投稿元:
レビューを見る
中学3年のノゾミちゃん(料理男子)が主人公。お蔦さん(おばあちゃん)と二人暮らし。安心して読めるミステリー、ふりがな無いけど中学生でも読めそう。
投稿元:
レビューを見る
ゴメスのような強烈なインパクトはないけれど、おもしろい、小気味よい・・・だけでなく、”粋”を感じられるところがお気に入り。
投稿元:
レビューを見る
元女優であり,元芸者である粋な「お蔦さん」という老女を探偵役に据えた連作ミステリ短篇集。狂言回し的な位置付けで,中学生の滝本望という少年が用意されている。物語の舞台は,東京の神楽坂。望の両親が,父の仕事の都合で北海道に転勤しており,神楽坂には望と祖母であるお蔦さんが残っているという設定である。
滝本家は,代々男性が料理をするという家柄であり,中学生でありながら望は,かなりの料理の腕前であるという設定。設定だけ見ると,かなり特殊な作品である。日常の謎系のミステリだが,ややブラックなテイストに仕上がっているのも特徴の一つ。個々の物語は緩やかにつながっており,滝本望が恋心をいだく石井楓という少女を巡るストーリーが展開する。ブラックなテイストは好みなのだが,個々の作品のミステリとしてのデキはそれほど高水準ではない。ミステリというより,主人公の「お蔦さん」を含む,犯罪絡みの物語を楽しむという雰囲気の作品。評価としては★3かな。個々の作品の所感は以下のとおり
○ 罪かぶりの夜
中学生が,恋愛感情を抱いている相手のために,犯罪者になろうとする話。というか,恋心を抱いている相手を利用して犯罪者にさせようとする話。ブラックなテイストの作品で読後感の悪さはなかなかのもの。
○ 蝉の赤
学園祭で展示されていた絵画が破損するという謎を解明する作品。ダミーの解決では犯人がカラス。真相は挫折していた画家が破損させたというもの。凡作。
○ 無花果の実のなるころに
振り込め詐欺がテーマの作品。孫だと思っていた人物が振り込め詐欺の犯人というなかなかブラックな読後感の作品。実は犯人はいい人だったのかも…という救いはあるが…。
○ 酸っぱい遺産
お蔦さんが,芸者時代の客の遺言により,株式を相続するという作品。相続人から相続放棄をするように言われるが…。相続をめぐる人間関係のドロドロが描かれており,やはりテイストはかなりブラック。創業者のじいさんに似た相続人を同族会社から追い出し,裸一貫から会社を興すように仕向けたという話。ミステリとしての謎は皆無だが,お蔦さんの人柄がよく描かれている良作。
○ 果てしのない嘘
滝本望が恋心をいだく石井楓という少女をめぐる話。石井楓の母が,望の同級生である小坂翠の父親と不倫をしたことがあり,小坂翠の父親を恐喝しようとしていたという話。滝本望と石井楓の父である乾蝉丸という画家が,真相を楓と翠に隠すという嘘を突き通すことを選ぶ。これもダークな話。
○ シナガワ戦争
中学生同士の喧嘩の話。全くミステリ的な要素はない。凡作。
投稿元:
レビューを見る
西條奈加さんといえば、やっぱり『金春屋ゴメス』の印象が強く。
この作品は「お蔦さんの神楽坂日記」という副題が付いていますが、元芸妓でシャキシャキのお蔦さんと、孫の中学生の少年を主人公にしたライトミステリーの短編集です。
台所に立たないお蔦さんの食事の世話ため、北海道に転勤になった両親が、料理のできる孫を残して行ったという設定で、少年の作る料理(同級生の女の子に頼まれてお菓子を作ったりもしてます)がなかなか美味しそうです。
祖母と孫の組合せが一つの特長ですが、ごくごく普通のミステリー。本文中に料理のレシピが出てくるのも、最近よく見かける傾向ですし。
西條さんはあまり読んでないのですが、いろんなタイプの作品を書く人なんですね。
投稿元:
レビューを見る
つみかぶりの夜/蝉の赤/無花果の実のなるころに/酸っぱい遺産/果てしのない嘘/シナガワ戦争
お蔦さんがホームズなら望はワトソン?祖母と孫はさらっと仲が良い。望君の料理の腕には負けます。我が家にも望君が欲しいなぁ。
投稿元:
レビューを見る
先日読んだ「秋葉原先留交番 ゆうれい付き」が面白かったので、早速別タイトルを借りてきました!
