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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.9

評価内訳

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紙の本

精神的に重苦しく慈悲の無い物語に差す一筋の光

2010/09/20 00:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

このシリーズも10作目を数え、いよいよ後半に差し掛かってきたとの事。そのせいか、かつて登場した人物やエピソードの再登場を絡めた物語になっている。そして、実はいんちょーの物語第3弾とも言えるのだが、その口癖誕生にも関わる苛烈な過去に踏み込む重苦しいものでもあった。相応にグロい描写も本シリーズの特徴なのだが、今回は精神的にグロかった印象である。春亮絡みでわたわたする胸キュンいんちょーさんがあまり見られなかったのが少々残念ではあるが、この、過去から現在に至る経緯を乗り越え、新たな一歩を踏み出したことに希望を見出したい。再登場と言えば、短編集に出てきたあの2人にも本編への出番があって良かった。そして実に面白くて笑わせてくれた。

また、フィアやこのはといった“春亮ハーレム”を構成する他の女性陣にも何かしらの変化、というか想いの整理・再構築が行われた感じである。意外に想いを漠然とした形に戻しつつ、将来的な不安をも混ぜ込んだところに今後を占う何かがありそうな気がするフィアに比べて、このはの想いが沸点に達しそうな勢いである。その代わり、このはの“呪い”について切ない事実が描かれている。

それにしても、今回もまたやるせない物語だが、口絵で展開される素敵な妄想が前半から割とちょくちょく出てくるのを楽しみつつ「敵からの精神攻撃が早くも発動してるのか?」と訝しんでしまうのは本シリーズに対する免疫が出来た証拠か。復帰した日村素直の本性、男として実にダメなところを思いっきり歪んだ形で発現させた最低っぷりに心が重くなる。実質的な実行犯さえも被害者と同情したくなる、この究極の覗き見野郎の今後に出番が訪れないことを切に願うばかりである。一生消えてなさいっての。

意外に優秀なのね、というン・イゾイーもさり気なく活躍している。フィアやいんちょーさんと同様に、一発で彼女と分かる口癖が可笑しくて笑える。ちょっと可愛らしい一面もチラリと出てくる。

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2010/09/10 08:46

投稿元:ブクログ

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2014/06/09 00:44

投稿元:ブクログ

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