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ラテンアメリカといえば?私はよく知らないので、キューバの野球、ブラジルのサッカーというような事しか思いつきませんでした。ラテンアメリカの国々は、ヨーロッパの植民地でした。キューバはスペイン、ブラジルはポルトガルに支配されていました。それはこの地域で話されている言葉からもわかります。本書はラテンアメリカの植民地化、独立を中心に描かれています。概要を知るのには良いと思います。しかし「ラテンアメリカ」か「歴史」に興味のない人には少し単調で読みにくいかもしれません。つまり授業や仕事でこの分野について勉強しなければならない人におすすめします。
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2010年3月14日読了
ラテンアメリカの歴史について、ざっくりと解説した本。広大な地域を扱っているので、一つ一つの掘り下げはそれほど深くないが、ラテンアメリカ史をざっくりと眺めるには良書。
ラテンアメリカ独自の文明とその後のスペイン・ポルトガル支配、さらにその後の各国の独立について、概略を知ることができ、ラテンアメリカの歴史のバックボーンが出来た。これを機にさらに各国史を探求していきたい。
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[ 内容 ]
かつては高度の神殿文化を生み出しながら、16世紀以来ラテン・アメリカは常に外部の世界に従属してきた。
スペイン、ポルトガルの征服と植民地支配、イギリスはじめ列強の経済的支配、アメリカの政治的影響。
独立後も独裁制から民主制へ、統制経済から自由経済へと激動が続く。
ラテン・アメリカ諸国は共通の文化的伝統を基盤に、いかに苦悩の歴史と訣別し、自立と自己表現を達成するか。
恐竜の時代から現代まで、長大なタイムスケールで描く。
[ 目次 ]
プロローグ 新世界
1 古代アメリカ人の世界
2 侵入者
3 事業家としての征服者
4 イベロアメリカの成立
5 16世紀の変動
6 成熟する植民地社会
7 反乱の世紀
8 自由な空間を求めて
9 開かれた空間における独立と従属
10 20世紀のラテン・アメリカ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ラテンアメリカの通史をものすごくざっくり書いた本。全体像をつかむのには悪くない。
●良かった点
全体像がわかる
●気になった点
ダラダラと書いてある。図とかが少なく、同時期の他の地域の出来事などを把握するのには不向き
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なかなか勉強する機会がなかったラテンアメリカの歴史をしることができました。
モンゴロイド、白人、黒人がいりまじった社会を形成し、現代社会の坩堝と化しているラテンアメリカ。
そこから、新しい文化のいぶきを嗅ぎ分けるには、歴史を知ることが手がかりになるだろう。
気候、風土、資源、ラテンアメリカをしるのに、この3要素にもっと切り込んでもらえるとうれしいかもしれない。
ラテンアメリカに対抗する文化は、中東のイスラム社会だろう。
さらに、インドと中国の4つを加えれば、BRICSのブラジル、インド、中国の3つの主要国が押さえれたことになる。
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ラテン・アメリカの歴史的ななりゆきについて、まとまった知識がなかった私には好個の本だった。この本を読めば、近世以降のヨーロッパの残虐な「世界支配」、近現代のアメリカ合衆国の狡猾な他国利用、アステカ・インカ以降の南米先住民の運命、さらにはキューバ革命の背景と意味、20世紀後半から起こったラテン・アメリカ文学の背後にあるものなどが理解できる。
先日読んだジャック・アタリ『1492』に書かれた時代よりあとに起きた事の概略を把握する上で、たいへん有益な読書になった。
とりわけピサロらスペイン人の悪逆ぶりは印象的だったが、アタリが指摘したような<大陸=歴史>としてのヨーロッパの世界支配は、ローマ法王という超国家的な権力と、キリスト教思想に支えられていたようにも思われる。
メキシコ、ペルー、ブラジル、いずれにおいても近代をとおして支配層である「純粋な白人」は全人口の1割とか、その程度の少なさだが、19世紀初め頃にはインディオは人口の半分くらいを占めていた。「最大多数の最大幸福」を唱えたベンサムは、中南米情勢に関心を持ちながらも、多数者であるインディオを無視し、支配層であるヨーロッパ出自の血筋のみを問題にしたらしい。
19世紀までのヨーロッパの「権力への意志」は、私の目から見て端的に「悪」であるが、その「悪」は20世紀にはアメリカ合衆国により継承された。
しかし「正義」などというものがどこにあるのか?
