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紙の本
コミュニティを信じなさい!
2001/08/21 01:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:淳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
Linuxはいかにしてビジネスになったか、と題されてはいるが、他のLinux関連図書同様、話題の主旨はLinuxというよりはオープンソースあるいはフリーソフトウェア関連を対象としている。本書ではシェアウェアまで対象をひろげ、ネットワーク上に構成されるそれらのコミュニティと企業がどう付き合っていくべきか、どのような立場でコミュニティと接するとビジネスがうまく動いていくかを論じている。
本書の説によると、オープンソースなどのネット上に展開される運動のコミュニティ(以降、ここでは単にコミュニティと呼ぶ)での成果は編集価値を持つものだそうである。一方、ビジネスで重要なのは金銭価値、すなわち経済価値である。これまでの社会では、編集価値は商品の創造で産み出されていた。したがって、商品すなわち物質に価値が比例していたため、編集価値イコール経済価値であった。ところがコミュニティが重んじる編集価値の対象は情報そのものであり、編集価値と経済価値がリンクしない。
そこでビジネスをうまく立ち上げていくには、編集価値を経済価値に上手に変換する翻訳者(社)が必要となる、と結論付けている。仲介者を介して、ビジネスとコミュニティが、アライアンスを結ぶ、というわけだ。
本書では、成功例として、RedHat、VA Linux、あるいはオープンハードのモルフィー企画、WAAG、専業シェアウェア作家などを挙げている。それらをみると、確かに仰るとおり、なのだが。
ひとつ突込むとしたら、RedHat は(VA Linux も?)商業的に大きな成功を納めたといえるが、その他の例は全て小粒な成功例である。どちらかというとニッチマーケットで成功しているといえる。それを引き合いに出して、これからのビジネスはかくあるべし、というのは少し乱暴かという感想を持った。本書の主旨には賛同するし、もし自分がベンチャー企業を起こすとしたら、やはり同様の態度でコミュニティと接するだろう。
論旨はともかくとしても、とにかくいろいろな例が紹介されていたのが読んでいて楽しかった。
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