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現代において「テロ」と呼ばれる行為の成立過程やその方法の変遷など、テロについて非常に詳しく解説している。中身の濃さはなかなかだったと感じた。
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[ 内容 ]
国際社会への暴力的な示威・脅迫行為である現代テロは、一九六八年のイスラエル航空機ハイジャック事件によって幕を開けた。
冷戦時代は東西の代理戦争的側面を持っていたテロだが、冷戦終結後、かえって規模が拡大し、手段も過激化している。
一般市民を巻き込む非常識的な方法で世界観の対立を表現してきたテロ。
その事例から学べることは何か。
現実のものとなりつつあるメガデス・テロを防ぐための要点を示す。
年表つき。
[ 目次 ]
序章 「目的なきテロ」の時代
第1章 テロとは何か
第2章 現代テロの始まり―一九六八年
第3章 現代テロの衰退
第4章 イスラム・テロの勃興
第5章 冷戦後のテロ―ポストモダン・テロの登場
第6章 二一世紀のテロ
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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テロ。
安全と言われている日本に住んでる私にとって他人事にしか感じられない分野だったが、これを読んで色々考えることがあった。
宗教に関わるテロや自爆テロなど、無宗教の私には理解出来ないことも、宗教が宗教ならそれが正当化される。自分にとって当たり前のことでも違う地域の人にとってはありえないこと。
異なる世界観を持つ者が同じ世界に住んでるってよく考えれば危険だよね。これだけグローバル化が進んでたら、いつ紛争やテロが起きてもおかしくない。
「どんな理由があろうとも、人を殺してはいけない」
これも日本人的な考え方なのかな~。。。
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テロが起きる「理由」と、(結局よく分からない、というものも含めて)
その歴史的変遷について。
技術との相互作用、不可逆性。
もしかしたら社会は自然より複雑かもしれない。
よくわからないものはわからない、と。いう点で。
検証することができないことがとても多い。
自然が社会を包含するのかもしれないものの。
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2000年以降、9.11以降、あまり聞かない。現代ではテロの目的が、明瞭ではなくなっている。政権に対するものか、人民に対してのものか。そしてテロ行為で国家を消滅させようとしても、米国はつぶれない。むしろ国際協力により、テロを排除するために、体制が強くなる結果となった。RMA(軍事テロ)の定義は難しく。テロが起きたときに、政権交代をする場合、国家を作る手段であったり(イスラム諸国)や植民地から開放独立(インドシナ)。
原題のテロの発生は、ハイジャックから始まる。学生運動を巻き込み、過激派も登場し、世界規模となる。
日本人、日本の組織が関与した。記念碑的事件。
1外国でのハイジャックテロの元祖
2カミカゼテロ(自殺テロ)の創始者(日本赤軍)
現在、赤軍派は解散している。共産主義国家の消滅により、左翼テロも衰退する。テロが過激となるのは、映像メディアを通じて効果的な伝道ができるから。
21世紀のテロの恐怖
ABCとは 核(原子力)テロ、生物テロ、化学テロ、サイバーテロ
原爆
ガンバレル型(広島)爆縮型(長崎)
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出版されてから10年以上が経過しているわけで、サイバーテロの記載などは、もはや隔世の感があるのは否めない。でもそれはあくまで瑣末な問題で、本書の存在意義を貶めるものでは全くない。一気にテロが認識されることになる、最大のインパクトとなった9.11を軸に、そこに至るまでのテロの歴史と変遷が、その意識の変容と合い照らされながら綴られていく。正直、ここに書かれている代表的な事件でさえ、知らないものが大半だったけど、そんな無知の状態からでも、テロの何たるかがおぼろげながら見えてくる内容だった。新書ってこうじゃなくちゃ、って感じでした。
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◆もしもテロリストが核廃棄物を武器にして自爆攻撃を仕掛けてきたら…。イスラム・中東地域を中心に、世界各地で蔓延する戦後テロ活動の実像を開陳する◆
2002年刊。
著者は桜美林大学国際学部教授(国際政治、紛争・平和研究)。
テロ。これは判断者の思想や立場、宗教観の差異から一義的定義は困難ではある。
しかし一先ず、1968年を現代テロの起点に。79年イラン革命と、85年ゴルバチョフ政権誕生とを画期と捉え、現代的テロの実像を紹介していく。
ただし、何故テロが起きるのかという要因論には余り踏み込まず、具体的事件の概要を広く浅く列挙するに止まる。
当然ながら、イスラム圏、アラブ圏での、そしてイスラムによるテロ活動が叙述の中心になっている。その意味で中東現代史に詳しい人は、読み飛ばす部分が多くなりそうだ。
ただし、イスラム内対立も広く指摘しているので、本書自体は、反米テロリズム一辺倒で叙述しているわけではない。つまり、9.11に縛られがちな我々の視点の不正確さを正す上で、意味ある叙述になっていると考えられる。
本書の中では、当然に現代テロのあり様に注意が向く。もとより、例えば化学テロ・生物テロは本書以外にも指摘する媒体は少なくない。
しかし、ここで驚くべきは核テロに関する叙述である。勿論それは原子力発電所への攻撃に限らない。かつ、典型的に思える核爆弾の使用とも限らない。それは、核物質の撒布・拡散という方法論。原子力発電所からの廃棄物もテロにとっては武器になるということだ。。
まぁこの核物質拡散に関しては、未だ推測の域を出ないところが多いが、本書で語られる核物質(核兵器含む)の流失の可能性は、少なくとも思考実験としては捨て去るべきではないだろう。
原子力発電をどの程度維持すべきか、テロに奪われる危険性を加味して、どこまで再稼働を許し、あるいは逆に廃炉数を増加させていく方針が是とされるべきなのかを。
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後知恵だけど、9.11をアメリカの一強体制をさらに強めるものとしか見られなかったり、9.11の動機を、ニヒリズム的としか捉えられなかった点が、平和学的な観点からの国際政治学者たる著者の限界であった。
そうではあるが、テロの定義の困難性やテロの類型化といった、類書にもあるテロに関する学術文献の基本は抑えられており、テロについて知ろうとする際には、類書が少ないこともあり、参照が必要な資料のひとつであろう。