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船に乗って行く
別々のところで生まれた
別々の心の
俺という数千人が
同じ船に乗り合わせて
流れていく
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高校のときに国語の先生が薦めていたので読みました。
そしてつい最近、どんな話だったかすっかり忘れていたのでまた読みました。
話がどこかへたどり着くわけではないので、読み終えた後「終わったー」という感覚がしません。だから、どんな話だったか思い出せなかったんだなと思いました。
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「泥の川」「蛍川」とこの「道頓堀川」が宮本輝さんの「川三部作」と言われています。
三部作の中では私はこの「道頓堀川」が一番好きかな、
大阪ミナミの歓楽街、道頓堀川のほとりで暮らす孤独な人々、
屈折しながらも必死で今日を生きている人々、
さまざまに交差する人々の人間模様が暗めのタッチで描かれています。
宮本輝さんの作品は全体に暗くモノクロームなイメージです。
最初はそれが少し苦手だったのですが、だんだんその暗さが心地よくなってきている自分がいたりして・・・(笑)、
宮本輝マジック〜!
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宮本作品が好きなんだなーって、常々思わせる一冊。特に強い展開があるわけでも無いが、読後にあぁ読んで良かったと感じてしまう。
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p49
「あんた、ほんまに嫉きもちやきやねんから・・・・」
「うちが、どんなにあんたのことを好きか、よう知ってるくせに・・・」
大人じゃ~!!
この技を手に入れたら一生夫婦円満でしょう!
p129ぜんぶ。
ギヤマンの色が、杉山の描く海の色ってくだり。
p137
「それに足すことの三や」
っていったまち子がかわいい★
p142
「小太郎、もう帰ってけえへんわ」
まち子は同じ言葉を同じ調子でつぶやくと、微笑みながら、こんどははっきりと自分から唇を寄せてきた。
きゅ~ん★★
登場人物がいいね!個人的にはかおるが大好き。
リバーみたいな店だったら持ってみたい。
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この人の書く文章はなんてきれいなんだろうか。
人の感情、風景、人間模様がとても繊細。
大阪弁の持つ汚さみたいなものは全くなく、人情の部分だけがろ過されたような、登場人物の会話。
宮本作品の中でもお気に入りの1冊になりました。
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宮本輝作品、2作目。
道頓堀川沿いに店を出す喫茶店リバー。
マスターである竹内鉄男と、ここでアルバイトとして働いている大学生の邦夫を中心に描かれた物語。
道頓堀という賑やかな場所で生きている人々の抱いている心情などがよく現わされているなぁ、と思った。
登場人物の間でやり取りされる言葉が関西弁で現わされていて、登場人物の全てに愛らしさがあるなぁ、と思った。
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喫茶店のマスター・武内と、アルバイト学生・邦彦の二人の語りで物語が進みます。
ビリヤードにのめり込む息子、ビリヤード屋の店主、小料理屋の親父、ゲイボーイ、ストリップのダンサー、絵描きの易者、などなど…。なんとも色の濃い人たちに囲まれています。
それぞれが、葛藤しながら前を向いて生きて行く姿に清々しい強さや優しさを感じます。
こてこての大阪が舞台ですが、爽やかな雰囲気が漂っています。
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帰りにビールを選びながらきづく。大阪が舞台の本が続いたため、内省が関西弁になっていた。他人の方言や表現で気に入ったものはすぐ影響されて、知らないうちに使っている癖。まねっこ子ザルである。
これは借りてきたものだけど、前の二作が載った一冊は大学に入ってすぐ古本屋で手に入れていた。でも、薄いのに何やら取り掛からないまま、卒業間際までひっそりさせていた。ついこの間の部屋が腐海の状態のとき、積読から発掘。
これを買ってきた日に読んでいたら、少し変わってたかな。とか一応考えてみるけど、きっと今より気に入らなかったでしょう。あのとき読んでいたら、いろんなものがない人にひたすら憧れただろうけれど、今はただただ、それを持つことの重みを承知で、感謝する。
道頓堀川が、一番好きだなあ。長いためでもあるかもしれない。人間くさい状況と、人の強さがその分比例されてる。短編がよくて、こうして比例できる人は稀だと思う。
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暗いなあ。落ち込んでいるときにこういう類の本を読むとさらに気が滅入ってしまう。相変わらずの宮本節だし。新しい面白みはないな。
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久々に読み返しましたが、何度読んでも、濃密で味わい深くて、読書をする楽しみを十二分に感じることができるなあと思いました。「辛い哀しい事が起こっても、いっこうにへこたれんと生きていけることが幸せやと思いますねェ」というセリフが好きです。
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初めての宮本輝作品。
こんな人達になりたい、こんな人生を送りたい、といった秀でた登場人物は出てこなかったのに、もう一度読みたいと思った。
純文学の面白さに気づかされたかもしれない。
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映画は「まち子」に松阪慶子が大学生邦彦に「真田広之」が演じた。著者の宮本輝は学生時代に道頓堀沿いの喫茶店デアルバイトをしているので、その時の体験も作品に反映されている。
主人公は幸橋で「この橋の辺りから夜の盛りの時間に道頓堀の賑わいをながめると、人間にとって何が大望か、小望かが判ってくる」とつぶやく。
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道頓堀川の淀んだ泥水から、乞食の絵描きは人間の深緑色を見る。その緑色に惹かれて身を滅ぼしていった女と、その男が喫茶店に飾る美しい翡翠の水差し。
宮本輝の小説といえばまず一番に「業」だと思う。
人間の、どうにも自分の力ではあがらえない行動や心情や関係をありありと書く。
自分の範疇を超えた業は自分以上に自分自身を映し、そしてあるとき些細に思えていた物事の本当の"濃さ"にふと気づかされたなら、それがどんな人生であれ、人としての冥利に尽きる。
圧巻だなー
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短大生の時、好きな作家は?と聞かれると「宮本輝」と答えていました。
それくらい好きだったのに最近は何故かご無沙汰。
最近文学小説熱が再熱ぎみなので久しぶりに再読しました。。
宮本輝の作品は、いつも重く暗いものを背負った人々の人間模様が描かれていますが、最後は前向きな、希望を感じさせながら終わらせてくれるところが好きです。(なーんて最近の作品は全く読んでいませんけど。)
この作品も、人間がそれぞれ精一杯生きている感じがよいです。
それと、昭和40年代を舞台にした作品だからこういう大阪って今はもう無いのでしょうけど、東京にはない泥臭さや力強さが迫ってくる感じなのに、儚くて物寂しい感じ雰囲気もあって、これが大阪か、と納得するかんじでした。。