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あとがきで「アメリカの歴史についてのプライベートなノート」と書かれているように、教科書的な記述はなく、100以上の引用を効果的に使用しながら、アメリカ史を語っていくというスタイル。素人には面白く読める。特に4章の大量消費社会と大恐慌の章は面白かった。また、アメリカという国はパワーを発揮する時はその力は外側に向かう、とか、常に仮想敵国を想定したがる、といった記述に納得した。(07/06/30)
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著者の猿谷要さんの個人的な考えよりアメリカの歴史を様々な資料や実体験を基にアメリカの歴史を分かりやすく描いています。巻末には教科書のような時系列の年表があり、読書後に自分の頭を整理するのに役に立ちます。
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[ 内容 ]
アメリカは民主主義の理念を具体的に政治に実現させた最初の国である。
独立宣言の中心「すべての人間は生まれながらにして平等である」は、今なお民主主義国家の道標として輝き続けているものの、人種間の問題や戦争など、建国から2百年余、その歴史は平坦ではなく、生々しい傷がまだ癒えることなくその跡をとどめている。
この超大国の光と影を、戦後深いつながりをもって歩んできた日本との関係もまじえて描く。
[ 目次 ]
プロローグ 歴史の入り口で
第1章 新しい共和国の誕生
第2章 国家分裂の危機
第3章 アメリカ帝国の出現
第4章 大衆消費の実現と大恐慌
第5章 アメリカの世紀
第6章 平等への闘い
第7章 超大国の行方
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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本書は、細かく分析した歴史書ではなく、アメリカの歴史を辿りながら、ある程度の全体像を紹介するものである。
著者はアメリカ研究の第一人者。文中の所々で著者のアメリカでの体験や、コラムのような形でアメリカの重要人物や重要事項も紹介してくており、楽しみながら読む事ができる。
また、各章で取り上げられているテーマも難しい物ではなく、キング牧師やケネディといった、比較的多くの人に知られている人物を取り上げているため、アメリカを初めて学ぶ人でも十分理解できる内容だと思う。
本書は学ぶというよりも、読んで楽しむという目的にも十分対応できるものであると思う。
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1991年に初版の少し古い本。人種差別の問題が多く取り上げられている。1964年の公民権法成立で表面上の差別問題は一応解決されたが、南部ではもちろん北部、西部でも差別主義は根強く残っていた。南部のレストランでは黒人客をピストルで追い返すという事件が起こり公民権法違反第1号となり店は莫大な罰金を突きつけられ閉店へ追い込まれたが、アメリカ各地から激励の手紙やら寄付が集まりその店主はジョージア州知事選に当選してしまう。その頃「ブラックパワー」という言葉が流行り始める。時に黒人は武器をもって立ち上がる必要もあるという強烈な考え方だ。非暴力を訴えていたキング牧師からは批判を受けることになるが、瞬く間に広がっていった。そしてキング牧師は、1967年、人種を超えた「貧者の行進」の最中凶弾に倒れわずか39歳という短い生涯に幕を閉じた。アメリカの歴史を知ることは今のアメリカが抱える貧困問題を考える上で重要と思われる。建国以来の経済至上主義を貫いてきたことによる歪みが出て来ている。
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トフルのアメリカの歴史系文章対策に買った本。聞いた事はあったけれど、よく知らないという知識が少し深まる。
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先だって読んだ中国の歴史とは打って変わって、アメリカは歴史という意味では浅いことを再認識。それでも各時代を深く掘り下げるのはやっぱり難しく、順を追って最重要項目だけを列挙するにとどまっている部分も多いとは感じた。とはいえ、かの国をサラッと俯瞰したい身からすると、丁寧にまとめられていて、素敵な内容に思えた。急成長ぶりが半端ない代わりに、というと語弊があるけど、その歴史背景~現代情勢には色んな矛盾が存在しているのですね。
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(2001.10.12読了)(2001.08.04購入)
超大国の行方
(「BOOK」データベースより)amazon
アメリカは民主主義の理念を具体的に政治に実現させた最初の国である。独立宣言の中心「すべての人間は生まれながらにして平等である」は、今なお民主主義国家の道標として輝き続けているものの、人種間の問題や戦争など、建国から2百年余、その歴史は平坦ではなく、生々しい傷がまだ癒えることなくその跡をとどめている。この超大国の光と影を、戦後深いつながりをもって歩んできた日本との関係もまじえて描く。
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2013.9.24読了。かなり寝落ちしながら読んだ。内容が面白くないわけではない。面白い。アメリカという国の成り立ちをなんとなく掴める本。引用文献が多い。そのためより深く学びたい場合、本選びに困ることは少ないと思われる。本書を読むまでは漠然とアメリカは「強い」国だというイメージを持っていた。「強い」というのは、富裕層が多く、財政的に豊かで軍事力も強いという意味だ。そんなイメージが壊れただけでも読む価値はあった。アメリカは色々な面で複雑な構造を持っていることをなんとなくでも知ることができたので良かった。参考文献にも手を伸ばし、もっと知識を深めたい。再読必須。
