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喪女の思いを描くことにかけては他の追随を許さない作家、豊島ミホの「人形」をモチーフにした短編集。装丁の美しさ、美しくも残酷なストーリー、どれをとっても素晴らしく、何度も読み返したくなる作品。
特に「手のひらの中のやわらかな星」、「サナギのままで」が切なくて泣けた。
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あまり人形に馴染みがない為、美の象徴だとしてもイマイチピンとこず。
途中から人形が大人の愛玩にも耐えれる作りのシリーズものの代物になったが、表題作のポロポロドールはそれではないみたいで、なんでシリーズものの人形という設定を出してきたのかな?特に作品ごとの関連もないみたいだし。
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人間は死ぬまで自分のコンプレックスとうまく折り合いをつけて生きていく。美しいものの概念は人それぞれ違ってくるが、もしそれを独り占めできればその瞬間だけ救われる。虚しいだけだと知っていても求めてしまうのかなって感じた。
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美しい人形に切ない思いを託す人々の物語。
全体的に悲しい色に覆われているが、なぜか温かさを感じる。特に「手のひらの中のやわらかな星」には、深く感銘を受けた。
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人形を軸に物語られる6つの短編集。
あとがきにもあるように、人形は美の象徴として描かれていて、直間それぞれで美が語られる。
途中まで、というより最終話までは面白いけど軽い印象で読めていたんだけれども、最終話の最後数行でガツンと打ち据えられた。そんな印象。
最終話は14歳で交通事故にあった男の子の話で、冒頭の交通事故にあった瞬間「あ、僕の整った顔が」と感じたということから始まる。
その後主人公は諦観というのだろうか、己の不幸を呪うでなく、失ったものを悔やむでなく、やや淡々と事実を俯瞰するように生きていく様子を描かれる。
それでも、ある日街で見かけた人形によって「昔自分がいた世界、調和があった世界」の存在を忘れていたことに気づかされる。
この最後の物語の何がすごいって、過去と現在の対比というか明暗というか、それははっきりしたもののはずで、ややもすれば不幸が強調されがちになりそうに思うのに、過去を淡々と美しく描くだけで、現在はさほど悲壮な描かれ方をしない。だからだと思うんだけど、読んでいても気持ちが落ち込んできたりはしない。
明らかに心は過去に囚われているのに、たとえば「秒速5センチメートル」みたいなギリギリとした心の鬱屈みたいなものは感じない。
自己愛に完結してゆくからだろうか?
最後の数行はただただはっとさせられる。
最後の一話を読むためだけに買ってもいい本だと思う。
すごい。
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複雑っていうか狂気的っていうか。普通じゃない。
残酷な物語っていうのはあってる気がする。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-685.html
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人形にまつわる6つの短編集。
私は人形について特に意識する事も無かったので、この短編集を読んでそれぞれ違った人形に対する想いがあるんだな…と思いました。
憧れの人を人形に重ねて、ってパターンが多いような。。
「ぽろぽろドール」って響きが印象的。
「手のひらのなかのやわらかな星」の主人公は、好きな事に対してすごい行動的で、読んだ後に微妙に焦った。
見習いたいなぁって思う。
表紙や扉絵のデザインや、フォントの感じが好きだ。
それこそなんか人形っぽい。
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怖くて仕様がないのは、私が「人形」というものが苦手だから。
みんなそれぞれ
思い出とコンプレックスと
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☆サナギのままで
思い出っていうのは不思議なものだ.
どんなものだって時間が経てば色褪せていくけれど、
それは、その思い出の価値による.
例えば10年も前のことでも、まるで昨日のことのように
鮮明に光を放っていることもあれば、
ほんの最近のことでも、記憶の彼方に追いやられてしまって
もうぼんやりと霞んでいることもある.
大切な思い出は、いつもすぐ傍に感じられるものなんだろう.
共有している思い出を、相手も同じように大切にしてくれて
いたらいい.
それだけで、体の深いところでつながっているような気が
するから.
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人形は人間が作るから、作るのに、その人間は人形に及ばなくて、人形って不思議なものだと感じました。
人形にまつわる短編集ではあるけれども、かえって人間の感情が繊細に表れているような気がしました。
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人形にまつわる短編集。結構怖かった。気味が悪くてぞっとするものが多かった。人形に対する愛は短編の数だけあったけど、どれも読んでて不気味、私には理解しがたい話ばかりだった。再読はないかな・・・(´・ω・`;)
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絶望、諦念、憎しみ。
「美」を遠くからでしか眺められない、美しくない人間。
それらを通して感じる残酷さが、かえって美しいと感じた。
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少しゾッとしました。
しかし、何と言うか、
ドロドロしてて脆いのに
しっかり美しい話だと
思いました。
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容姿に強いコンプレックスを感じたことがあるひとならどこか共感する部分があると思う。
同時に、話自体をこわいと感じるひとも多いかもしれない。
あとがきにも書いてあるように、これは作者の信仰告白だった。
私は泣きそうになりながら読んで、そんな自分を滑稽にも思いながら、自分の美意識に正直でいようと思った。
たぶん私も、美しいものに焦がれてるし信仰してる。
まだそこから抜け出せないでいる。
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2012/3/3
人形にまつわる短編6編。
「手の中のやわらかな星」と「きみのいない夜には」が好きかな。
なんとなく自分の居場所を見つけた感じのラストが。
逆に「僕が人形と眠るまで」は痛々しくてしんどい。
これが最後に来るのがイジワルだなーと思う。