紙の本
入り乱れる人々の想い、痛快なストーリー展開がとても面白い!!
2007/07/27 05:40
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投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な人物が登場し、各章毎にそれぞれの登場人物の視点からの切り口であり、前回読んだ「真夜中のマーチ」と同じ手法やな、と思いました。恐らくこちらの「邪魔」の方が先なんだろうね。そして「邪魔」の方は計44章と、壮大なストーリー展開であって、章毎の時間経過がラップしている章もあり、実に面白い展開であった。
登場する人物達にはそれぞれの環境があり、そろぞれに共感しうる点や以外な点がある。それぞれに人間くさくていい!長編であったが、飽きるどころかどんどん引き込まれていくのが判った。
ストーリーの展開も意外性があり、及川恭子の変貌には目を見張るものがある。主婦には命懸けで守るものがあり、そのためならこの様な変貌をするかもしれない、と妙に納得してしまった。
本書を読んで小説デビュー作「ウランバーナ森」なども読みたくなりました!!!
電子書籍
現実から目を背け続けた結果
2015/12/13 11:27
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投稿者:ぐぐぅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何とも言えない読了感。誰も死ななかった点は救いがあるのかもしれないが。「無理」と同様、数多くの追い込まれた人びとが終盤に絡み合って行くところ、何とかそれを収束させて行く展開は奥田英朗らしくてうまい。見たくない現実から目を背ける人の性、組織の醜さが満載。もう少しどこかに明るい要素も欲しいところだけど。
紙の本
平凡な日常生活を守るために戦ったある主婦の物語(というと変かな?)
2004/04/27 23:08
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投稿者:ぶんこ虫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
平凡な日常生活が、あるとき突然あっさりと崩れていく。その渦の中で、平凡な主婦が、平凡な日常をつなぎとめようとして必死に戦いはじめる。
ある放火事件が夫の仕業なのではないか、という疑惑。警察の監視、マスコミの取材、報道。次第に追い詰められていく中、夫への疑惑を忘れようとのめりこんだ市民運動にも裏切られ、自分の居場所までも失い…。
困惑と怒りの中で、滑稽なほど見事に階段を踏み外していく主婦の姿が、奇妙に可笑しくて生々しい。この主婦の支離滅裂ともいえる奮闘をひとつの軸に、もうひとつは警察内部の不正や争いを描いて、どこか壊れている二人の刑事の行動を追っていく。
上巻は、人物や事件が雑然と入り乱れて疾走している感があり、いくぶん不安定な読み心地だったが、下巻に仕掛けられた隠し玉でいっぺんに目が覚めた。
どこでどう間違ったのか、刑事も放火犯も主婦も、あれよあれよという間に「こんなはずじゃなかった」道へ踏み込んでいく。その過程が、過激なくせにリアルで、滑稽ですらある。
結局、破滅への道をひた走ってしまった主婦が、最後に選んだ逃走手段が自転車だった、なんて、もう笑うしかないくらい切なくて痛々しい。彼女は結局、逃げきったんだろうか。そんなことはありえないと思いつつ、描かれなかった彼女のその後をあれこれ想像してしまう。
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しがらみとしきたりに、規則と面子。
皆が少しずついらだっている。やり場のない苛立ち。
『邪魔』
排他的で悪意のあるこの言葉を敢えて題名としたミステリー。
なのに全ての登場人物が欲していたのはしあわせ。
でもこのミステリーは結局だれにもそれを許さなかった・・。
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2002年のこのミス2位と言うことで、興味を持って買った本だけど、この作家の本ははじめてです。その年の1位は「模倣犯」でした。
読み出して、どんどん読めちゃう引き付ける内容でした。小さな町の放火事件をきっかけに落ちぶれていくと言うか、家庭も自分の破滅していく過程を描いています。どこで間違えたのかな?そこまで行かなくてもって思いましたが、、、
ラストは、少しバタバタした感じもありましたが、不良高校生や主婦、警察官、暴力団などの話しを交えて、なかなか読ませる構成で楽しめました。
ただ、ここまで人間は変わるものなのか、なかなか私には理解できないのは、少しさめているのかな。それでも、次作も読みたいと思う作品でした。
2004.5.1
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読了。やっぱり途中声を出して笑う部分がある。登場人物の間違って狂っていく姿は切ないのに。そして読後はやはり爽快。不思議だなあ。「人はしあわせになりたくて生きている。」すっかり奥田さんのファンになりました。
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主婦及川恭子、君はこれでいいのか??
感想はこちら。
http://xxxsoraxxx.blog11.fc2.com/blog-entry-16.html
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解説中に「ある種爽快に道を間違えていく主婦と、やむを得ず壊れていく刑事の切ない物語」とありましたが、爽快とは思えんし、やむを得ずとも思えない、なんとも理解の出来ない、こんなのありかよ!というのが正直な感想です。
しかし、これも解説によれば、この作者はプロットを決めないで、ある意味いきあたりばったりの小説作法らしいので、それならこういう展開になってもやむなしかも。また、現実の犯罪のディテールは、こんなものかもしれないという妙な納得感はありました。
2005/6/27
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どんどん転がっていっています。特に奥さんの変貌振りにびっくり!いざとなったら、女の方がたちが悪いのかもしれない……。結末まで、一気に読んでしまえました。
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夫の不正を知った及川恭子はいつの間にかパートを勤めるスーパーを相手に「雇用問題」に関しての要請をある組織とその運動を取り付かれたかのように始めていく中で全く今までの自分とは異なる自分を見つけ出した恭子自身に驚き戸惑う。自分をあらためて知った恭子がしだいに見つけていったものは恐い。一方九野刑事は同僚刑事に逆恨みされながらも事故でなくした妻の義母を心の支えにしながら生きて戦っていくが、その境界は・・・。二人の現実と妄想とが錯誤した日常と非日常を重ね合わせているようだ。
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下巻に入って、ストーリーに加速がつきました。
邪魔。
やりきれない感情のまま、話が終わりました。
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あれ、上巻どこ行った・・?「最悪」はめちゃくちゃ面白かったけど、こっちはいまいち。上下巻に分けた分、かなりのスローテンポ。途中から堂々巡りになって全く進展がありません。これで大藪晴彦賞取ってるけど、「最悪」の方が良かったね。でも、普通もうちょっと救いがあるもんですが、転がり落ちたら止まらない人間を描いたらさすがです。
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レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/17958480.html
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主婦、刑事、少年・・・。犯罪が次の犯罪を誘発し、些細な切っ掛けから、道を外れ転がり落ちていく。クライムノベルの傑作▼前作『最悪』も落ちていく人々を描き話題になった奥田英朗。この一作で「巻き込まれ型オチ物」では日本のトップに登り詰めたと言っても過言はないほど。私の我がままを一つ言わさせてもらうと、ラストが今一つ。
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かなり長い話だったが
飽きさせない面白さ。
ミステリーということになっているが、
人間模様のほうに重きは置かれている。
それが複雑に絡まるからこそ面白い。