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恩田陸のホラー連作短篇集。ある村の小高い丘に建つ一軒の家をめぐる物語です。この家が呪われているのか、呪われた人々が住むのか分かりませんが、この家に住んだ歴代の住人の不可思議な体験が綴られています。一つ一つのお話は独立しているのですが、本作を通して読むと短編がパズルのピースのように組み合わさって大きな一つのお話を形作っています。それぞれの話が一つにつながった時の納得感は爽快です。また、不気味な話や血なまぐさい話がありますが、全体的にさらっとしているのでホラーが苦手な人でも読めると思います。
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最近の恩田陸の中では何があったのかきちんとわかるという稀有な小説。
なんだかわからん不安感が彼女の売りだが、これはよくわかる。
読みやすい。
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なにこれ?怖い本、ちょっとおサレな感じに仕立てました的な。。。こんなに眠たいホラーは初かも。
よく世に送り出せたなって言ったら言い過ぎか……、まぁ合いませんでした。
女性作家のホラーは読むの自粛した方が良さそうね。
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暑くなってきたのでホラーを…と思って読みました。
恩田さんの著書は初ですが、読みやすいし面白かったです。
連作短篇集なので、話がつながってて『あーこれが前の話で出てきたやつかぁ』と思いながら読めるのが良かったです。
ホラーとはいえ、そこまでがっつり怖いというわけではなく、背筋がすっとする程度だと思うのでちょっとホラー苦手な人でも読みやすいと思います。
結局本当に幽霊よりも人の所業の方が怖かったし。
全体的に淡々とした清々しい気持ちになる文章なので読後感はすっきり。
私は
『私は風の音に耳を澄ます』
『僕の可愛いお気に入り』
『奴らは夜に這ってくる』
が特に好きです。
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一つのお屋敷で起きた話を、時間を超えて、そこにいた人たちを語り手に、時にはおどろおどろしく、時にはファンタジックに、時にはノスタルジックに物語は進行する。あー、あの話は実はこんなだったのかー、なんて別の話でわかる仕掛け。良くできた一連の物語だ。
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恩田陸が「お屋敷もの」の集大成と自ら語るホラー連作短編。
タイトルも表紙もちょっと不気味でとても魅力的で即買い。
おとぎ話のようでいてばっちり鳥肌の立つホラー。とても面白かった。
「ようこそお入り下さい。最も恐ろしい幽霊屋敷へ」
という帯の煽り文句に導かれるように、ギィーーー…とお屋敷の扉を開ける様な気持ちでペラリとページをめくる。
丘の上に立つ、古いけれどよく手入れをされたこじんまりとした家、穏やかな情景。そこに住む女流作家のもとに、本物の幽霊屋敷を探しているという男が訪ねてきているところから物語は始まる。
過去には何やら凄惨な事件がいくつも起こったいわくつきの家らしい。
男が語る数々の事件を聞き流しながら、女流作家は冬のカーテンを縫うことや、夕食にタラのシチューを作ること、甘い果物を煮詰めてジャムを作る楽しさなんかに思いを馳せている。
男も不気味だが、のんびりとそんな事ばかり考えている作家も少しおかしい。そして男は退場する。
物語は一旦女流作家の視点から離れ、その家に関わった人たちの視点に移る。
主人に食べさせるために料理女に殺された少女、屋敷に囚われた幽霊屋敷マニアたち、アップルパイを焼きながら殺し合う姉妹、老人をオーブンで焼き殺す美しい少年、這うもの、ここに家を建て死んだ夫婦。
随所で見られる、おぞましい事件の描写と、細やかで愛おしい日常風景の描写の対比がなんとも不気味。
じわりと恐怖が忍び寄るような描写はさすが。
家の修理のために呼ばれた大工と幽霊たちとの交流は、ほっこりした。
なんだ、興味本位だったり悪意を持っていたりしなければ、悪さはしないのね。
そう思ったのも束の間で、再び女流作家の視点になる「私の家へようこそ」の章ではこの日一番の鳥肌がたつ恐怖。特に最後の5行。
お屋敷、殺人、ミステリ、お料理、思い出、郷愁、デジャ・ビュ。
これでもかと詰め込まれた恩田陸節で大満足でした。お邪魔しました。
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長女に貸そうと思ったが一人暮らしなのでやめた。三女に貸そうと思ったが一人暮らし予定だからやめた(笑)
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こういうホラー系は決して嫌いではないです。「俺と彼らと彼女たち」は痛快な味わいがあって、今までの気味悪さが晴れました。そして「ようこそ私の家へ」に繋がっていくのもいいですね。ただ、「我々は失敗しつつある」は、どういう話なのか理解できなかったです・・・。
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お化け屋敷を舞台に展開される短編群。
それぞれは透明で不思議な雰囲気を醸し出している。
と、同時に他の物語としっかりと繋がっており、読者のページをめくる手を進めさせる。
幽霊に対する仄かな主張も読者の日常のふとした瞬間に影響を与えそう。
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アップルパイを焼きながらジャガイモの皮をむいているうちに、お互いを刺しあって殺してしまった姉妹の住んでいた屋敷。幽霊屋敷だという噂の屋敷を核とした連作ホラー短編集。
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恩田陸ワールド全開。
恩田陸の話は基本的にオチがちょっと雑に感じるものが多い(扱っている題材に対し結末が現実的すぎる気がしてしまう)のだが、今回の幽霊屋敷では「今」と「昔」の伝聞と真実がうまく混じり合い絶妙なテイストで仕上がっていた。
個人的には、幽霊屋敷が舞台なのに、そっちよりも親方の仕事に対する考え方にとても感銘を受けてしまった。
親方の言っていた「生きている人間が1番怖い」というのはとても納得。
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昼下がりのキッチンのような雰囲気が全体的に漂う童話のようなホラー。
でもきっちりヒヤッ、ぞぞぞとさせられます。
時系列をたくみに操った短編集になっており、読み終わった後に時間の流れを整理するためにもう一度読みたくなりました。
恩田ワールドをいっぱいにつめこんだ作品だと思います。
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おもしろかった・・・
いわゆる幽霊屋敷が題材ですが、ホラーも目線を変えるとこんな物語になるなんて。
恩田陸さんらしいスッと背中が冷えるような怖さと、それと同じくらいの愛を感じるお話集。
おきにいりです。
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恩田陸の私の家では何も起こらないを読みました。
丘の上の幽霊屋敷をテーマにしたホラー小説でした。
プロットはそこそこ面白いと思いましたが、イマイチ物語に入り込めませんでした。
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ユージニアと同じで基本的には、章ごと一人の人間の語りによって構成されていた。
あらすじに出てきたキッチンで殺された姉妹の話以外ではそういう構成がされていて、非常に単純で読み進めやすいです。
時系列はバラバラですが恩田さん特有の煙に巻いたような終わり方ではなく、答えを導き出すのに必要な模範解答用の文言は出てきているので、この家で何が起こり、現在はどうなっているのかが分かりやすい。
反面、恩田さんらしい濁した作風に惹かれて読んでいる人には余韻が少なくつまらないのかもしれない。
個人的に大工の話は面白かったですね。気味が悪いだけだった作中の幽霊が好意的に思えてしまった。
幽霊も怖いばかりじゃないって事でしょうか。