紙の本
江戸時代の芝居小屋のミステリ
2005/10/02 20:43
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代の芝居小屋のミステリ 松井今朝子さんの名前は、ぽつぽつ
聞いていたのですが、初めて読んでみました。
凄い、面白い!!。
簡単に説明すると、
江戸時代の芝居小屋で、火事があった後
焼け跡から、その芝居小屋の出入り業者の死体が発見されます。
そこから、話しは、発展していく、
ミステリなのですが、これが、又、芝居小屋内部の人間関係、
人間模様、役者とは、どうゆう人間なのかが、
丹念に描かれて、作品の重厚感を出す裏打ちをしっかりしています。
私の不勉強のため、本作で言う芝居が、
純粋に歌舞伎なのか、現代でいう演劇なのか、
時々、本書の内部関係者は、狂言と呼んだりしていますが
狂言なのか、ちょっとわかりませんでしたが、
兎に角、芝居小屋内の、人間関係は、
大変よく判りました。
メインになるのは、女形の役者、荻野沢ノ丞と、その子ら
市ノ介と、右源次の、確執となるのですが、
これが、凄まじいです。
芝居というのは、結局、トップの主役のキャラ立ちを、
いかにするかで、他の周りの配役は、所詮どんなに頑張っても
主役をサポートすることに、なります。
逆にいうと、頑張れば頑張るほど主役をサポートすることになるのです。
正に、Winner takes it all.なのです。
そのため、トップになるという、目標が物凄く
役者には、重くのしかかってきますし、
役者たるもの、もうこれは、至上命題なのですね。
作品名になっている、
「非道、行ずべからず」と、いうのは、役者仲間で、言われる、
座右の銘みたいなもので、他のものには、目もくれず
一意専心します。という意味みたいです。
又、そういう御芝居の題名が、本編内でも登場します。
後、当時の芝居小屋というのは、
一大エンターテイメント提供の場で、本書を読む限り、
その舞台は、中吊りはあるは、水は、舞台一面に張られるはで、
今でいう、「アレグリア」
(TVのCMでしか、知りませんが)
みたいです。
(スーパー歌舞伎かもしれません。)
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10/13 今まで読んだことのない感覚だった。時代物なのに現代っぽいリアルさが不思議。骨組みがしっかり。あと「非道」に対する考察の貫かれ方。
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読み応えがあり、面白かった。江戸芝居町の風俗がきめ細やかに且つ生々しく描かれていて良い。本格時代ミステリーの傑作。
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久々に読み応えのあるものに出会えて満足!
歌舞伎の表の華々しさだけではなく、その裏側の生々しい現実、芸の道に事細かにリアルに描かれていて、江戸の世の話なのにまるで現代に通じるものを感じてグイグイと惹きこまれていきました。
テレビの勧善懲悪もの時代劇ドラマを見慣れているためか、時代小説は「死んだ息子の敵討ちに親が殺人を犯す…最後は両成敗…」うんぬん…なものと決めかかって普段からあまり手をつけない私(笑)でも読み進めることができたのが驚き。一気に読んでしまった
犯人はほとんど絞られているのだけれど最後まで分かりません
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先日読んだ「道絶えずば、また 」の前(々?)作です。
歌舞伎の世界を舞台に、謎や、人の業がうずまく、読み応えありのミステリに仕上がっています。
松井さんの作品はキャラが薄いのが惜しかったのですが、本書は登場人物のキャラクターもしっかりしていて、良かったです。
やはり、こちらを先に読んでおくべきでした~。
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江戸の3座のひとつ・中村座の焼け跡から一人の男性の死体が見つかる。当代とっての女形・沢之丞の名跡を息子のどちらかに継がせるかが話題になっていた。戯作者、劇場主、帳元、金主など、中村座をめぐる不穏な空気が流れる中、次の殺人が。
いや~、おもしろかった!同じ時代小説のミステリーでも、宮部さんとは違って、歌舞伎界の裏の裏まで描かれているから、表面的なミステリーだけじゃない、芸の道を追い求めるあまりの犯行というのが見え隠れして。深いわ。
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読んでいると頭の中で場面が浮かんでくるような小説。キャラクターの一人ひとりがとても魅力的で物語にどんどん引き込まれていきます。中でも「スリー・アミーゴーズ」(笑)のような三階役者の女形三人組が面白い!! 一つの殺人を巡って、歌舞伎や江戸に生活する者達の生活が詳しく書かれ最後まで飽きさせません。芸の道に生きる人々の壮絶な思いは今朝子さんだからこその説得力! 登場人物を変えての三部作のようなので第二弾も読んでみたいです。
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江戸の劇場、中村屋の焼け跡から遺体が出た。
出入りの小間物屋だというその男には、長い人生のストーリーがあった。芝居小屋のルールや、襲名披露騒動など、見どころは満載の傍ら、真相に近づく者がどんどん殺されていく。果たして犯人は?
歴史小説としても、ミステリとしても充分読める。
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うーん、入り込めなかったな。
歌舞伎の世界に精通しているとこの話面白いのだろうか?
ミステリーとして上手く成立しているようにも思えないし、、、
汚い言葉ですが「残尿感」を感じずにはいられない。
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今、新しい本&積読がないので再読。松井氏の本は本書が初めてなんだけどすごく面白い!
歌舞伎界を舞台にし、芸人の当時の暮らし方などとっても興味深かった。
謎解きは・・・まぁ~普通といえば普通だけど、舞台設定や日本人特有の「人情」などなど、おもしろいということもあり最後まで楽しく読むことができた。
あと登場人物たちも独特の世界の人たちだから個性的でおもしろい。
ちょっと厚めの本ですが、おもしろくてすらすら読めました。
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☆3.3
歌舞伎を観たことがなくても、情景が目に浮かぶような素晴らしい描写はさすが松井今朝子といったところ。
ただ、中盤で解説風の部分が多くてちょっと退屈した。
でも理一郎と女形三人組のその後が気になる(笑)
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歌舞伎の舞台裏を舞台とした犯人捜しのミステリー
歌舞伎の舞台裏が詳細に具体的に描かれている。
この時代の日本の町人文化のすごさ、江戸、大坂などの大都市の町人のエネルギーの大きさ、強さを、あらためて感じる。
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内容(「BOOK」データベースより)
文化六年元旦、江戸最大の劇場、中村座が炎上し、焼け跡から、男の死体が見つかる。正月興行に水をさされ、下手人が身内でないことを祈る劇場主十一代目中村勘三郎。だが折しも、三代目荻野沢之丞が、誰に名跡を継がせるか、話題となっていた。反目しあう兄弟、戯作者、帳元、金主等、怪しいヤツばかり。北町同心達が謎を追ううち、次なる殺人が…。芸に生きる男達の修羅地獄を描く長編時代ミステリー。
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江戸時代の歌舞伎の世界を舞台にした、ミステリー。
なかなか犯人が分からなくて、うまい仕掛けだなと思ったけど。
545ページを使ってその終わり方?
と、ちょっとがっかり。
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江戸時代の歌舞伎界を舞台にしたミステリー。
「道絶えずば、また」を先に読んでしまい、この本を読みたくなりました。先にこちらを読みたかったです。
芸の道は奥深い。そして凄まじい。