必ずある不合格。むしろ、合格話よりも注目すべきである。
2018/06/18 18:52
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投稿者:気まぐれネット購入者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学受験あるある。書籍でもブログでも合格体験記ばかり。
ブログなどでは少数派ですが不合格体験記が見つかりますが、書籍では少ないですよね。不合格をフォーカスしたもの。
本書は、いわゆる全落ちもあることを教えてくれる。
いわゆる心から志望している本音・本心から希望している学校に合格できるのは全体の3割強ほどしかいない事実を直視しておく必要があります。
志望校別コースに最後まで通っても最後に笑うのは、3分の1ほどです。あれだけ、時間とお金をかけてもです。その志望校別コースだってスタート時からすると、かなりの人数が減っています。現実を見て途中から志望校別コースを変更するからです。
そんな、最後まで残った子供達でさえ、3分の2は残念という結果が待っています。とても残酷です。
むろん、複数校を受験するので、いわゆる全落ちというケースは、かなり少ないものと思えます。
でも、本書は、あまりに過熱する中学受験に対して、現実を見よと言ってくれます。こういう点を主張しても本が売れないと思うので出版されないのも事実。だから、知らない人が少ないのでしょう。
いま一度、繰り返しになりますが、最後まで残っても3分の1ほどしか合格できないという現実を把握しておく必要があるでしょう。
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自分も中学受験をした身ですが、うちの親はこの本でいう「ツカレ親」の正反対だったなぁと今更ながら感謝しました。ツカレ親のエピソードを読むだけでもネタになって面白いので、中学受験とは無縁の人も楽しく読めると思います。私自身家庭教師や塾講師をしたことがあるのでなんとなく分かりますが、この筆者の言っていることは実際ほとんど正しいと思います。
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現・お茶の水大学大学院博士課程在籍、四谷大塚系列の学習塾、家庭教師等で中学受験指導経験のある作者による中学受験批判。
【構成】
序にかえて 情報のかたよりが「ツカレ親」を生む
第1章 止まらないツカレ親の暴走-驚愕エピソード集
第2章 ツカレ親を分析する
第3章 対策編-志望校全滅を避けるために
作者によれば、「ツカレ親」は受験熱に取り「憑かれ」、子どもの受験に「疲れ」果ててしまった親たちのことである。
作者が主張するのは、親の教育への無理解によって子どもに無理を強いているという面があるという点、塾・家庭教師への月謝等の費用対効果は必ずしもよくないという点であろう。
まあ、言いたいことはわかるがわざわざ本にするほどの内容ではあるまい。
それよりも、本文中に幾度となく登場する偏差値についての言及である。作者は算数の指導もしているようだが、以下の文章を読むにつけて偏差値の意味を理解できているのか相当疑問である。
「各学校の偏差値というのは、あくまで一つの目安に過ぎません。例えば、ある学校の偏差値が55だったとして、それは、「平均して55ぐらいの偏差値がとれている子どもであれば、合格の可能性が高いよ」ということであって、受験本番での合格者の偏差値平均は若干の変動を見せる可能性があります。」(p.121より引用)
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中学受験において、わが子が合格することしか頭になく、実際の子どものレベルと志望校のレベルの差にも気づかなかったり、時間の許す限り、塾や家庭教師、個別などでスケジュールを埋め、満足したりと全くと言っていいほど周りが見えなくなってしまった、受験に取り憑かれ、疲れ果てたツカレ親を失笑している。
著者は大手受験塾の講師や家庭教師の経歴があり、受験生を合格に導く側の人である。
わが子の受験経験からも言えるのだが、確かに、あと何をすれば合格できるのかを毎日毎日考え続け、不眠にさえなったりもし、冷静さを欠いていたことは反省点でもある。
下の子も中学受験に向けて塾に通っているが志望校選びや時間の管理などにおいて考える良い機会となった。
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著者はプロの家庭教師。
なんであれ、親が子供に自分のやり方を押し付けるのはよくないってことが分かりました。個人的には反省をいたしました。
本書が愚痴ばかりといえば愚痴ばかりな気もしますが、著者にはそれなりに愛があると思います。我が子より明らかにデキの良い子の勉強法をまねても大ケガをするだけですよともっと言ってやってください。
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さて、本書について瀬川さんは
「本書に対して「中学受験の否定的側面ばかりを強調している」という批判があったとしても、
本書の意図するところは、まさにそこにあるのです」
と述べています。
「さあ! 親子二人三脚で有名私立中学の合格を勝ち取ろう!」
ってな本が氾濫している昨今において、なかなか面白い視点でございます☆
むしろ、そういった姿勢の『プレジデントファミリー』なんかが批判の対象に(笑)。はっはっは。
ちなみに瀬川さんの述べるこの姿勢は、一冊を通してかなり一貫しているかと。
たとえば本書の中には、家庭教師会社の「銭ゲバ」営業担当者が紹介されているのですが、
その一方の良心的な営業に関しては一切書かれていない!
