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著者自身、カナダでの子育てを経験して書かれた本。
保育施設の整備は日本より遅れているといわれているカナダではあるが、そこにはまた違う子育ての現状があった。
子どもを育てる上での、地域社会との触れ合いの大切さに気付かされた。
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先日昨年の出生率が1.37であり、3年連続で上昇したことが発表されたが、子供を生む世代の女性の数自体が減っており少子化の流れが反転した訳ではないともされている。
日本の少子化が改善しない理由の一つに、子育てをするのが難しい日本の環境、が挙げられると思う。
本書は臨床心理士である筆者が国際都市として有名なトロントでの研究生活から得た、トロントの子育て支援のソーシャルワークの考え方を紹介している。ソーシャルワークの考え方が社会に浸透しているトロントは誰にとっても子育てがしやすい環境なのである。
日本ではソーシャルワークという考え方はあまり定着しておらず、ソーシャルワーカーとして活動している人も、個別的に困っている家庭の相談に乗る、という程度の活動におさまっている。
しかし、トロントでのソーシャルワークの考え方はもっと積極的なもので、行政、病院、学校、NPOなど地域にある様々なアクターと地域の人々の間に入り問題を効率よく改善できるようマッチングを行うというようなものである。
さらに、現場のニーズや問題意識を汲み取り、それを政治に働きかける役割も期待されている。カナダのソーシャルワーカー養成課程ではデモのやり方まで講義されるそうで、ソーシャルワークの最終的な目的はソーシャルチェンジである、という言葉は目から鱗の想いだった。
単にトロントの優れた事例紹介と日本の未熟な現状への批判に留まらず、日本の現状に合わせて建設的な提案にもページが割かれている点も良いです。
子育てをする個人、子育て支援に関わる専門家、ボランティアとしての関わりなど様々な立場の人にとってヒントが多く、良い新書でした。
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子育て家庭支援のネットワークが重層的に機能しているカナダ・トロントでの事例を紹介し、日本の進むべき社会を描いています。事実、日本で出来ていないのは確か。では、なぜできないのか?子どもの権利(育てる親の権利も含めて)が十分に守られるべきという一般的なコンセンサスがないことが根本要因のひとつなのかなと思ってしまいました。
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学会シンポの抄録締め切りに汗をかいていたら、自宅の積ん読本の山が崩れ、あ〜あと思いながら片付けていたら、数年前に購入してあった、この本が出てきました。なにげにぱらぱらめくったところ、「なんじゃこりゃ!今求めている考え方そのもの!」状態で読みふけりました。その勢いで一気に抄録も書きました〜(*^^)v
トロントでのソーシャルワークの紹介、理論です。「共感の根」活動なんぞ、自分が進めている「赤ちゃんふれあい体験実習」とその意図するところが全く一緒です。この本が出版されたのが12年前、自分がそのアイデアを周囲に働きかけ始めたのも12年前です。輪が広がりそうな予感です(^^)
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トロントのプラクティスを紹介。確かにできればいいけど、どうやってやるか。参考事例ですね。後は応用。
この発展系で、各都市の比較があれば読みたい。