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「括弧運お授業を妨害する,なんて,ジェットコースターと一緒だぜ」(鷹)
「解法と解答のある試験問題は貴重な存在なんだ。答えを教えてもらえるなんて,滅多にないことだ。だから,試験にはせいぜい,楽しく取り組むべきだ」(悟)
「俺は何度も何度も失敗した。打ちのめされた。それが,俺の成功した理由だ」(マイケルジョーダン)
「自分に直接関係がないことに興味を抱くのは人間の特技だ」とは悟の言葉だ。そしてその悟によれば,「自分とは関係のない出来事にくよくよ思い悩むのが人間だ」とはサン=テグジュペリの言葉らしい
「女性と会うために必要なのは,名前と電話番号どっちだ?」(葵)
「今の政治家もどちらかにこだわるんだ。戦を始めるか,もしくは,法律を作るか。歴史に残るのはそのどちらかだと知ってるんだ。地味な人助けはよっぽどのことでないと,歴史に残らない」(悟)
「試験で良い点数が取れるのと,頭の良さは一致しない。ただ,まったく別物でもない。物事の本質をぱっとつかむのは本当に大事なことで,それは試験問題を解くのと似ているかもしれない。一方で,試験は苦手でも頭がいい人間もたくさんいるけどな。…まあ,まずは発想力というか,柔軟な考えができる人だろうな。人間ってのは,抽象的な問題が苦手なんだ。…そこで逃げずに,自分に分かるように問題を受け入れて,大雑把にでも解読しようとするのは大事なことだ。…抽象的な問いかけに対して,自分の知っている数字で,答えを導き出すんだ。そして,あとは気配りとユーモアが重要だ」(悟)
「たとえば,あるとき,世界中の誰もが,自分の子どもに対して『他人を苛めるくらいなら,苛められる側に立ちなさい』と教えることができたなら,今の世の中の陰鬱な問題はずいぶん解決できる気がするんだ。」(悟)
「落ち着いてる?」鷹が顔をしかめた。「俺たちが?」と勲が苦笑し,「大慌てだよ」と葵も表情を崩した。「やれることをやるしかない」悟がはっきりと言い切った。「それでどうにもならなかったとしても,大丈夫だ。俺たちで,おまえて鱒二は守ってやるよ」勲の声は,由紀夫を,口の中のバターロールごと包むようでもあった。「父親が四人もいて,息子を守れなかった,なんて洒落にならねえからな」鷹が,鼻をこすりつつ,言う。
まだ第1期の作品が残ってたとは知らず。言われて読んでみれば,少し昔っぽい雰囲気。★5とはいかなかったが,休日にゆっくり楽しんだ。気に入った名言はやはり悟が多かったけど,四人とも,そして由紀夫も多恵子も鱒二も,富田林も,みんな伊坂らしいキャラで,楽しかった。
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特徴的な4人の父親たちは「陽気なギャング」の再来のようであった。
それぞれに個性を放つ父親は自分の父親を要素分解したようにも思えた。
例えば、悟4:勲2:葵1:鷹3というように。
ストーリーが進行していくなかで由紀夫自身の考え方に変化が起きているのがわかる。
父親たちとの関係性が永遠でないこと、自分は学校や親に守られて生きていけていること。
それらは読者である私にも投げかけられ考えさせられるものであった。
ページ数のボリュームに比べストーリーの中で日は経っていない。
それだけ凝縮した話であり続編も期待できる。
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個性あふれる4人の父親のいいところどりをした子が主人公。映像化のキャストに不安を覚えるが、本のほうは何度も読みたくなる。こういうのをエンターテイメントというのだろう。
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読み始めてしばらくは登場人物が多くて、把握するのに苦労しました。が、読み進めていくほどに登場人物全員がキャラ立ちしてて、楽しく読めました。
最後数十ページで全てのエピソードがつながる伊坂ワールド、最高でした。
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父親が4人いる、という設定に惹かれて手に取った。
ギャンブル好き、女好き、学校教師、大学教授と、性格がバラバラな父親たちどけど、息子を愛する気持ちはみな同じ。
息子がピンチの時には必ず4人で助けにくる。
テレビのクイズ番組生放送を使って息子を助けようとするシーン、大好き。
むちゃくちゃだけどかっこいい父親たちです!