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今、この本を読もうと思ったのは、中国にいるからこそ、もうひとつの超大国であるアメリカを知りたいと思ったからだ。
私たちは、本当に世界の歴史を理解しているのだろうか。
アメリカの建国は、日本の江戸時代、中国の清の時代だ、それが瞬く間に世界のトップリーダー、派遣国になったのだ。
他方で、マニフェストディスティニーに代表されるネイティブアメリカの迫害、人種差別といった問題は、自由と民主主義の国といえども、それには限られた人の範囲ということを改めて明確に感じることができた。
一番面白かったのは、欧米人の入植から1900年代までの建国当初の話かな。
中国の人は、アメリカの歴史をどのように感じるのだろうか。
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アメリカの歴史を概括的に知りたいと思って購入。本書は著者の経験や主観が色濃く、これもアメリカ史だと理解はできるが、目的を達することはできなかった。これもアメリカ史だと理解はできるが
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教科書的な網羅性があるのかはわからないが、読み物として、ざっと読める。
アメリカという国が、ネイティブアメリカン、黒人、日系人と、常に人種間の争い(というか差別)と直面してきた国だ、ということが理解できた。
(108)
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2019年1月に読了。
以前に読んだ、岩波ジュニア新書の「世界史読書案内」で勧められていたので、読んでみました。大正解。もう、面白くて面白くて。
猿谷さんという方の語り口や、考え方、感じ方が、僕はとても好きでした。
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(本文より)独立戦争の頃にはイギリスの船の2/3をニューイングランドの造船業者が作っていた。
●それは、独立しちゃうよなあ、と思いました。
(本文より)
(フランクリンについて)独立革命中に彼がイギリスやフランスを相手に展開した外交のテクニックは、実に巧妙を極めたものだった。上手というような生易しいものではなく、もうずるいと言ったほうが近い。
●この話は読んでみたい。
(本文より)
(フランクリンについて)彼はとりすまして道徳ばかり説く人間ではない。たくさん書いた小品のなかには、「情婦の選択に関する若者への助言」などがあり、若い娘より年増女を、とすすめ、その理由を詳しくのべたりしているのである。
●この話も読んでみたい(笑)。
(本文より)
建前と実際との間のギャップの大きさに驚かずにはいられないが、白人のなかにもその矛盾に気がついて、鋭い批判をした人がいる。フランクリンは一七八六年に、フランスの友人にあてた手紙のなかで、こう書いているのだ。「インディアンと白人との間で戦われた戦争のほとんど全部は、白人がインディアンに対して何らかの不正を行なったことから始まったものなのです」
●フランクリンさん、好きになりそう。
(本文より)
ジェファソンの眼は生活感覚の奥底に迫っている。次にあげるのは彼のもっとも重要な著作、『ヴァジニア覚え書』のなかの一節である。「親が奴隷に対して荒れ狂うと、子供はそれを眺めて怒りの表情にかぶれ、奴隷の子供たちに対して同じような態度をとり、人間のもつもっともいまわしい感情の赴くままに任せてしまうのである。こうして子供は、いわば暴虐のなかで育まれ、教育され、毎日それを訓練されているのであるから、当然いやらしい特徴を身につけないわけにはいかないのである。このような環境のなかでも自己の習慣や徳性を堕落させずにもちつづけられる人間がいたら、それはまさしく驚異的な存在といわねばなるまい。一体、このように市民の半分が残りの半分の市民の権利を踏みつけるようなことを許容して、前者を専制君主に仕立てあげ、後者をその敵にまわすようにさせ、さらに前者の道徳を破壊し、後者の愛国心をも破壊してしまうようなことをする政治家には、いかなる呪いを負わせるべきであろうか。……
●現在の日本でも。なんの理性的な根拠もなく、中国や韓国の人を悪く言う親の姿、大人たちの姿を見て育った子は…。
(本文より)
(学生運動について) こうして全米に大学紛争が燃え上がる。少し遅れて日本でも大学紛争が始まるが、アメリカの場合の方が日本より多面的な要素をもっていた。第一アメリカの学生は徴兵によってベトナムへ送られるという現実の可能性が目にみえて高かったのだ。
●納得。
��本文より)
もう一度、サイデル博士の言葉をあげておきたい。「最近私たちは、世界史上最も強固な軍事力を目のあたりにしてきた。一九八一年に約千六百億ドル、一九八七年に約三千億ドルの軍事費を支出した。この額は、七年間で一兆六千億ドルに達し、──かりに一日百万ドルをキリスト生誕の日から使ったとしても、その総額は過去七年間の軍事費のわずか半額にも満たないのである」
●それだけの額を、軍事産業が稼いだということになります。軍事産業が政治に影響を及ぼさないわけが、ありません。国際的にも。
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まあ、1991年初版ですから、歴史観がどうしても左かがっているというか、弱者の抵抗史観なのは仕方がないですね。歴史書というより、著者の歴史ノートであり、読みやすい文章ではありました。
良書ではあるのですが、さすがにちょっと「賞味期限切れ」が近いかな…
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移民の国、アメリカ。さまざまな人種で成り立っている。独立戦争で建国したのに、今度は自らの国を南北に分けて戦争。主義主張の方法に戦争があるということは恐ろしい。戦争後も人種差別は日常的であった。黒人の社会的立場は現在でも問題となっている。日本との戦争後はなぜか蜜月な関係であるところがまた不思議である。日本人もアメリカ文化は好きである。ちょっとしたすれ違いで中国や北朝鮮と戦争にならなければ良いが、、、。