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酒鬼薔薇聖斗事件を彷彿させます。とても嫌な、けれど良質な小説です。
それぞれ異なる殺人事件の被害者の家族と加害者の家族が教師と生徒という関係で関わるなんとも複雑なもの。
被害者の家族である「橋本晃希」。は、そっくりな双子だった。あるささいなことをきっかけに入れ替わりを余儀無くされ、本当の自分である家族橋本祐也」が葬られ、死んだ弟として生きて行くことになった。さらなる悲劇として犯人は15歳の少年だった。
そしてもう一人の語り手は兄が殺人を犯した教師。
うまくかけないなー。
双子の入れ替わりか、なんか聞いたことある話だな、と思って読み進めるととにかく繊細。嫌な小説。でも読んで良かったなって思った。この小説を言葉であらわすのは難しい。
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犯罪加害者の家族の苦しみと、被害者の家族の苦しみを描いた作品。
というと、ドラマ「それでも、生きていく」が思い出されるが、それとは違い、別々の犯罪である。
少年犯罪、加害者は更生へと指導され、そして守られる。被害者家族にもその少年Aの情報は与えられない。被害者家族はどんなに悔しい思いをすることだろう。
ページ数も少なく読みやすい文章なので、一気読み。
死んでも何も解決しない。絶対に死なせてはいけないのは加害者なのだ。というのが印象的でした。
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タナダユキ氏。映画も、小説も、けっこう好きです。読み終わったきょうは、偶然にも『偽りの人生』という、ふたごが登場する映画を観たりして、運命、変えられるものと変えられないものについて、いろいろ、感じることができました。タナダ氏の映画作品もそろそろ観たいところです。
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さすが映画監督だけある。
景色や色や臭いが伝わってくる。背景描写にこだわっているんだろうな。実写化できないものを書いたというだけあって、これを演じきれる役者はなかなかいないんじゃないだろうか
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イッキ読みでした。
中井先生のパートの「です・ます」調の淡々とした語り口が、わざと感情を押し殺しているようで、ゾワッしました。
舞子のご両親は出所後の亮一を甘やかせすぎちゃったのかな。心を鬼にして自立させるの、無理だったのかな?犯罪者は普通に生活するのは並大抵ではないと思う。でもこんな調子では・・・何だかスッキリしない。
服役したことで償いは終わったという亮一の言葉には「勝手なこといってんじゃない!」と思う反面、謝罪を口にすればいい?自ら命を絶てばいい? たぶん何をされても被害者家族には許せない。犯人がこの世に存在していても、存在しなくなっても許せないままだと思った。可能なら時間を巻き戻してあげたいけれど・・・。
被害者の家族も、加害者の家族も壊れてしまう、こういう事件はどう考えたら良いんだろう?わからなくなってしまう。本当に心が重くなります。
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百万円と苦虫女の監督作ということで読んだ。被害者と加害者家族が出会って…と、どこかで見たような設定。それでも地方独特の苦い部分や被害者少年の変わってしまった人生や心情は心に残りました。また素敵な映画お願いします!
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息苦しさを覚えるほど、濃厚な本だった。でも読み進める手を止められず。
一気に読み終えたけど、数日間脳内に残って、隙あらば祐也の事を考えている自分がいた。
齢15にしてこんな苛烈な人生を歩むことになってしまって・・・。
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冒頭の文体からやや不気味な印象をもったこの本。タイトルもダイレクトに「復讐」とあり少年犯罪の被害者が加害者に復讐するんだなぁと漠然と思い読み進める。まったく別々の事件の被害者家族と加害者家族、だけどどちらも不幸でやりきれなくてその後の人生や人格形成に大きな影を落としてしまう 双子であるが故のそれぞれの葛藤、無いものねだり 二人の幼子が事件に巻き込まれてしまうであろうシチュエーションは読み進めていくうちにもう胸がドキドキしてしまい、その結果凄惨な場面はかつての酒鬼薔薇事件を彷彿とさせリアリティがハンパなかった。
登場人物のいったい誰に感情移入したらいいのか・・・。もしかしたら誰でも彼らの立場になり得る可能性のある中で、もう第三者、傍観者として読むしかなかった。どうか現実の世界で自分がどの立場にもなりませんように・・・。
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映画監督だからでしょうか、推理作家のように見事なラストでは無いのだけれども、とても引っ掛かる読後に何だか考えてしまう。イイ映画を観たあとのような感じです。
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双子の兄弟と一人の女教師の話。双子の弟が当時中学生に殺された。しかし、発見された時わけあって兄が殺されたことになってしまった。それをずっと隠し続けその日から’兄’は’弟’として生きていく。女教師の兄は殺人未遂を犯し、殺人者の家族として虐げられた。その’弟’と女教師とのやりとり。小さいながらも少年が殺人者のことを憎み、被害者が加害者の立場になっていく過程、また女教師は被害者の家族としての立場として繰り広げられる話。少年の憎しみがどれほどのものかというのが細かく描写されており読んでいて引き込まれた。ハッピーエンドではないが、読んで面白かったといえる本。
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被害者の立場、加害者の立場、
考えさせられる。
現実もきっとこうなんだろうな。
祐也は今後僕は晃希じゃないって言うのかな?
でも言ったところで信じてもらえないし、
精神が病んでるでおしまいにされそう。
舞子の兄の「償いは服役で済んだ」の言葉。
間違ってはいないけど、こんな風に思われたら
被害者側だったらイヤだな。
でも謝罪の言葉を一切拒絶されたら、
だんだんそういう考えになっていくのかな。
死んでほしいけど死なせてはいけない。
死んでも何も解決しない。
深い。
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戸畑祇園の事が書かれて、私の地元が舞台で場面、場面がリアルに感じられ楽しかったです。祇園のことも詳しく書かれていて戸畑祇園を知っている人は楽しむことができるのでは。
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http://tacbook.hatenablog.com/entry/2016/06/13/203358
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人の命を奪った。
その事実をどうやったら忘れることが出来るのだろうか。
それとも、忘れてしまえるような人間だから人を殺すことが出来たのだろうか。
償いとは何だろう。
許しとは何だろう。
大切な家族を失っても生きていかなければならない。
憎しみも悲しみも、時間が解決してくれるようなことではないだろう。
せめて犯人も、罪の重さを感じながら一生苦しんでほしい。
そう願うことは間違っているのだろうか。
失われた命は何があっても戻ってこない。
取り返しのつかないことがこの世にはあるのだと、何故犯人は気づかなかったのだろう。
答えの出ない問題を突きつけられたような、後味の悪さともどかしさを感じた物語だった。
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切なく哀しく、読み進めたくないような、でも読まずに居られないような、ざわざわした気持ちになり、少しスッキリしてでもまた哀しくなる。そんな話