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追う者と追われる者を乗せて、東北新幹線は疾走する。
「グラスホッパー」に続く、殺し屋たちの狂想曲。
2時間30分のノンストップ最強エンタテイメント!
木村「怒ってるなんて言葉じゃ足りねぇんだよ」
――アル中の元殺し屋。一人息子を植物状態にした王子を恨んでいる。
蜜柑「俺がドルチェで、そっちがガッバーナだ」
檸檬「違う。俺はドナルド。そいつがダグラス」
――果物コンビの殺し屋たち。兄弟とかではなく、性格も正反対といっていいほど。蜜柑は文学好き。檸檬はトーマス好き。
王子「どうしてこんなに思い通りになるんだろうね。人生って甘いね」
――優等生然りの風貌だが、底に潜む悪意はとても深い。ついている。
七尾「世の中に簡単な仕事なんてないんじゃないかな」
――一見優男だが首折の達人。尋常ではないほどに運に見放されている。
一癖も二癖もある殺し屋たちが、ほぼ密室と化する東北新幹線で交錯する。
あのときの描写はこんな意外なところで効いてくるのかと感嘆の連続です。木村の判子の小ネタなどもニヤリとさせられる。
前作から引き続き登場の「鈴木」「槿」も重要な役どころを演じています。
最後に王子と七尾のツキが逆転するところも素晴らしい演出。
伊坂エンタメの最高傑作。
ミステリ :☆☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆☆
人物 :☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆☆
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待望の文庫化!グラスホッパー読み返したほうがよかったかなと思っている。たくさんの殺し屋が一つの新幹線に乗り合わせるという恐怖の偶然。キャラはみんないいのにどんどん死んでいってしまって悲しくなった。伊坂さんの作品は言葉に表しにくいことを言葉にし、悪をちゃんと成敗してくれるからすっきりする。
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文庫が出るのを待ってたんだけど待ちきれなくて読んでみたらグラスホッパーの姉妹編でなんでもっと早く読まなかったんだと後悔しきりの一冊。
檸檬と蜜柑はやっぱり当て馬だったのかと残念だけれど転んでもただではおきぬが伊坂流。読み終わりのスカッとさがやめられない。
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久しぶりに惨たらしい悪意から逃れるように読み飛ばす。
王子の憎たらしさにさらにスピードアップ、ああ、七尾ちゃん、いらつくわ~と突っ込みいれながらもさらに加速。
全速力で走ったようで、疲れたけど面白かった。
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2013年10月から2014年3月20日までに読了した本。
この期間、読書メモをさぼっておりました。
れもんとみかん。
ついていない男。
好きな本。
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面白かったー‼︎‼︎‼︎(≧∇≦)
最後まで展開が全く読めないのに、そこかしこに散らばってる伏線が一つになっていくところがとにかくすごかった!
タイプが全く違う様々な殺し屋たちが対峙していく様子がすごくスリリングで、それでいてそれぞれになんとも言えない魅力があって、夢中で引き込まれた。
その中でも、王子だけは許せない。本当に心がないとしか思えない。王子のパートだけは、読んでいて胸糞悪かった。
王子の本性を見抜いた檸檬と木村父には感服!特に木村父からは、年の功を感じた!
七尾が意外に手加減しない、容赦ないんだってことが意外だったな、、、
この殺し屋シリーズ?は引き続き読んでいきたい!
本当にスリルとワクワクがいっぱいな本だった!
