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住人全員が裏の顔を持つという長屋の面々が繰り広げる裏の特技を活用した人助け、という構成の短編集。
短編なので奥深さに欠けるものの毎回趣向が異なる仕掛けが施されており、かつ人情味溢れる物語は読んでいてとても楽しい。
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2020/12/11
裏稼業持ちばかりが集まる「善人」長屋。
やましいことがあるからいい顔する善人。
だからと言ってみんな悪党じゃないんだよね。
裏稼業があるだけ。
おせっかいが過ぎるけど昔はこうだったのかな。
続きも読もう。
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″真面目で気のいい人ばかり″と噂の「善人長屋」。
しかし陰に回れば差配も店子も裏稼業の凄腕揃い。
そんな悪党の巣に、根っからの善人、加助が迷い込んだ。人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底なしのお人好し・・・。加助が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動、しぶしぶ店子たちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う!
心淋し川で注目した西條奈加さんの本を読んでみようと思いどんな作品があるかと探すと、上の7行の善人長屋の帯に書かれていた文言で今作に興味が沸いた。
まぁ1話完結しながら少しずつ話が進むんだろうなと思ったがその通り。
そして想像より面白かった。
読み進める毎に深まる登場人物のキャラクターが面白くて、微笑ましくもあったり目頭が熱くなったり
しながら楽しめた。
閻魔の世直しがシリーズの次巻らしく楽しみが増えました。
2021/06
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情に厚い者たちが住む「千七長屋」は「善人長屋」というふたつ名を持つ。
しかし店子たちには、決して知られてはならない裏稼業があった。
その長屋へ堅気の加助が住み込むことになる。
真の善人が持ち込む騒動に皆が振り回される。
鍛冶屋の「源平蛍」が秀逸。
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目次
・善人長屋
・泥棒簪
・抜けずの刀
・嘘つき紅
・源平螢
・犀の子守歌
・冬の蟬
・夜叉坊主の代之吉
・野州屋の蔵
ブログをはじめたばかりの頃、読書家の女子高生から相談されたことがあります。
読書好きのおばあちゃんと本の話をしたいけれど、時代小説はハードルが高くて手が出ない、と。
その時にお薦めしたのが西條奈加の「金春屋ゴメス」。
限りなく時代小説っぽいけれど、異世界ものだから読みやすいと思うよ。
その後彼女は、私以上に時代小説にのめり込み(それ以外の本もよく読んでたけど)、おばあちゃんと本の話も弾んだらしいです。
なのに私はしばらく彼女の本から遠ざかっていました。
久しぶりに読んで、「めっちゃ上手くなってるじゃん!」←何様?
すっごい読みやすい。
善人長屋の差配の娘お縫いは、この二つ名が腹立たしい。
だって善人長屋に住んでいるのは、裏稼業を持つ悪党たちばかりなんだもの。
なんとか住人たちに足を現わせたいと思っているのだけれど、世の中はそんなに単純ではなくて…。
長屋の住人達は、悪党ではありますが悪人ではありません。
だから困った人を見ると手を差し伸べたいという気持ちは、もちろんある。
しかし、下手に出しゃばった真似をして、本業(というか裏稼業)に支障が出たら身の破滅。
だから普通に善いことはするけれども、面倒には巻き込まれないようにしていた。
そんな時、新たに長屋の住人となったのが、錠前職人の加助だ。
人を信じることしかできず、自分の身を投げ出してまで人を救おうとする加助を見て、周りは何とか手助けをする羽目になる。
それが身の破滅に繋がるかもしれないのに。
善行を施すのに命がけの綱渡りというドキドキ。
もちろん困った人を助ける話は読んでいて心地よい。
加助の登場がまた面白くて、本当は錠前外しの泥棒が中山道の赤坂宿(今の岐阜県大垣市)から身を隠すためにやってくるはずが、タイミングよく江戸の赤坂見附界隈から錠前職人がやってきたもので、勘違いから住みついてしまうのだ。
火事で死に別れたはずの加助の妻を見かけた後半から、一気に話はきな臭くなってくる。
私は単純に妻子を見つけ出し、加助は長屋を出ていってハッピーエンドになるのだと思ったのだけど、そうは作者がおろさない。
人の心というのは複雑極まりない。
差配の娘お縫いも、最初は善悪でしか物事を考えられなかったが、それでは解決できないことも世の中にはたくさんあると、世間を知ることで成長していく。
大事なのは善か悪かではなく、困難に陥っている人を救うことだ。
もちろん善は大切だけど。
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裏の顔を持つ善人が住む千七長屋に紛れ込んだ加助がもたらす騒動を面白おかしく描いたお話。
最後のお話、ハーッピーエンドで終わると思いきや土俵際のうっちゃり。
面白く読み終えました。
次作にも期待です。
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「西條奈加」の連作時代小説『善人長屋』を読みました。
「柴田錬三郎」の作品に続き、時代小説です。
-----story-------------
善人ひとりに、凄腕の悪党たちが大わらわ!