ほんとに、塾とか家庭教師会社とかが敵に見えてくるような本です(笑)。
そんな風に、通常とは逆の視点から「中学受験」を語っているわけですが、
行き着くところはセオリーどおりな感じですな。
結論が一定になるっていうのは、まあ、当たり前っちゃ当たり前だけど。
【目次】
序にかえて ― 情報のかたよりが「ツカレ親」を生む
第一章 止まらないツカレ親の暴走 ― 驚愕のエピソード集
第二章 ツカレ親を分析する
第三章 対策編 ― 志望校全滅を避けるために
おわりに ― もう一つの問題
あとがき
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家庭教師を長く体験した著者が、中学受験に間違った臨み方をしてしまっている「ツカレ親」の実例を紹介した体験記。具体的で読みやすい、単にインパクトのあるものを集めて呆れ笑ってやろうという趣旨ではなく、誰しもが心に留めておくべき意識・或いは行動を促すための書と感じた。
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[ 内容 ]
受験雑誌に載らない、塾も教えてくれない裏事情。
中高一貫校への幻想、無謀な学習計画、無理な目標設定…。
失敗例から学ぶ合格のコツ。
[ 目次 ]
序にかえて 情報のかたよりが「ツカレ親」を生む
第1章 止まらないツカレ親の暴走―驚愕エピソード集(「指定日までに、娘の成績上げといて」― 丸投げ&恫喝の恐怖;「子どもの暗記にまで責任持つのが塾の仕事でしょ?」―自習時間ゼロは当たり前?;「どうにかして合格に変えてもらえないんですか?」―裏口入学志願者ここにあり ほか)
第2章 ツカレ親を分析する(ツカレ親とは;中学受験の目的がおかしい;学力をめぐる誤解 ほか)
第3章 対策編―志望校全滅を避けるために(あなたにその覚悟があるのか;志望校は、あきらめとともに選ぶ;いかに悪あがきするか ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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お仕事勉強のため、実態把握の意味合いで。
この業界、っていうか進学塾のCSって何だろう?