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4人の父親がそれぞれに魅力的で主人公がうらやましくなってしまった。久々に読み終えるのが寂しい本に出会った気がする。
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2013年06月 08/34
安定の伊坂クオリティ。キャラクターがリズムよいし、新聞連載?だったのか、ちょこちょこと山があって、サクサク読めます。
母、すごい。現実的な問題の棚にあげ方も好きでした。
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あえて言うなら陽気なギャング系か。
明るく楽しい伊坂作品。
シリーズ化もできそうな。
でも最後の伏線の回収が今ひとつ気持ちよくなかったなあ。
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軽快なテンポの会話、機知に富んだセリフの数々、散りばめられた伏線の有機的なつながり。伊坂幸太郎さんの小説には夢中にならざるを得ない要素がたくさんあります。この「オー!ファーザー」も決して例外ではありません。伊坂ワールド全開でした。
父親が4人いるという高校生、由紀夫が主人公の物語。クライマックスでは、大きな事件に巻き込まれた由紀夫を4人の父親が救い出します。
結局、何故父親が4人もいるのかということはわからないのですが… (そこも良さなのですが)大学教授、ギャンブラー、元ホスト、中学教師と4者4様の職業と性格をもった父親たちの息子に対するアプローチもそれぞれ特徴があって、そのすべてが由紀夫にすんなり浸透していく様はとても面白い。息子のピンチに必ず現れるんです。ゴレンジャーならぬ、ヨンレンジャー。
ただ4人の共通点は息子を単純に愛する、オジサンであるということ。そこにかいまみえる「普通のオジサンらしさ」「滑稽さ」がある意味、不思議な設定をどこかに存在しているストーリーかのように見せている気もします。
物語の中に散りばめられている伏線、クライマックスにおけるその伏線のつながりを書評の中で書き記してしまうのは、個人的に野暮だと思うのでしませんが… どこにでもいるような高校生、息子を愛するオヤジたちが政治絡みの巨大な悪に立ち向かっていくストーリー。ワクワク、ドキドキのちほっこり。必見です。
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伊坂幸太郎さんの文庫版!
ほんとにこの人の仕掛けはおもしろいですね!一気に読んでしまいます。
読みながら、何でだろう何でだろう?って考えながら読むのでラストが気になって仕方がない…
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1人の高校生と4人の父親。
突飛な設定だけれども、どこか楽しい。おもしろい。
伊坂さんらしい作品だと思えた。
1人の女性に4人も恋人がいて、しかも全員結婚して同棲しているなんて、普通なら考えられないのだけれども、彼らの仲の良い会話を眺めていると、なんてことないことなのだろう。お茶の子、さいさい。
多恵子が由紀夫の家に通いたがるのも分かる気がする。
知代さんも、きっと気持ちの良い女性なのだろう。彼女と彼らのエピソードも読んでみたいと思った。
映画は主演が岡田将生とのこと。
コメディタッチに軽く、楽しくつくり上げてもらいたい。
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父親が4人いるという突飛な設定。高校生の由紀夫が、大小さまざまな事件や出来事に巻き込まれていく話です。不登校のクラスメイトや、チンピラ騒動に巻き込まれた旧友、富田林さんなる闇社会のボス、一般人には関係なさそうな知事選・・・。細かい設定がすべて最後謎が解ける爽快感はたまりません。
なにより父親4人が素敵です。4人の父親のタイプが違えども、妻と息子への愛は合致。よくわからない結束力がなんともおもしろかったです。
ぶつ切りで読んだせいでだいぶ時間がかかってしまって・・・。
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厚めだったので少し時間がかかってしまった。とにかく4人の父親がとてもいい。途中うるっとくる箇所もあり、家族っていいな。ストーリー展開は少し微妙だけど、とにかくキャラが◎。20130705
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人生で有意義なことの大半は,無駄に見える・・・
一見無駄に見えるものにも,やがて愛着が湧く・・・
愛着が湧いたものとは,いずれ別れがやってくる・・・
ひとつひとつを大切にしたい。
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高校生の由紀夫君には、現在進行形で4人の父親がいる。
このおとうちゃんたちがね、個性的でいいんです! そして、どんな形であっても(さすがに母1、父4、子供1という家族はスゴすぎるけど)、親って親なんだなぁとしみじみと思います。父4人、一緒に暮らしているのに、みんな由紀夫のことが愛しくて大切でしょうがないんですね。
お父さん4人がいっぺんに参観日に来たら、そりゃびっくりするでしょうけど!
しょうもないことも、ちょっぴりいけないことも、真面目に目いっぱい取り組む大人って(現実はともかく)いいですねぇ。それぞれの言葉に、妙な説得力があります。それはきっと、彼らの言葉と行動にブレがないから。
事件も、冷静に思うと由紀夫君、かなりのピンチなんですが、なんだかお父ちゃんたちの愛情と結束を示すためのエピソード、としか思えなくなります。
星ひとつのマイナスは、多恵子ちゃんってキャラが好きじゃないから。あのタイプの、人の話を聞かずに押しばかり強い女子って嫌い。まあ、その多恵子のキャラが、ピンチを脱するのに役立ったわけですが。鱒二君にもイラッとするけど、あいつのダメっぷりは、たぶん由紀夫君にも責任があるから、まあしょうがないのかもしれません。いや、でもやっぱりあんな奴ダメだ。
とはいえ、とにかく楽しいお話です! そして、お父さんや由紀夫によって語られる&最後にちょっとだけ登場するお母さん。4人の夫と暮らすだけのことはある。おそらく、この作品の中では最強です。