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紙の本
ファラデーはどのようにして、大好きな科学への道を歩むことになったのでしょう。その魅力的な半生を描いた発明発見物語です。
2004/02/16 19:20
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投稿者:わくわくどきどき - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファラデーという科学者は、科学者の間ではとても有名ですが、一般の人々にはそんなには知られていません。しかしこの本を読むと、数々の大発見をしつづけた科学者なのがわかります。私たちは、電気がなければその日の暮らしに困る時代に生きています。大量の電気を起こしたり、その電気によって機械を動かすことができるようになったのは、実はファラデーの研究のおかげなのです。テレビやラジオ、携帯電話などで毎日のように電波を利用していますが、その電波(電磁波)の存在をはじめて予言したのもファラデーです。現代のエレクトロニクスでは、半導体というものが主役ですが、なんと半導体の存在を初めて発見したのもファラデーでした。化学分野でも大きな発見をしています。
ところで、ファラデーという人はロンドンで貧しい鍛冶屋の次男として生まれました。小学校しか出ていないのです。数学はほとんど勉強していなくて、ファラデーの書いた、たくさんの論文には数式など全く出てこないそうです。そんなファラデーですが、この本を読むと、このように数々の大発見をしつづけた科学者なのがわかります。小学校を出ると、製本職人になるために7年契約で徒弟奉公することになりました。
徒弟時代に知った科学の楽しさが忘れられないファラデーは、製本の仕事をしながらも、科学の勉強仲間をみつけ、デーヴィというすばらしい先生、大科学者にめぐりあうことができたからだとわかります。それは偶然でしょうか。偶然でしょうが、ファラデーが求めた結果ともいえます。いい先生にめぐりあえば、どのように生きれば楽しくなるか、どんなことを研究したらいいのかを知ることができます。
自らも科学者であるこの本の著者は、すぐれた科学者になるためには、いい先生につければ、その勘所がわかると考えて、ファラデーがどのようにして楽しく研究したかということを、探ろうとして生き生きと描き出しています。
本書に4人の子どもたちと、この本の著者を代弁するいたずら博士が登場して、ファラデーの気持ちや生き方や研究、発見等を読者が理解するのを助けてくれるので、楽に読みすすめられるようになっています。その点もユニークな伝記になっていると思います。巻末の年表はファラデーの研究やその時代背景を知るのにとても参考になります。『ぼくらはガリレオ』の著者です。
★★★★★
(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)
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