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みんなのレビュー28件

みんなの評価3.5

評価内訳

26 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

読むに耐えない部分多し

2010/02/01 14:42

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:武井啓蔵 - この投稿者のレビュー一覧を見る

つっこみどころ満載の本だが、既に大半の論点は他の書評で指摘済みなので、ここでは「指摘されていない論点」について記す。

著者は天下の名門女子進学校桜蔭女子中学校の2006年の国語の試験問題の方が1995年の国立和歌山大学の国語の試験問題より遥かに難しいという事実を示しつつ、「難関大学へのパスポートは12歳の段階で配り終えられている」などと言うが、そんなことはない。まあ、「学べや学べ、やよ学べ」をモットーとする桜蔭は数少ない例外になるが、首都圏の進学校は旧制府立中学以来の根強い伝統「本当に頭の良い奴は勉強しない」というのがあって、入学と同時に「勉強しないごっこ」「ナンパに勤しむごっこ」がはじまるのである。男子校でこの傾向が特に強く麻布や駒場東邦がその筆頭だが、名だたる進学校のどこでもこういう現象は起きている。開成も例外ではない。諸君も一度、開成中学の入試問題を解いてみると良い。こういう問題をスラスラと解いてしまう小学生なら「東京大学に現役合格してアタリマエ」と思うに違いない。ところが現実はそうはなっていない。開成から東大に進学するのは浪人含めて200人に満たない。開成は中学で300人、高校で100人を募集する。そして「開成の合格実績を支えているのは高校入学組」という都市伝説がまことしやかに囁かれている。諸君も一度、「どうして開成から東大に300人進学できないのか」を深く考えてみるとよろしい。女子でいえば名門女子学院や双葉の進学実績はもっと見劣りする。女子学院では、とても恥ずかしくていえないような大学に進学する子も結構いる。パスポートは12歳では配られないのである。せいぜいが予約券程度である。

あと、桜蔭受験の風景を著者は全く知らないようである。自分が知りもしないことを勝手に書くのは自由だが、文字にして出版する以上、少しは桜蔭を受験する12歳の娘たちがどういう子なのかは、調べてから書いたほうがよい。ちなみに私は娘が昨年桜蔭に合格しているので良く知っているが、彼女たちの受験風景は決して「息苦しさ」なんて無い。もちろん彼女たちはSAPIXや日能研といった大手中学受験塾に通う。6年生も後半になると土日含む週の大半を塾で過ごす。土日なんか朝の9時からほとんど休みなしで夕方5時まで塾で勉強である。しかし、しかしである。彼女たちにとって、塾は「楽しくてたのしくて仕方がない息抜きの場」なのである。そもそも彼女たちに勉強は苦痛でない。好奇心旺盛で理解力に優れ習ったことがスッスと頭に入るから塾の勉強が面白い。しかも塾は完全能力別クラス編成になっていて、彼女たちが席を同じくするのは女子なら桜蔭か女子学院、男子なら筑波大附属駒場か開成、麻布を目指している選ばれしトップ中のトップばかりである。だから話が合う。ネタが豊富で飽きない。地元の公立小学校にいるボンクラどもとは雲泥の差である。進学塾は朝から晩まで詰め込み勉強に明け暮れているようにイメージしている人も多いと思うが、トップクラスは違う。中学受験塾は5年生の1月までに受験範囲を学習し終え、6年生の1学期、夏休み、2学期と総復習を3回行うようにプログラムされているが、最上級のトップクラスは4年生、5年生からその全てをほぼ満点で通過してきた子ばかりである。授業をやろうにも過去問は別にして、既に知っていることばかりで飽き始めている。そこで授業といいつつ最高学年のトップクラスは徒党を組んで先生をからかって遊んだりしている。そこへ激励と称して昨年桜蔭に合格した先輩たちが乱入してきて桜蔭の生活や受験の思い出話を語ったりする。こうして笑いの中で進学塾の1日は過ぎていくのである。私はこの様子を娘から聞いて、「これが本当のゆとり教育だな」と思ったりした。そして初めに戻るが、彼女たちは高階秀爾が書いた『日本美術を見る眼』などという文章は難しくもなんとも無いのである。すらすら読めて理解できてしまうのである。これくらいのことは著者も知っておいたほうがよい。

それにだ。日本の大学生が一般に勉強しないのはその通りだと思うが、それは日本の大学の社会的位置付けが欧米その他とは異なるということが大きいのであって、日本の受験システムに欠陥があるからでもなんでもない。早い話、日本の大学は「役に立たない」授業ばかりしている。簿記会計を勉強するならTACや大原簿記学校のほうが丁寧に教えてくれる。数百ページもあって学生に理解を促すより、ただこけおどしのためにのみ作られたような簿記会計の本の、なんと多いことか。法律学だってそうである。法科大学院を経て司法試験突破を目指す学生の多くが東京リーガルマインドや辰巳法律研究所のような司法試験予備校へ通っている。世に言うダブルスクールである。この傾向は東大を筆頭とする名門校ほど顕著となる。これは会計学科や法律学科の指導法が破綻している何よりの証左である。それにだ。こうした資格試験突破を志さない一般の学生がなぜ勉強しないかといえば、就職の際、企業サイドが大学の成績をあまり問わないからだ。せいぜいが優の数を見る程度で、そこでは体育の優も法学部債権各論の優も同列に扱われる。問われるのは「英語力」くらいである。だから勉強なんかしないのだ。むしろ勉強ばかりして妙なプライドをもって周囲を見下す社会性のない学士様を企業は厭う風潮さえある。

それに日本の文部科学省は莫大な助成金を盛大に全国の私立大学にばら撒いている。日本の私立と国立の学費はいまや東大と早稲田、慶應で大差が無くなっている。東大含む国立の学費は60万円弱。早稲田は90万円弱だ。私の頃の国立は年間学費が17万円だったが、いまや国立大学といっても苦学生は寄り付けないくらい、その学費は高騰している。要するに全国のゾンビ私学に助成金をばら撒いたつけが国立大学の学費高騰となって現れているのだ。ここもきちんと指摘しないと、河本くん、片手落ちだな。

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2010/01/11 02:18

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