共通点は、同じ男性の愛人であること。
と設定だけ見るとどれほどの修羅場を想像するかというところですが、実際は静かすぎるくらいに静かな物語。
けどその静かさは穏やかさを装っていながらもとてもぴりりとしたものだと感じました。
主人公たちひとりひとりの感情や行動の理由がすべて語られるわけではないけど、それにもどかしさを感じるひともいるかもしれないけど、そのもやっと感がリアルですきでした。
女の子は自分の感情を説明しないのでなく、できないのです。そのくせ目の前にいる女の子が同じことをしてると苛つくわがままな生き物なんです。
投稿元:
レビューを見る
ルームシェアの相手と自分の共通点は、同じ男性の愛人であること。
不思議な三角関係。静かに淡々とすぎていく日常。
嫌いじゃないです。こういう話と語り口。
(図書館)
投稿元:
レビューを見る
知らずに読んだけど、女同士の性描写があり生理的にだめ。吐き気がした。
こういう世界が全く理解できないので、そういう描写がないといいのに。
投稿元:
レビューを見る
2015年4月28日
読者モデルの経験もありかわいいまひるとホームセンターで働く奏絵。
2人は、お金持ちで大学生の娘さんがいる40すぎの平井さんの愛人で、平井さんからお金をもらい、家の家賃も払ってもらってルームシェアをしてる。
不思議な設定。
この本によく登場するのが、食べるシーン。
誰かと一緒にご飯をつくったり、食べたりする事ってとても大切に思う。1人で食べるときって適当にご飯すませちゃうけど、誰かのために御飯を作ったりすることって生きる活力になると思う。
投稿元:
レビューを見る
なんかもう、ぐしゃぐしゃの、どうしようもない気持ちを、加藤千恵さんはいつも代弁してくれる。
夏に旬のかわいい桃。甘くてやわらかい桃。傷つきやすい桃。本当は渋みもあったりして。旬は短かったりして。そんな恋の話。
今の自分の恋と重ねて読んだ。
うまくいかないことなんてわかっているのに、やめられないのはなぜだろう。
投稿元:
レビューを見る
恋って大変だな・・・って気持ちになった。
二人みたいな生活はしたくないし、しないし、出来ないだろうな。