こちらも、面白かった。
滝本家はいい子育てしてるね! 男子が厨房を預かるとかさ~!!
料理ができる男子はかくじつにモテると思う。
そしてまた、望の作る料理のおいしそうなことったら・・・。
夜に小腹がすいたから焼きおにぎりを作るとか、どんなけマメやねん。
そして料理を作ることを「拵える」と、表記されていて、ますます
「おいしそう~!!」
と、思った。(*´ω`)
お蔦さんは江戸特有のきっぷのいいお祖母ちゃんで、読んでいてスカッとしました。
最近京都の話ばかり読んでいる気がするので、
「ウダウダウダウダしゃらくさい!」
みたいなノリは、なんか新鮮でした。(*´ω`)
「このやろう根性」とか。わらける。そして、憧れる。
ミステリ・・・と、いうカテゴリなのね・・・。
謎解きというよりも人情モノがメインとなると思うのだけど、血縁関係や繋がりが結構ややこしい。
「酸っぱい遺産」が、いちばん好きかな。
でも、楓のお母さんと翠のお父さんとの話は・・・。結構、重いわ。
他人の嘘や罪を、望くんが背負う必要はないと思うのになあ。
望くん、大丈夫なんかなあ・・・。
そういうところが、この子のやさしいところなんやとは思うけど、見ていて不安になるね。
きっとお蔦さんもそういう心境なんちゃうのん。いやいや、江戸っ子だけに、孫は孫、とかって、割り切れるのかな?
続編ももちろんリクエスト済みです。
ハートウォーミングと見せかけて全然そんなこともなく、表っかわには必ず裏っかわもあり、裏っかわを知ることのほうがよほど大変なのだという話ばっかり。
でも、裏っかわを知るから、憎めなくなることもある。
長く生きていれば、川底の石ころのようにカドがとれて、いろんなことが丸く流れていけるようになるのかなあ。
そんなふうに年をとりたいわ。
小難しい(笑)解説を読んだら、
「はああ、なるほどね~」
と、思った。とてもそこまで深読みできない。(*´ω`)
(2016.05.01)
投稿元:
レビューを見る
お蔦さんかっこいい。
細かい人間関係はちょっと分かりにくくて何度かページを戻しましたが…。
登場人物ほとんど善人で、それぞれの、大切な人々への想いやりが美しかったです。
墓場まで持って行く嘘、が少し重く切ない。
洋平君のカラッとした存在感が良いです。
投稿元:
レビューを見る
『九十九藤』で魅了された著者の、現代ミステリーを初読み。
元芸者でいまでも粋なお蔦さんとその孫という、ユニークな組み合わせの二人が主人公。
舞台は神楽坂。情緒あふれる街で、二人が日常の事件を解決する活躍を「僕」の一人称で語られる。
解説では、作品に対する深い洞察もあるが、ジャンルとしては、ほのぼのミステリーといっていいかも。
代々男が料理する家系ということで、「僕」の料理がそこここに綴られ、特に『熱々リンゴの蒸し焼きパイ』は、詳しくレシピがあり、料理好き食べ物好きの読者は見逃せないか。
投稿元:
レビューを見る
初めて読む作家さん。
元芸者で、神楽坂で履物店をいとなむお蔦さんと、両親の転勤と引っ越しの間、中高一貫校に通うために同居する孫の望の物語。
一世代飛ばした距離感が良い。
両親との関係はお互いになまなところもあるが、「おばあちゃん」は、押しも押されぬオトナである。
読んでいるこちらも、おばあちゃんの、とくにお蔦さんのような、世間が広く、人生の酸いも甘いも知り尽くした言葉には重みを感じるものである。
人の死なない「日常の謎」だが、『罪と人の心』がテーマになっているあたり、すぱっと犯人を逮捕して終わり、と言う爽快感がないうえに、意外に重い。
お蔦さんは、「子供だから知らせないでおく」「子供にはまだ早い」と決めつけるところがなく、少しづつ、望にも経験させた方がいいだろうというさじ加減を図っては、一緒に事件を解決し、望は成長していく。
