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『貴族探偵』シリーズの続編。
タイトル通り、ライバル……と言うにしてはやや頼りない、女探偵が登場する。
5篇収録されているが、最後の書き下ろし『なほあまりある』が一番面白かった。
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麻耶雄嵩の創出した「貴族探偵」は、本短編集をもって遂に21世紀の能たるを得た。極限で突き詰めた様式と、それを支える豪華なロジックの大盤振る舞いが素晴らしい。
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貴族探偵シリーズの第2弾。新キャラクターである女探偵・高徳愛香が登場し、2人の探偵による推理合戦が繰り広げられる。完璧と思われる女探偵の推理をひっくり返すアクロバティックなロジックに脱帽。お気に入りは「幣もとりあへず」と「なほあまりある」かな。
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労働なんて使用人にさせればよいのです。
がっつりネタバレご注意を。
麻耶くんがお仕事をしたというので、狩りの手を休めて読みましたとも。貴族探偵の第二弾。貴族探偵がどういう探偵であるのか、前作を読んで知っているし、その手法にも前作で驚いているのでそこ以外でどうやって話を回すのかしら、と思っておりました。
短編が五つ、貴族探偵と、師匠を亡くしひとりで頑張ってる新米女探偵さんが出てきます。事件についてはそれぞれ短編ミステリらしい感じで、推理についても結構緻密だったなとは。一度出した結論を、さらにひっくり返すっていう流れを続けて書くのもきついもんがあると思う。
二話目「色に出にけり」で被害者が占いのときにえらい動揺してたのがなんだかなーと違和感。名前を見てそんなに動揺するかね。あくまでも可能性が出てくるってだけのことじゃねぇかなって思うけど。
四つ目「幣もとりあへず」本気で理解できてない。入れ替わり? え、どういうこと? 首かしげながら読んで、あとでざっと確認してみたけどやっぱり分からなかった。読解力に自信をなくした。
女探偵さんがことあるごとに引き合いに出す、亡き師の言葉がそれはもう人格者で、探偵の鏡のようなひとだったみたいで、なんもしない髭の貴族探偵と良い対比になってますね。髭、くそだね。個人的には依子お嬢様とメイドの田中さんがとても好みです。
あとラスト、五つ目「なほあまりある」な。ほんと、そうくるか、って思ったね。ミステリ的なトリックもすんなり読めてこれが一番きれいにまとまってる気はした。四つとも女探偵さんが完敗してて、貴族探偵がそんなに好まれる性格でもないから、読者的にも彼女に肩入れするんだよ。せめて最後くらいは、と思いながら読む。でも麻耶くんだし、最後まで後味悪く、むしろ一番ひどい敗北を味あわせるんじゃねぇかと用心しながら読むわけだ。
で、今回の女探偵さんの推理はとても理路整然としていて、感情に振り回されている様子もなく、また未完成の部分もない、いけるんじゃないかこれは、勝てるんじゃないか、と期待を膨らまさせ、ようやく勝てたぜ! と喜んだところでこのオチ。ひどい。あんまりだ。さすが麻耶雄嵩。すばらしい。
抜粋、その五話目より。
「ええ、警備関係を」
嘘は吐いていないはずだ。
「へえ、素晴らしいのね。社員の方って目から光線とか出すんでしょ」
(´・ω`・)。oO(……ALS●K……?)
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「貴族探偵」を名乗る謎の男が活躍する、本格ミステリーシリーズ第2弾!
今回は新米女探偵・高徳愛香が、すべてにおいて型破りな「貴族探偵」と対決! 期待を裏切らない傑作トリックの5編収録。
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シリーズ化されたのか、と思ったら、今回は女探偵との対決である。高名だった師匠亡き後を引き継いで探偵をしている高徳愛香が主に推理を繰り広げているので、一見彼女が主役のように見えるのだが、最後の最後に(使用人が)見事な推理を披露して逆転するという趣向である。一作目よりも貴族探偵の態度が鼻につく気がするのは、愛香を弄んで愉しんでいるように見えなくもないからだろうか。前作よりもスマートさに欠けるようには思われる。愛香の推理もいいところまで行くのだが、まだまだ詰めが甘く、いいところをことごとく貴族探偵に持って行かれてしまうのが可哀想でもある。彼女が精進して、師匠を超えるのを見たいので、次回作からも出て来てくれると嬉しい。次も愉しみなシリーズである。
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まあまあかな、と思っていたら『なほあまりある』に全て持って行かれた。
今回は共犯がテーマらしいけど、証拠が証拠じゃない、というか証拠が物事を断定できないケースも多かったような。
一編ずつの感想。
『白きを見れば』
整然としているんだけど何処かもやもや感が残るのは何故なのか。
個人的にはてっきり雷音=井戸の蓋を開けた音だと思っていた。悔しい。
『色に出でにけり』
示津子って片腕骨折している筈なのにタオルを結べるのか…?
