紙の本
おでん屋
2015/03/20 12:30
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投稿者:坦々麺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦前の大阪が舞台ということで、なじめるかなと思ったがすんなり入る込むことができた。主人公は若くして仏門に入ったため世間に疎い面があるが、日々成長していると思う。詐欺グループの面々も個性的でいい味を出している。知恵のおでん屋での洞察力とおでん屋からの帰り道での女性としての色香のエピソードが印象深い。
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私たちの世代にとって、詐欺師のお話といえば、1973年公開、ジョージ・ロイ・ヒルの手になる「スティング」に止めを刺すだろう。
当時最も脂がのっていたニューマンとレッドフォードを主演に軽快な音楽をバックに展開される洒脱なコンゲーム。
作中の人物を騙しながら、観ている私たちも見事に騙された、血生臭さとは無縁の、究極の頭脳戦・心理戦は、この種のお話しは斯くあるべしという最高のスタンダード。
この本にあまり期待しちゃうのも気の毒だけど、読むほうとしてはそういう背景もある訳ね。
さて、そうして読み始めたこの本、世間知らずの俊介くんがモタつく序盤がちょっとかったるいものの、戦前の大阪の街や商売の雰囲気がありありと描かれているところが興味深く、次第に話に惹き込まれる。
春日の描く絵はまだ見えない中、まずは手駒を整えるところで上巻は終了。下巻に期待ということで。
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痛快コンゲーム小説。
戦前の大阪が舞台ってことで、当時の風俗や文化に関する描写が面白い。
ただちょっと気になったこともある。
ゴーヤや越乃寒梅を百貨店で買ってきたという表現があるんだけど、当時の物流システムで大阪まで運ぶことは出来たのかなぁ…もし出来てたとしても相当高価になりそう。
表現にもちょっと気になる点があったりはしたけど(68頁、俊介が電車の車窓から大阪の光景を見るシーンとか)、会話中心なのもあってテンポが良くサクサク読めた。
下巻はいよいよコンゲーム本格展開。楽しみ。
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暗いシリアスな雰囲気のオープニングから、
ジワリとコミカルな雰囲気に。
ギリギリのところでバランスをとっている感じだけど、
この先どうなることやら。
下巻に期待。
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時代設定がちょっと古めだったので、もしかして苦手な感じかも~と思いましたが、読みやすかった。
ただ、いろんな事が上手くいきすぎで・・・
普段小説を読んで、「こんなの出木過ぎじゃない?」とかあんまり思わずに楽しめるタイプなんだけど、こちらは、何だかそんな風に思ってしまった・・・
まだ最後まで読んでないので、下巻がそんなことを凌駕するほど面白ければなんら問題はないのですが・・・
下巻に期待♡
4
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少人数のエキスパートが巨大組織に挑む、コンゲーム小説。
全体像・展開共に、割と鉄幹して“定番”のスタイルを突き通した、現代国内小説では逆にあまり見ないタイプのもの。
そうやって土俵を設定した分、逆に著者の地力や特長が出ており、長さを感じさせない読み易さも手伝って良作。
よかったのは舞台設定で、昭和初期という時代・社会を活用したコンゲームは面白い。
難点をいえば、滞りがなさ過ぎる。勧善懲悪ものは仕方ないのだが。
3+
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評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
戦前の大阪。瀬戸俊介は、両親を破産させ甘言で妾にした姉まで死に追いやった新興財閥総帥の灘尾儀一郎の殺害を誓う。偶然知り合った町工場主の春日は、自分の裏稼業は詐欺師だと明かす。「殺すな、かたきは取ってやる」。俊介の全財産で雇われた詐欺師たちは灘尾財閥破綻に向け、壮大な詐欺を仕掛け始める!
面白い!下巻に続く
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どのページを開いても、こまごまと具体的な時事風俗が散りばめられて、大正末から昭和初めの大阪を活写。モダンなビルヂングが次々に建てられ活気にあふれ『大大阪』と呼ばれた時代。それはまた軍靴の音が次第に大きく響き出した時代でもあった。詐欺の部分はまだまだネタ振りの上巻。