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イギリスを中心とした文化論。アジア人である自分が読んで汎用的な内容と感じる内容ではない。
個人的にはボツワナがアフリカで安定している国ということを初めて知ったことが一番の感動。組織作りが大切ということでもあるが。
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西洋自由主義国家がなぜ衰退しているかについて、民主主義/資本主義/法の支配/市民社会の4つの視点から語る本。色々なトピックに少しずつ触れているが、個人的には世代間社会契約の破綻の話と、市民社会の章が興味深かった。
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N・ファーガソン『劣化国家』東洋経済新報社、読了。「なぜ豊かな国が貧困へと逆戻りするのか?」。西欧がトップに立ち続けた二つの要因は民主主義と資本主義、法の支配と市民社会というの4つのエンジンを実装した国民国家。その劣化を前に開発独裁の如き妖怪が注目を集めるが著者は一蹴する。
西欧が成功する要因となった制度は深刻な危機を迎えているのは事実だ。著者は、アダム・スミスといった古典からクルグーマンに至るまで--新旧の思想を現実とすりあわせながら劣化要因を腑分けし、未来を展望する。
民主主義国家の運営は国債に依存するが、世代間の社会契約の意義を見失い、複雑化する規制が資本主義の危機を招き、「法の支配」が「法律家の支配」にすり替わってしまうとき、市民社会の枠組みとしての国家は劣化・破綻する。
トクヴィルは自発的かつ多様なソーシャルキャピタルを市民社会の基盤と見たが、劣化しつつある。加えて、階級分断の格差社会が、西欧を「劣化国家」に変容した。だとすれば、市民社会の単位の認識を更新する必要もあろう。
領域性国民国家を単位とする主権国家はもはや成長の主役たり得ない。著者は『文明』(勁草書房)で「西洋が覇権をとれた6つの真因」(副題)をマクロに描いた。本書はその転換期をミクロな視点で描き出す。浮かび上がる衰退の本質は他人事ではない。
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翻訳の櫻井祐子女史はいい本を訳していらっしゃる。『選択の科学』で始めて知りましたが、この本も面白い。私の場合は、翻訳者で買うことが多い。
15頁にわたる注をチェックして、使える知識とするのが実務家の読み方だと思う。
歴史家が民主主義、資本主義、法の支配、市民社会をまとめて扱うのでカテゴリは困るなあ。アダム・スミスの定常状態から言及が始まるので、「経済」としておく。
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ダニエル・ヤーギンの「市場対国家」と、ジョセフ・ナイの「なぜ政府は信用されないのか」を、本書と併読されるのをお勧めする。
近代自由主義的や、それに基づく民主的手続を自明の事とする人には、受け入れがたい内容かもしれないが、それらが所詮「発展途上」であることを知る事によって得られる視界には、「未来の焼野原」だけではなく、「豊穣たる未来」も、見えるかもしれない。
そんな、想像力をかきたてる一冊だ。
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会社で話題になったので読んでみた。
日本を含む西洋社会は今や定常状態に入っており、これから衰退の道を辿るだろうという内容。
とにかく自分には難しすぎた。経済のことをあまりにも知らないのでどのようなところに先進国の諸問題が隠れているのかを説明する著者の主張を理解することができなかった。もっと経済について勉強しなければと思った。
終止難しい内容だったが結びの部分では具体的に今後どのような世界情勢になっていくのかを著者が予測しており、そこはとても興味深かった。
歴史的に分析してみると2020年頃にアメリカから大きな暴力的な出来事が発生する可能性があるらしい。
自分たちがオリンピックで浮かれている中、どのような世の中になるのだろうか。まるで想像がつかない。
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氏のキャラが強烈に発揮された一冊
ラインハート、ロゴフあたり引用してるのはご愛嬌だけど、幅広い分野の先生方になかなか高い水準の喧嘩ふっかけてるのは結構読んでいて面白い
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~20140201
BBCラジオの連続講義が基となっている。引用が豊富で、仕事にも使えそう。最終章のオバマ大統領の選挙演説の引用とその評価が個人的には?だったけど。
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(メモ)欧州、米国等の先進国の発展の背景と限界(?)を論じた書。経済面、法制度面等、様々な立場から、先進国と途上国を比較している。
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金融制度や法制度まで、幅広い制度を挙げ、制度は人間が作る物だから欠陥があり、それが国家の衰退の原因になると述べ、最後に衰退から得られることは何かということについて論じている。
訳の問題か、読みづらかった。面白そうな内容なのにもったいないというのが正直な感想。しかし、扱っている分野が幅広い上、多くの古典からの引用があるため、背景知識が無くて読めなかっただけかも知れない・・・。
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2014/02/28:読了
「政治・経済・法・社会」の劣化の解説本
論理のしっかりした、良い本だった。
小室直樹さんのやりたかったことって、こういう感じだったのかなぁ??と思った。
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「法の支配」が「法律家の支配」になってしまったのは、いわゆるアメリカ的なわけ。現実社会に対して制度更新が追い付いていないということ?判例法の良さをあげているが、これは著者の思い入れということもある。
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中国など”国家資本主義”国が台頭してきている一方で、欧米など”経済自由主義”国の成長が停滞しているのはなんでなんだっけ?をテーマにした本。民主主義・資本主義(金融規制)・法の支配・市民社会の4つの観点における負の側面から紐解いていきます。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.jp/2018/05/blog-post_13.html
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世代間協業の崩壊(公的債務超過)、いき過ぎた金融規制、法の支配の堕落、民間社会資本の衰退が西洋型国家を劣化させている、と説く本。かつてはそれらがどう機能していたか、それがいまどう機能していないかの説明はあるが、なぜその変化が起きたのか(経年劣化なの??)の点が十分に伝わって来ず、消化不良感あり。日本人には背景が分かりにくいオサレ表現が多いためか、翻訳文は読みにくかった。名誉革命が国王から恣意的な徴税権を奪ったことにより、英国は国家の信用(公的債務)でもって国家事業拡大の資金源を確保できたという説明は腹オチ。
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直観的だが、以下の2点の感想をもった。第1に、筆者の見方は名誉革命以降の英国モデルを理想とし、それが複雑化・不純化していくことにより国家が“劣化”していくという単純明快なものだった。ところが、英国モデルがうまく機能していた産業革命を例にとると、制度という外生的要因と市場という内生的要因が複雑に入り組んで起こったことも考えられるのではないか。第2に、国家の役割を「肥大化した」と捉え、その縮小を訴える論者はしばしば「市場に委ねる」ことを主張するが、筆者はNPOなど非市場的な団体の役割を重視しており、興味深く感じられた。本書はタイトルのインパクトが強く期待が大きかっただけに、内容はやや物足りなく感じてしまった。しかしながら、制度派の基本的な考え方を手軽に知ることができる、良い一冊だった。