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富士フィルムHD古森会長の著書。富士フィルムの利益の3分の2を稼ぎだしていた写真フィルム事業はデジタル化の影響を受け2000年をピークに年率25%もの勢いで急減していった。その中で基幹事業におけるリストラ、新規事業への進出を通し見事な復活をとげた。うちの会社も本業消滅とまではいかないまでも本業縮小が危惧されており、参考にしようと読んだ本。
経営者の仕事を大きく分けると読む、構想する、伝える、実行するの4つ。うちの会社はどれもできていないが、それはまず最初の読むができていないから。勇気を持って現実を直視することがまず必要になる。情報収集にあたっては多面的に情報を集めることを心がけ、またこんなことがある訳がないなんていう偏見を捨て去りファクトを確認する。その上で綿密な計数シミュレーションを伴う将来の見通しを持ってこれからどの分野に力を入れていくのかを構想する。
またその過程において(特に有事の際には)経営社は優秀な独裁者にならなくてはならない。どこの国に最前線の兵隊全員の意見を聞いて作成を練る指揮官がいるのか。そして戦力を投入する時、逐次の戦力投入は禁じ手になる。必要な資源のボリューム感、スピード感を見極め実行に移さなくてはならない。
新規事業の成長戦略においては、積極的にM&Aを活用した。ビジネスのスピード感を考えると一合目から初めていては間に合わない為、M&Aを駆使して一気に4合目、5合目から事業拡大を図る。
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うちの会社はまず、勇気を持って現実をみる必要がある。都市間競争が厳しくなっていく中で基幹事業がどうなっていくのか。恐らく緩やかな低下が続いていくだろう。原発のような突発的な出来事によっては一気に収入がゼロになってもおかしくない。これから、次のコアになる事業を育てなくては成長は難しい。新事業創造室に求められる役割は大きく、3rd Pも軽視してはいけないが、本当のコアになるものを、まだ会社の体力の余裕はあるうちから成長させていく。
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富士フィルムCEOが記載した自伝。
かなり自信たっぷりの人ではあるが、信念があり、意思が強く勉強になる部分が多い本。
富士フイルムを改革した手腕はさすがというところ。
<メモ>
・デジタル化とは一面で標準化のこと。ブラックボックスが少なければ技術による差別化が難しい。技術ではなく価格の競争を強いられる。技術の参入障壁が低くなり、タフなサバイバルゲームになる。
・現状を直視し、状況を正確に読み、把握、何をやらなければならないかを考えて決める。
・写真は人間にとって極めて貴重な文化。喜びにあふれた思い出、輝かしい思いで、愛する家族と過ごした素晴らしい瞬間などを切り取って記録できるメディア。過去の他県や気持ちが当時のままによみがえる。素晴らしい時を再体験できるモニュメント。この写真文化を守ることが使命。
・富士フイルム先進研究所ポリシー①融知 異分野の技術者の知識や思考アプローチを融合させる②創新 新たな破壊的イノベーション・技術と価値観を創造する。③新たな価値の創造 新しい顧客価値を社会に提供する。
・影響のインパクトと期間を見極め、会社をアジャストさせる
・変化にすばやくうまく対応することが必要であり、変化を先読みし、先取りできる企業である必要がある。
ベストは自ら変化を作り出せるように。新しい仕組み、新しい製品、新しいアイデアを。新しい価値を生み出し、世の中をかえていく。
・震災時残ったのはプリントされた写真。これを救済するプロジェクトを行った。
・有事に行うべきこと①読む 今の状況 将来の動向②構想する どこへ向かうか、何をすべきかを考え、作戦、プランに落とし込む ③伝える 周りに伝え続ける。ブリーフィング ④実行する。 決断したらやり遂げる。
・常日頃から読みのトレーニングを行う。
・決断を誤る三要因①現実を直視できていない。②情報が偏っている 多面的に情報を仕入れておく必要あり③思いこみや偏見などの先入観がある場合。
・基盤となる力。強い頭脳。強い心や強いからだ。
・一つでも現実を動かさないと前には進めない。
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意思や信念の人という印象を強く持ちました。
やや総花的な内容になっているので、もう少し細かい話も書いてほしかったかな。
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写真フイルムという会社の基幹事業が大きく揺らいだときに
揺らいで倒れさせまい、手遅れにさせまいという信念のもと
方向転換に成功したはなし。
あついひとです。
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本業消失の危機に直面した富士フイルム。何をしたのかが綴られた一冊。メモ。(1)時代に勝ち続ける企業は変化に素早く対応出来る企業。更に進んで変化を先読みし先取り出来る企業で、なければいけない。…ベストは自分で変化を作り出せる企業。(2)自分達がやらなければいずれ他社がやる。ならば、やるしかない。そこの腹の座り方も富士フイルムとコダックとでは違っていたのかもしれない。(3)ナンバーツーまでの勝負は竹刀、経営トップの勝負は真剣。(4)正しい判断をして誰が何と言おうとそれを推し進める。それがリーダーの仕事である。そうしたら、皆が着いてくる。(5)誠実さや頑張リズムは日本人の最大の強み。