自分の読み違えであって欲しいけれども。多分読み違えだけれども。
『むべ山風を』
一つのパーツが見つかれば後は芋掘り体験。
『幣もとりあへず』
『こうもり』が更にややこしくなってる。登場人物との意思疎通が取れない!何にせよ女探偵さんの推理はこじつけすぎて何を言っているのかよく判らない。
『なほあまりある』
今回の総括。言うこと無いですねえ面白いですねえ、前四編は全部この話の為にあったと言われても納得する。にしても凝ってるなあ。「私の所有物」ににやっとした。上手い。
余談だけど麻耶たんって良い人キャラとか可愛いキャラをよくいたぶる気がするんだ。あと比喩表現が独特。「プレパラートを貼り付けたような頬の強張り」とは一体www
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寡作ながら、どえらいインパクトを作品ごとに残す筆者だが、刊行ペースが速くなったかと思ったら、こういった流した作品も出てくるようになった。5.0
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さすが麻耶雄嵩。 貴族探偵シリーズ第二弾で、女探偵の登場とミステリとしても考えられた作品ですね。 ベストは弊もとりあへずかな。 短い短編で、久々にラストの驚きがあり、満足。
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召使が推理、貴族が解決。
新米女探偵が貴族探偵に挑む、ディテクティブ・ミステリーの傑作。
ミステリ :☆
ストーリー :☆
人物 :☆
読みやすさ:☆
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今回は推理合戦的趣向が強いんで、前作における「こうもり」レベルの怪作は難しいのかなあと途中まで読んでいて思ったのだが、やっぱりありました「幣もとりあへず」! このラインを攻めさせたら、本当にえげつないことをやってのけちゃうよねこの人ってば……。「アンフェアなのでは?」と突っ込めば、「いやいやどこが? 地の文に嘘偽りは一切ないだろう。意図的な隠蔽や言い回しは、そもそもミステリ自体が孕む問題であって云々」という髭探偵の能書きが聞こえてきそうだ。書き下ろしの「なほあまりある」も、納得のラストが微笑ましい佳作。
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主人公の貴族探偵のキャラには、まだ愛着がわかなぃけど、
新キャラの女探偵の設定は、これはこれでよかったと思ぅ。
使用人のキャラを抑えていた分、活きたキャラでした…。
前作は、ライトミステリーとしてはお話の凹凸も少なく、
だらけた展開で、短編ぐらぃでちょうどよかったけど…、
女探偵の登場で、多少は凹凸感も出てよくなってきたか。
でも…、
短編5作のうち、最初の4作のパターンが同じってとこは、
まだ、女探偵をうまく使えていなぃよぅな…。勿体無ぃ…。
まぁ、もともと前作でも、
メインキャラクターをうまく使いこなせていなぃ上に…、
サブキャラクターを使い捨てにしていた感じだけどね…。
本作でやってみた、貴族探偵と女探偵のキャラ相関は…、
流行りのドS×Mコンビに通ずるところはあるけれど…、
まだ、それぞれのキャラを活かし切れてはいなぃかな~。
次回作が、このシリーズの正念場かもしれなぃ…。
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貴族は労働などしない、推理は召使いにさせればよいのだ、というぶっ飛んだキャラクタの貴族探偵第2弾。
今回は新米の女探偵が登場し、何度も事件現場で貴族探偵と遭遇して対決する羽目になる。
探偵という職業に真摯で自ら捜査し推理する女探偵は、女性を口説いたり紅茶を飲んでいるだけの貴族探偵に勝てるのか。前作にも増して「探偵とは何ぞや」と考えさせられる。
ベストはやはり最後の捻りがきいた「なほあまりある」。
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貴族探偵vs闇雲さんかと思ったのですが、どうやらあの人の弟子らしいのですヽ(〃Д〃)ノ
きっと、あの人なのですよね……
どうしてこう、探偵殺すのが好きなのでしょうヽ(〃Д〃)ノむきー!
麻耶はやっぱり長編読みたいのですよヽ(〃Д〃)ノむきー!!1
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今作の主人公・高徳愛香が事件を推理し、前作「貴族探偵」の探偵役?であった髭の探偵がそれをひっくり返す、いわゆる多重推理を重視した趣向の連作短編。
問題作呼ばわりされるであろう「幣もとりあへず」と、ラストの「なほあまりある」がやはり面白く感じた。
多重推理が作品作りのベースにあるので、女探偵が推理に失敗するための過程に苦心したのだろうけれども強引に感じた点もある。
「なほあまりある」でそれまでの4作でちりばめられたヒントが拾い上げられて解決につながる所はお見事。
そこからのオチも含めて女探偵お疲れ様と労いを入れたくもなる。
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「白きを見れば」
「色に出でにけり」
「むべ山風を」
「幣もとりあえず」
「なほあまりある」
女探偵を主役に、趣向を凝らした短編集。
「白きを見れば」
一番スッキリと反転が決まっている。
「幣もとりあえず」
さすがに上手いと思った。