痛快! 人情滴る本格時代小説。
善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前職人の「加助」が住み始めた。
実は長屋の住人は、裏稼業を持つ“悪党”たち。
差配の「儀右衛門」は盗品を捌く窩主買(けいずか)い。
髪結い床の「半造」は情報屋(ねたもと)。
「唐吉」、「文吉」兄弟は美人局(つつもたせ)。
根っからの善人で人助けが生き甲斐の「加助」が面倒を持ち込むたびに、悪党たちは裏稼業の凄腕を活かし、しぶしぶ事の解決に手を貸すが……。
人情時代小説の傑作!
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今年、時代小説『心淋し川(うらさびしがわ)』で第164回直木三十五賞を受賞した「西條奈加」の作品を読んでみたくなり本書を選択、、、
『善人長屋』シリーズの第1作にあたり、2010年(平成22年)に刊行された作品です。
■善人長屋
■泥棒簪
■抜けずの刀
■嘘つき紅
■源平蛍
■犀の子守歌
■冬の蝉
■夜叉坊主の代之吉
■野州屋の蔵
■解説 末國善己
真面目で気のいい人ばかりと噂の善人長屋… しかし陰に回れば、大家も店子も裏稼業の凄腕揃い、、、
そんな悪党の巣に、根っからの善人「加助」が迷い込んだ… 人助けが生き甲斐で、他人の面倒を買って出る底な しのお人好し……。
「加助」が持ち込む厄介ごとで長屋はいつも大騒動… しぶしぶ店子たちは闇の稼業で鳴らした腕を揮う!
江戸下町を舞台にした人情味たっぷりの時代小説… 根っからの善人「加助」が親切心から持ち込んでくる厄介事を、差配の「儀右衛門」を始めとする善人長屋の小悪党たちが、裏稼業で鍛えた知恵と経験、スキルを活用して解決するという痛快な展開、、、
もちろん、「加助」には裏稼業のことを知られないようにしなくちゃいけないので、いつもの裏稼業よりも苦労しながら… 悪党とは名ばかりの善人たちの奮闘が微笑ましいし、ミステリ要素もあって愉しめました。
何が善で、何が悪なのか… 改めて考えさせられましたね、、、
火事で亡くなったと思っていた「加助」の妻子の消息が明らかになる『夜叉坊主の代之吉』と『野州屋の蔵』は切なかったですねー ドラマ化しても良いと思いますね… 面白かったので、次も『善人長屋』シリーズを読もうと思います。
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「善人長屋」と呼ばれる、裏稼業を持つ住人たちが住む所へ、本当の善人加助がやってきて、あれこれ起こる騒動。
一番の闇を抱えてるのは、加助だったなぁ。
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西條奈加さんの人情ものは面白い!
逆転の視点というか、善人と呼ばれている人々が実は悪党だった。そして、そこへまっとうな善人が入ることで物語がとても面白くなる。
加助さんのあれは行きすぎだと思うけどね。
私、個人は『犀の子守歌』が一番好き。切なくて悲しい恋物語だったなぁ。
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その長屋に住むものは皆さん訳アリで
裏家業(スリや騙り、盗人)を営んで
いるため普段は善行をして世間からは
「善人長屋」なる皮肉が利きすぎる異
名があるのだが、そこに本物で筋金入
りの善人が入居したから大変な事に…
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人情で動くか「善と悪」への選択
人情で働く長屋の住人の裏仕事が盗人、だが「善人長屋」としての噂が。火事で妻子を亡くしたと善人の錠前の男が「他人のお世話好き」で話が展開する面白さがある。最後は生きていた妻子と会うが悪に巻き込みたくないと妻子は惜しみながら別れる。人の生き方は自分で決めてこそ後悔しない、人生様々、だが悪への道は早めに引いたほうが無難ということだ。
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来月(2022年7月)からNHK BSプレミアムで連ドラ化されると云うことで読む。西條さん、直木賞受賞作は私にはイマイチだったが、これはなかなかいい。だんだんメンバーが分かって来ると読んでて楽しくなった
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善人長屋/泥棒簪/抜けずの刀/嘘つき紅/源平蛍/
犀の子守歌/冬の蝉/夜叉坊主の代之吉/野州屋の蔵
親や店子の裏の仕事に心から納得はできない お縫 のイライラとする気持ちはわかる気がする。でも、まっとうに育てられているとも思う。表しかない加助にこそ違和感を感じる私は変かしら?
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悪事に手は染めているけど、みんな情に厚いいい人でしたで終わるかと思いきや、それだけで終わらなかった幕切れがよかったです。
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読みやすい。
少しお節介な町娘と底抜けにお人好しな長屋の新人と、裏家業を持つ長屋の面々、というキャラがわかりやすい物語
2022.7.21
98