その代わりと言っては何だが、お蔦さんは花街の人らしく自分で料理をすることがなく、孫の望が台所を預かる。
代々、男が厨房に立つ家系らしい。
人情物と青春物が絡み、面白い。
短篇集かと思いきや、複雑な糸で編まれているのだった。
罪かぶりの夜/蝉の赤/無花果の実のなるころに/酸っぱい遺産/果てしのない嘘/シナガワ戦争
表題作の前の2編は導入部といった趣。
表題作からの3編は重く、「それでいいのか?」と思ったが、最後は主人公が一段階レベルアップして、いいところに落ち着いた感あり。
そして、「さすが、お蔦さん!」と声を揚げたくなる。
投稿元:
レビューを見る
乗らない
ホームズとワトソンが、おばぁさんと中学生にかわっただけなんだが、なんか乗れない。第1話の身代わり事件が、そんなはずないだろうと思ってしまったからだろうか。
筋というか事件そのものに着目して読めば良いのかも知れないけれど、それでは本作の魅力が半減しそうだ。主人公で印象が変わるものだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
中学3年生の滝本望とその祖母、滝本津多代(通称お蔦さん)の二人が主人公で日常の事件を解決していく。
お蔦さんは元神楽坂芸者で女優、神楽坂の自宅で草履屋を営んでいるが料理が全く出来ない。望は曽祖父、祖父、父親譲りで料理が得意。滝本家では代々男が料理が得意な家系らしい。望の両親は北海道へ転勤して、今望はお蔦さんと二人暮しで料理を担当。
学校の友達や幼友達、神楽坂のご近所のお仲間、お蔦さんの顔の広さから繋がっている色々な人達、後から関係が判る謎の登場人物などが絡む六つの事件簿の物語。
独立した短編でありながら、登場人物が重複して絡んできて、どんどん引き込まれていく。続編の「いつもが消えた日」も是非読もうと思う。
投稿元:
レビューを見る
良かったねー!!
こういう、下町とか芸子さんの話好きだわー かつ日常でのミステリー!
おいしそうなご飯もいっぱい出てくるしw
1話完結でさくっと読めたのも良かった!!
投稿元:
レビューを見る
もう少しひとりひとりの
人物像の輪郭が明瞭だといいのですが。
あとは神楽坂ならではの
神楽坂だからこその空気感などが
肌で感じられたらもっといいのですが。
日常ミステリーではなく
犯罪がらみが多い割には
その事件解決までが
拙速すぎるようにも思いました。
でもノゾミちゃんが作るお料理が
読む楽しみを増幅してくれたので
物語世界に入り込むことまでは
できませんでしたがそこそこ楽しめました。
西條奈加さんの作品
もう少し読んでみようと思います。
投稿元:
レビューを見る
神楽坂に履物屋を構える、粋な元芸妓の婆ちゃんと孫の物語。
祖父母と孫の物語は、往々にして人情系のほのぼのものが多い。
本作も御多分に洩れず、心温まる。が、時代小説が多い西條氏らしく、潜む人間の精神描写が巧みだ。
罪を犯した者が罰を与えられない。そんな時、その人間はその後どういった精神状態で生きて行くことになるのか。贖罪のあり方とでも呼ぼうか。それを中学生という人間形成期の子供を使って、描いて行く。
あえて答えは出さず、読者の解釈に委ねられる。
温かな雰囲気を醸し出しつつ、散りばめられ一節一節に、普段忘れがちな本質が伺える。
良い一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
東京に引っ越して約一年、かつては想像でしかなかった神楽坂がどんな場所か知ってから読んだので、その分風景が想像できて楽しかったです。
物語もなかなか面白いので、次作も読んでみたいと思います。