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ひとは必ず死ぬ、ということ。
このことを議論のスタートとするという点で、中村仁一さんと共通するところがあると感じた。
医療とは「よく生きる」ために行われるものだとすれば(そして私はその意見に共感する)、これは矛盾に感じるかもしれない。
けれども、「死ぬ」ということと、「生きる」ということは対極にあるのではなく、生きることの延長線上に死があるのだ。
とするばらば、「よく死ぬ」ということは、イコールではないにせよ、少なくとも「よく生きる」ことに含まれることになるだろう。
「死」から始めよ。
最近の医療本のトレンドとも言えるキーワードなのかもしれない。
以下、この本で参考になった点。
未来への提言についての章がとくに参考になった。
・ニーズ≠ウォンツ
・口腔ケアは誤嚥性肺炎に効果があるばかりではなく、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、認知症のリスクも減らす。
・その人の生きてきた「物語」を大切に扱う。
・「悪気のない不作為」が不の財産を残す。
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筆者がこれまでに勤務していた瀬棚町や夕張市で見てきた、住民・行政・マスコミ・医療職者などの実態と筆者の活動について書かれている。
1次予防や医療費、在宅医療についてなど様々なメッセージがあったけれど、特に「ニーズとウォンツ」の話は自分に無かった考え方だったのでとても衝撃的だったし考えさせられた。
激しい言い方で嫌悪感を感じる人もいるかも、というようなことが前書きに書かれていたけれど、個人的には共感できる内容が大半でスカッと気持ち良く読むことができた。
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夕張市を破産させたのは夕張市民自身。
病院という魔法の箱に入れたら全てが良くなると思っている人がいる。
最前線で戦う現役バリバリの医師だからこそのリアルな本。
かなり面白かったです。
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今のままでは近い将来、夕張市のように立ち行かなくなるであろう、日本の旧式な社会構造にメスを入れる。将来世代のことを考える意識を、国や自治体だけでなく、あらゆる世代の国民が持つべきである。
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厳しい言葉で書いてはあるが、かなり考えさせられる内容であった。
「責任を取らない」「決断できない」という風潮が、今の日本には蔓延していると思う。それによって多くの問題が引き起こされており、その一つが本書で取り扱っている医療なだけなのではないだろうか。
定量的でわかりやすい医療費なんかの問題はもちろんのこと、色々考えていかねばならないのだろう。
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日本人は生き方をもう一度考え直す必要がありますね。自分さえよければいいという人が多いですね。特に医療に関しては。
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実際に夕張でお話を聴いたとき自分の人生観が変わりました。
医療は目的ではなく手段。この本はときには厳しくも正論で、多くの日本人に読んでほしい1冊です。
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タイトルからみてもかなり厳しい批判を展開しています。
批判対象は、政治、行政だけでなく医療関係者、マスコミさらには市民まで俎上にあげています。
財政が破綻した後でも高い給料を維持しようとしてする行政、破綻後も9名中6名が再選された市議会議員など変わろうとしない体質を問題視しています。
でもそんな体質を作り出したのは市民の権利意識、被害者意識だと指摘してます。
http://ameblo.jp/nancli/entry-11781902120.html
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基本的には著者の立場を支持。単純に信じ込んではいけない危ういところはあると思うし、もう一方の当事者の話を聞かないとなんとも言えないなと思うところもあるけれど、胸がすくし、痛快ではある。
「サルまん」で竹熊健太郎が喝破した「庶民はいつも正しい。権力はいつも悪い」という構図が、今もなお健在であることに嘆息。
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こんな医者もいるんだ.患者の側も医療に対して冷静な観察が不可欠だ.既得権の保護ばかり考えている輩が多いのは事実だが、本音の議論をする資質がない人も多い.
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国や自治体だけの責任にして、住民が被害者であるかの様な捉え方で報道されるケースが多いけれど、結局そういう国や自治体を選んでいるのは住民達。外からごちゃごちゃ言っても、結局中の人達一人一人が責任持って変わろうと思わない限りは変わらないのだと思った。当たり前の事しか書いてないけれど、その当たり前が当たり前じゃなくなってる世の中で、誰かに責任転嫁するのではなく、自分で自分達の地域をより良くしていく方向へ色んなことに関心を持っていきたい。
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医療に求めるものがそれぞれ違ってもいいと思う。でも社会保障制度の中で医療を考えるならば、自分さえよければという考えを改めなければならないと思う。
夕張に起こった事をよく考える必要があると思う。
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誰が悪い、何が悪い。批判だけではダメ。
批判は必要かもしれないけど、より良い医療や社会を作るには、自分にできることを精一杯やらないとな、と思いました。
大事なことを教えていただきました。
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辛辣な批判、と筆者は書いていますが、ちゃんと読むと悪意がないのもわかるし、正論を述べているだけですっきりとした読後感。いやー、面白かった。
地域包括ケアってどう構築していくべき?っていうよりやっぱり一人一人の意識の持ち方が重要なんだなと実感。
あと自分のことしか考えていない人の意見を聞く必要がないっていうのは判っていたことなんだけど、時としてそれが「民意」のように聞こえる。でもそれに耳を貸す必要はまったくないんだと思い知る。痛快でした。
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夕張市立総合病院の再生などに取り組んできた「戦う」医師、村上智彦氏による医療論。政治、行政、財界、マスコミ、医師・病院職員、そして「弱者」と捉えられがちな市民(患者)も含めて、あらゆる「敵」を名指しして、例外も生起もなく徹底的に叩くという趣旨で書かれている。
本人が過激すぎるように思うかもしれないというように、論調はかなり厳しいが、言っていることはかなり正論であると感じた。「戦う医療」から「ささえる医療」への転換は、超高齢社会を迎えるこれからの日本にとって必須であろう。予防医療の重要性は言うまでもない。また、市民(患者)自身が、病院依存体質を改め、健康意識を持ち、自らが医療をささえるという意識を持つことが必要だと感じた。