人類の生命力は善悪を超えて延々とひきつがれ、移りゆく。
インディオと白人という認識上の差異は、混血という民衆的日常の営為によって曖昧になって行き、今では中南米は「混血」がもっとも多いはずだ。イデオロギーを超え、生命は大地に花開いてゆく。
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ラテンアメリカの歴史を理解するのに最適な一冊です。
素晴らしい。
遠く恐竜の時代から始まり、20世紀までを10章かけて回想する。
コンパクトなのに内容が濃厚、しかも、文章が簡潔で分かりやすい。
星マイナス一つなのは、発行されたのが1998年で、内容が若干古いため。
最近の動向は、別途追う必要がある。
しかし、それでも、現在もラテンアメリカが抱える課題や人々に根付く様々な習慣や感情などがとてもよく理解できる。
前半の1章から5章までで、ヨーロッパ人たちが大陸にやってきて各地方を制圧した16世紀までが見渡せる。
歴史的事実なのだろうが、ややヨーロッパ人に否定的な書き方をしている印象を受けた。
確かに我々のような第三者からすると、ヨーロッパ人たちが「一神教のキリスト教を押しつけた」のだが、ラテンアメリカでは今でも「キリスト教を教えてくださった」という風潮がある。
私が見た現地の教科書では、ヨーロッパ人の「征服者」はあまり好ましく描かれていないのに、「宣教師」はかなり好意的に描かれていた。
それにしても、金(きん)の求心力って恐ろしい。
スペイン人とポルトガル人の新大陸征服の原動力となった、金銀。
命かけてまで突き進み闘う戦士たち。
ヨーロッパ本国では、金持ち以外は恵まれない生活を強いられていた時代背景もあるのかもしれない。
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1571年マニラ市を建設した・・・日本人の渡航もはじまり、17世紀はじめまでにマニラ市に人口2000の日本人町が成立していたという。
そこに中国人が渡ってきてスペイン人と商売を始めた。
絹、陶磁器、象牙細工などのためにスペイン人はメキシコから銀を輸入し始める。
ちょうどこの時期に日本人がペルーの首都リマに渡っていた証拠がある、
徳川家康はメキシコとの通商を強く望んで、20人の商人団をメキシコに派遣したことがある。
西回り、ポルトガル領経由でポルトガルやブラジルに渡った日本人がかなりいたこともわかっている。
各国とも、アメリカ合衆国の憲法にまなび、またヨーロッパのナポレオン奉天を模範としながら、法体系をつくり、いずれの国でも、主権在民、三権分立、直接選挙による大統領制、基本的人権の保障などを謳ったりっぱな憲法がさだめられた。しかし、このりっぱな法が運用される現実は、それとはまったく別世界であった。
独立直後の旧スペイン領中南米各国の政治的不安定は、交付された憲法の数の多さによく反映されている。
20世紀のラテン・アメリカの一大特徴は、それがアメリカ合衆国の完全な経済的影響下にはいった、ということである。
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アメリカに生活していると中南米の国々との関係を日々意識せざるを得ない。政治、文化等に大きな影響を及ぼしているし、その影響力は益々大きくなることは間違いない。
一方でその歴史、国の成り立ち、個々の文化等、知らないことが多いことに改めて気付かされる。
本著は中南米の歴史を古代から現代へ広く薄く解説しているもので、全体の歴史の流れを知るには参考になった。
然しながら、全体の大きな流れを重視しているが故に、個々の国の成り立ちや、そのアイデンティに関しては、物足りなさがあり、これはもう少し国別の歴史を追うしかないのだろう。
単純にスペイン、ポルトガルの旧植民地、という扱いではなく、イギリス、アメリカの影響、また、独自な文化との融合等、興味は尽きない。
以下引用~
中南米の歴史のステージ
1.アジアから渡米した民族が、南北アメリカの各地に定着して、他の文化圏からの影響をほどんどうけず、自力で国有の文化を創造した時代。
2.1492年のコロンブスの渡米にはじまり、アメリカ大陸の大部分が、スペインとポルトガルの政治支配下に入り、その強烈な影響のもとに、ラテン・アメリカ文化の形成がはじまった時代。イベリア両国は、経済的にも他国を排除して、アメリカ植民地との通交を独占しようとした。この体制は、原則的に19世紀初めまで、約300年間続いた。
3.17世紀以降、カリブ海を中心に侵入をかさね、イベリア両国の独占体制を崩そうとしてきたヨーロッパ列強、特にイギリスの勢力を背景に、ラテン・アメリカ各地で独立国が成立した19世紀はじめから現在までの時代。これは大きくわけて、イギリスの経済的支配が強かった19世紀はじめから第一次大戦までと、アメリカ合衆国の影響が決定的になったそれ以降の時代、を区別することができる。
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ラテンアメリカの歴史を、古くは古代から説明する書籍。
各テーマは新書なので簡潔だが、当然学校教育で学ぶ以上の知識と洞察の深みがあった。
近代・現代のラテンアメリカ諸国の政治について、共通点とその原因、また変化の動向を知ることができた。