志望校合格ってのはあくまでも結果なわけで。
まぁ切羽詰まったらちゃんと考えよう。
子ども自身の能力とか資質に言及した部分は見もの、まぁ当然のコトを言ってるんですけど。
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中学受験経験者で、かつ塾講師をしていた身としては、実に面白い。わかる人にはわかる、「あるあるネタ」。
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現役家庭教師による問題提起。塾に行った時間=学習ではない、は塾が隠しておきたい事実だろう。その他、低偏差値から大逆転で合格,のからくりなど、身もふたもない話が多く書かれていた。私は『プレジデントファミリー』を読んで参考にしていたが、中学受験は不合格者の方が多く、こちらの方が現実だとあらためて認識した。
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少子化とはいえ、中学受験は過熱する一方のようです。首都圏では、競争もさぞや激しいのでしょう。ただし中には、子どもの学力に見合わない志望校を掲げ、塾や家庭教師に費やした時間が勉強した時間だと勘違いのもと、どこまでも暴走を続けてしまう「ツカレ親」がいます。本書はそんなツカレ親に警鐘をならし、子どもの幸福には様々な選択肢があることを伝えたい本だと思いました。
小学高学年ともなるとそれまでに獲得した語彙や知識にはかなりの個人差が現れてきます。歴史や国際情勢に関する知識、ことわざや四字熟語など「教養」と呼ぶべき知識を身につけている子どもとそうでない子どもの間には歴然とした差が生じます。こうした教養の差は、本を読む習慣があるか、ニュースを見る癖がついているかといったことにも左右されます。しかし本も読まず、ニュースにも無関心で遊び呆けているような子どもに教養がないかと言えば、そうではありません。一見知的と思われない趣味や遊びを通じて知識を吸収している子どもも決して少なくはありません。結局はそれぞれの子どもの持って生まれた能力や性格が違いをもたらすことも多いようです。生きていくということは、こうした能力差と折り合いをつけながら、可能な範囲で最良の結果を出せるように努めることの繰り返しにほかならない、と著者は伝えたいのだと思います。私の師は常々、「自分の合格した学校が日本一の学校だ」と言っていましたが、これは能力の違いもあるだろうが、これまで育ててくれた親への感謝の気持ちを持つことの大切さを説いているのだと思います。その上で、その通った学校でベストを尽くせ、という激励の意味合いも含んでいた言葉だったと思い出されます。
それほど有名でない中学〜大学を経て、縁があって採用された会社のサラリーマンとして生きていくことになる子どものほうが圧倒的に多いのです。「いい学校」に入り「エリート」になるというコースは、数ある幸福の一つに過ぎません。「凡人」にしかなれない我が子を温かく見守るのも親の愛情。「いい学校」に合格できなくても、人間としての可能性が閉ざされるわけではありません。子どもたちに多様な幸福の在り方を伝えていくことが、親の責務なのでしょう。
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私立中高一貫校の人気は相変わらず高く、中学受験の本や雑誌を読むと、成績の良い子は進学校に、そうでない子も「お買い得校」や「バリュー校」に入れないと損と思ってしまう。
そういう思いに取り付かれて、なりふり構わない親の振る舞いの事例を多く見聞きしてきた著者が、親の意気込みとは裏腹に不合格の山を築く原因を解き明かしてくれる。
ここで紹介された貴重な失敗例を他山の石とする保護者が一人でも多く出ることを祈りたい。
著者は、この分野に関して「亡国の中学受験」も上梓しており、切り口は異なるが、もっと中学受験を客観的に、冷静に考えようという視点で共通しており、何よりも、どちらも非常に面白かった。
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中学受験の家庭教師を業とする著者が、本人の体験・同業者から聞き及んだ「ツカレ親」の実情や、中学受験塾の問題点を赤裸々に暴きだそうとするものである。
著者のいう「ツカレ親」とは、「子どもの学力に見合わない志望校を掲げ、塾や家庭教師に費やした時間が勉強時間という勘違いのもと、どこまでも暴走を続けてしまう親」をいう。
中学受験の問題を示す他書、あるいは本書からは、次のことが判る。
つまり、
① 中学受験は通過点にすぎない。
② 中高一貫校は大学受験の予備校ではない。
③ 塾についていけない、成績が振るわない時は、復習が重要。
前に遡ることが大切。
④ 塾・家庭教師・個別指導等、方法論は問わず、人に教えてもらう時間で埋め尽くさない。自分で学習する時間を持つこと。
⑤ 机で学習することだけが勉強ではない。
以上だろうか。
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「ほ、ほんまにこんな親いるんかいな」
というオモシロバカ親カタログとして楽しめる。まあかわいそうなのは子供である。