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グラスホッパーよりも好き。
それぞれのキャラクターが
どれも良い味出してる。
設定が非日常過ぎて好き。
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新幹線を舞台にしたストーリー。
前作のグラスホッパーも好きだが、
疾走感があり、
話も今作の方が個人的には引き込まれた。
全作の中で、最もユーモアとシリアス面のバランスがよく、
メッセージ性のある印象的な作品だと感じました。
個人的には果物コンビが好き。
某子供向けキャラクター絡みの行は特に面白かったが、このキャラクターが後半で重要な鍵となる展開には「ほう、、、」と思ってしまった。
極悪少年・王子の救い様のない思考回路にはぞっとしたが、
最後に木村が彼に放った説教の言葉にすっきりしたというか、強く共感した。
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伊坂ワールド堪能!ちょうど特急に乗りながら読んだのでなんとなく臨場感も。グラスホッパーの内容忘れちゃってたから読み返さなくては。それにしても王子の悪さはトップクラス。同級生を支配していくさまなど、北九州の事件を思い出したけど、あれはお金を巻き上げる目的があったわけだから…ホントにただ実験的というか、目的をもたない悪意っていうのは太刀打ちできないなぁと思わされた。
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10/18 殺し屋第二弾。
王子のような他人を人と思わず、道具としかかんがえない人が一番こわい。彼のように恐怖や猜疑心で人を操るのではなく、もっとあたたかに人を動かせる人になりたい。
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伊坂幸太郎の描く長編ピカレスクロマン。前出の『グラスホッパー』で描いた世界の東北新幹線「はやて」車内で起こる殺し屋たちの殺人劇は、人殺しを生業とする「その筋」の業界で名の通った殺し屋たちが、それぞれ依頼された人間を「消す」為に盛岡まで疾走する新幹線という走る密室の車内で「仕事」を繰り広げるサスペンス。ぶっそうな殺し屋のあだ名にレモンだ、ミカンだ、アサガオだと脱力系の名を冠し、伊坂が得意とするユーモアあふれる軽快なセリフ回しと相まって、死人が出る描写であってもいとも簡単に切り捨てているが、しかし、今回の悪役である「王子」のセリフと描写は嫌悪感さえ抱かせる「純粋なる悪意」のドロドロぶりをこれでもかと読ませる構成は上手い。
殺し屋同士で行われる単調な車内で有るはずの追跡劇も携帯電話などのガジェットを上手く使って緊迫感を持ってテンポよく読ませる技は『ゴールデンスランバー』のさらに上を行く。どこまでも運のない「テントウムシ」の七緒、自らの強運を自覚し、他者を徹底的に見下す「王子」。しかし「禍福は糾える縄の如し」の言葉通り悪行の末路とミステリアスな事件のストーリーを大団円に持って行く構成は爽やかな読了感。何よりも総ページ数591ページの長編を全く感じさせない伊坂の筆力には舌を巻く。
「面白かった!」
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グレート!!
盛岡までの新幹線車内で繰り広げられる
ドンチャン騒ぎ。
アップテンポな展開に飲み込まれ一気読み。
『人はなぜ人を殺してはいけないのか?』
戦争なら良くて、殺人は良くない。
国家が決めているという考えは興味深かった。
マリアビートルってタイトルの意味が
やっとわかりましたが、ここでは書きません。
グラスホッパーからの繋がりも垣間見えて
二冊とも読むことをお薦めします。
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文庫本化で再読。単行本のときにも感じたが、物語の引っ張っているのは王子であり、王子がたまたま新幹線に乗っていなければ話はここまで複雑には成っていない。王子というキャラは一般人にとっては非常に不快にさせる存在であり、単行本のときにはそういう否定的な捉え方しかできなかったが、文庫本で改めて読むと、ソマリアで虐殺のメカニズムから人を縛る方策を実践していくというプロセスのありようこそが、作者の言いたかったことなのかも知れないと思われ、やはり王子の存在は必然だったのだろうと思われる。こういう怖い一般人である王子に比べ、殺し屋達は殺しというタブーは超越しているものの、人の在り様としてはいたって普通に描かれていることも、作者が意図してのことであろう。
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2013/12読了。
本当は今日はたまりに溜まった掃除洗濯片付けをしなきゃいけなかったのに、読み出したら止まらずに気づけば5時間ぶっ通しで読んでしまうことに。
面白い!これまで読んだ伊坂作品で一番と言えるくらい物語にのめり込んでしまいました。新幹線の中で登場人物は殺し屋ばかりという奇妙なシチュエーションの中、いつも通り色んな伏線が回収されていく展開は見事です。
でも塾の先生の正体だけはよく分からず…、グラスホッパー先に読んだ方が良かったか。
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読み終わるのがもったいないぐらい面白かった。
王子に不快感・嫌悪感しかなく、イライラしっぱなしだったのに、読後感は爽やか。スカッとした。ハードボイルドな木村夫婦と蜜柑・檸檬コンビのおかげか。
天道虫が愛さずにはいられないキャラだった^^; 緊迫した雰囲気の中、クスッと笑えるところには彼がいた気がする。