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初の寂聴さん作品。一人で生きるのも大変な今、不倫なんて絶対できないと思いつつ、主人公の女性の心も理解できるところがあり。最後に男性との別れを実感、確信するくだりは特に響いたな。私もそんな年齢になったってことか。
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映画がこの夏に公開され、満島ひかり/小林薫/綾野剛が出演というので読んでみることに。
読めば読むほどキャストがぴったりで、とても映画公開が楽しみになりました。
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映画化されるのを知り読みました。四角関係と言う本来なら重く暗い結末が訪れるかと思いきやカラッとした読後感でした。良識ある人から見ればかなり逸脱した生活を送る彼等ではあるが、それ故、自分の気持ちに偽りなく生きて行こうとする心の葛藤がじりじり感じられる作品でした。
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上品な日本語と各人物の情景描写が丁寧。不倫を題材にしたストーリーにもかかわらず、ジメジメ鬱屈した気分にならないのが不思議なくらい。
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初寂聴さん。
あっけらかんとした雰囲気に圧倒。
時代的にはかなり厳しい目を向けられたろう・・・に。
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なんと大人っぽい小説なんだろう。登場人物は自由なようでいて人間関係の糸にずるずると絡め取られている感じがしました。
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瀬戸内寂聴って、もっと「自由な愛!(イエイ!)」みたいなかんじなのかなと思ってたので、意外と女々しいというか嫉妬と執着に満ちていて湿ったかんじなのね。
「男の人に対しての愛の量が多い」というのと「長く続いた不倫関係を自分の意思で清算した」というあたりが読みどころなのだろうけど、うーん。同族嫌悪(?)なのかもしれないけど、その裏に見える「そんな私、かっこいいっしょ?」って感じが気にかかってしまう。
もちろん共感できる感情も、あるあるのレベルではいろいろあったけど、突き抜けるようなきらめく感動はなかったかな。
比べる対象が違うかもしれないが、岡本敏子の「奇跡」のほうが全然よかった。めちゃくちゃな愛だと思うが覚悟に満ちた爽やかな風が吹いていたと思う。
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女流文学賞を受賞した「夏の終わり」を含む5編からなる連作短編集。
知子と妻子ある慎吾との関係は8年におよび、奇妙な膠着状態にあった。そこへ、かつて夫との別れの原因となった年下の涼太が現れ、慎吾との関係を捉え直す知子。
その時々で妻への連帯を感じたり、嫉妬はないと言いながら妻からの手紙に平静を失ったり、均衡を保っていそうでいながらやはり疲弊していく関係が、知子の心の機微に沿って描かれる。
作品全体の暗い淀んだ感じが、「花冷え」で少し晴れる。
なお厳密には、最後の「雉子」のみ、主人公は別の女で、同じモチーフの中で別れた娘への思いに焦点を当てた作品。
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不倫とはいえ、8年も一緒に生活していたならば、もう、それも、一つの家族みたいなもんだ・・・・・そりゃ別れるのは大変だろう。
一人の男と二人の女の関係は、女が目を瞑れさえすれば、ずーと続くんだと思った。
しかし、この女のひとに関わった人は、誰ひとり幸せにはなっていない。女としては最低。
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まるで一つの美しい風景画を見ているような読後感でした。
表題作を含む4編からなる連作短編集と、それを換骨奪胎したみたいな掌編の、全5編。
ずるずると断ち切れない不倫関係を引き摺る女性が主人公なのだけれど、
その女性の煮え切らなさ、不注意さ、(結果としての)ずるさ、(無自覚からくる)あざとさに、思わずため息が漏れてしまう。
言ってしまえば「だめんずうぉーかー」的な、救いようのない女性なのだけれど、
この艶やかな風景描写のなかで、この流麗な日本語で書かれると、それが何と美しく映えることか…。
これこそ、日本の女流作家によって書き著されてきた「あはれ」という感覚なのでしょうか。
最後の一文で思い描かれる想像の中の風景画に、すべてが昇華される思いです。
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映画の感想を。
映像は良かったし、配役もよかった。
しかし、相当疲れていたようで、途中で寝落ち。
機会があったら再度観たい。
いい映画なことは確か。
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映画化ということで、初めて瀬戸内寂聴さん読んでみた。
長く続いた不倫・・・というか4角関係?の自伝的小説。
これが書かれたのは、私が生まれる前ということで、その時代にはかなり衝撃的な内容ではないかと思うけれど、むしろ今、こんな風な不倫が成り立つかといえば成り立たないよなーと思う。
だけど、時代が変わっても、人が持つ嫉妬やドロドロとした愛憎の気持ちは、変わらないもの。
その描写は、妙に共感できた。
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瀬戸内寂聴の私小説が映画化された作品。
夫と娘を捨てて、若い男、涼太と駆け落ちした知子。
しかし男との生活は半年ももたず、酒場で働くようになった知子は涼太と別れ、その酒場で売れない小説家、慎吾に出会う。
慎吾は既婚者だったが、知子の家と自宅を行き来し、半同棲状態に。
そのうち知子の家は仕事場となり、妻からも用事の電話などがかかってくるようになる。
そんな生活を8年続けた頃、知子は再び涼太と出会って・・・。
というのが大まかなストーリー。
ダメ男の綾野剛を見たい!という理由でしたが、満島ひかりさんは情念が似合う、とても素敵な女優さんでした。
映画そのものは、時系列が分かりにくくて、淡々としてる感じ。
私の中のハイライト↓
・涼太と再び出会い、涼太とも関係を持ってしまった知子に、涼太が「慎吾の妻に嫉妬しないのか」と聞くが、知子は「慎吾には恋をしていないから嫉妬していない」と答える。
涼太「じゃあ何で別れないんだ?」
知子「あの人を愛してるのね」
涼太「じゃあ俺はいったいなんなんだよ!」
知子「・・・言わせないでよ。憐憫よ!」
・最初の結婚相手と娘と一緒に歩いていて、「好きな人がいるんです、ごめんなさい」と謝る知子。そんな知子をビンタして、冷たい顔で「・・・女のくせに」と吐き捨てる夫。そんな夫の背中に、「だって好きなんだもの・・・好きなのよ!」と言って地団駄を踏む知子。
・涼太に、慎吾が妻と別れない理由を話す知子。
「習慣は愛情よりも強いのよ。8年間の習慣があるから、あの人は奥さんとは離婚できない」
思っていたよりも、三角関係への苦悩は少なかった気がする。
でも、こういう「あらがえない何か」というのは人間の業で、こういうことがあるから人生は素敵なのだ、と思えました。
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数年前、中島みゆきさんの「命のリレー」を主題歌にしたドラマで、寂聴さんの半生を知ってびっくりしました。今の寂聴さんから出る言葉が心を打つのは、苦しんで苦しみぬいたからこそなんだな、と初めて分かった気がしました。
この本はその瀬戸内寂聴さんの原点だと知って読み始めました。とても心に響きました。
私も寂聴さんみたいなおばあちゃんになりたいな。
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瀬戸内寂聴さんの小説は若い時にも読んだことあるけど、やっぱり難しいです。
結局は知子と慎吾は離れられないって言うより一緒にいるのが日常なんやね。
独特の世界観でした。