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紙の本
おねがい、長生きしてね。
2004/06/13 10:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルテミス - この投稿者のレビュー一覧を見る
すっかりはまってしまった。
明治時代、そして、明治時代の国際社会における日本の位置というものをここまで描き出したマンガというのは珍しいんではないだろうか。
単なる戦争マンガであれば、戦争に至るまでの外交の駆け引きの外側だけ書けば事足りる。しかし、この作品では、深刻な国家財政や公害問題など、明治の日本が抱えていたさまざまな事柄が取り上げられており、特に、主人公の親友が正岡子規であったということもあって文学についての記述は詳細である。
ストーリーの主軸は日本海海戦で作戦参謀を務めた秋山真之の伝記だが、時代の動きと密接に生きた真之の生涯を描くには、時代を描かねばならないということであろう。
特記すべきは、主人公と直接かかわりのない事柄に関しても、ト書きで済ませる事なくちゃんとキャラクターを配していて、生き生きとした物語として成立させていることだ。
だから、主人公がまだ下級士官で目立った活躍をしていないという最近の数巻では主人公の登場ページがかなり少ないが、読んでいて飽きると言うことがない。
無論、一作品だけで明治を分かった気になってしまうのは危険だ。
本作みずから、各巻のはじめに「創作部分もあります。ご注意下さい。」と断り書きをつけている。
しかし、これだけ詳細に書かれると、どこまでが史実でどこが創作なのかを見極めるのは大変な作業だ。著者も大変だが、読者も大変である。
とりあえず『坂の上の雲』(司馬遼太郎著・文春文庫全8巻)を読み(これも絶品)、そのほか関連書を10冊あまり買い込んで読みふけっている最中である。
ただ。
読みごたえがあるのは大変に嬉しいのだが、『日露戦争物語』なのに、12巻でまだ日清戦争のなかば。日清戦争から日露戦争の間だって10年あるのだから、完結するのはいったい何十巻、何年後になるのだろう。ちょっと気が遠くなる。
著者の健康と長命を切に願うものである。
おねがい、長生きしてね。
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