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本業のマーケットが消失したら、その企業は存続できるのか?ー実際に富士フイルムが直面し、そして打開した時のトップが語る。古森CEOの鬼気迫る口調に圧倒されました。恐竜が目の前の餌が無くなっても生き残る方法がわかります。
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強い経営者。信念と勇気が肝要。これらを持つことが出来るには幅広い学びと謙虚さ、誰にも負けない努力が必要。
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本業喪失。富士フィルムは本業である写真フィルム市場が10分の1に激減する危機に遭遇した。
普通の会社だったならば間違いなく倒産していただろう。
しかし富士フィルムは今なお健在である。
社長の小森重隆はこの危機をどう乗り越えたのか?本書には著者、小森社長による会社再生の軌跡が詳細に書かれている。
デジカメが普及し始め、写真フィルムの売り上げが落ち込み始めた時に彼は社長に就任した。
過去の成功体験にあぐらをかき慢心することなく先を見据えていた小森は、会社の保有する技術から他業種に転用できそうな物を洗い出し、素早く商品化した。
その先見性と迅速な対応はV字回復となって世間を驚かせた。
いまや富士フィルムといえば液晶ディスプレイ素材や医療機器メーカーとして有名であり、最近は化粧品の分野にまで進出している。
彼は著書の中で「すべては戦いであり負けてはならない、そして子供達に競争することの大切さを教えなくてはならない」と説いている。
凄まじい競争社会を社員を率いて生き抜いてきた人物ならではの、言葉の重みがある。
ともすれば競争を罪悪視しかねない風潮が日本にはあるが、世界においては競争に負ければ企業は消滅する残酷な現実がある。
会社が倒産すれば多くの人が露頭に迷う。
ローンが支払えなくなったり、子供が進学できなくなったりと家族にも被害が及ぶだろう。
会社が生き残るとはどういうことなのか、について深く理解できる本である。
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富士フイルムHD古森会長渾身の書。
本業喪失の危機に直面した富士フイルムで大鉈をふるって改革した見事なリーダーシップ手腕がこの一冊に詰まっている。企業経営とは何か。リーダーの役割とは何か。深く考えさせられた。
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小森重隆さんの自慢話のような・・・。
東大アメフト出身かー。
勝手に身近な存在に思えてきた。
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忘れてならないことは、人間は基本的に自分で育つものであるということだ 伸びることができる人の条件として、会社を思う気持ちが強い人、オーナーシップを持って会社のために仕事ができる人だ 日本人の一番すごいところは、努力すれば成功すると確信を持っていることだ 「その問題を解決するために自分はなにが出来るだろうか」と考えるようになった See-Think-Plan-Do競争することの大切さを子供たちに教えよ
20211016
われわれは写真を、人間にとって極めて貴重な本型と考えている
写真フィルムの主な原料はゼラチン、つまりコラーゲンだ。そして人間の肌も、その70%はコラーゲンで構成されている
ベストは何かと言えば自分で変化を作り出せる企業になることだ
新聞や雑誌を読む際には、ただ書かれている事を読むだけでなく、次はどうなるんだろうと、常にその話の展開を考え、自分でシミュレーションしている
美人ですね仕事のパフォーマンスが良いか悪いか、成功するかしないか、勝つか負けるかは、人間の子大すべての総和で決まる
チャーチルの第二次世界大戦
ロマンロランのジャンクリストフ
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デジタル化が進み本業の写真フィルムの市場が消失した富士フィルムの危機を、社長として乗り切った経営哲学とリーダーの心構えを書いた本。底流に流れているのは「負けてたまるか」という子供の時からの気概。有事に際して経営者がやるべきことは参考になる。頭では理解していたつもりでも、実際の大事な場面で実行できるかどうかは、気概や腹の据わり方にあるのだろう。決断を誤る三つの要因や、上級管理職者となってから伸びない人の理由などの各論も面白い。また、日本経済が失速した原因は円高にあるとした著者の論点も明確である。
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デジカメの普及による写真フィルム市場の収縮、本業消失の状況に富士フィルムがいかに対応し、勝ち続けることができているのか。
持ち合わせていた技術力、ブランド、資金、そして判断と実行力、絶対に負けないという想いの素晴らしさを感じた。
トップたる者の厳しさと強さも印象的だった。
14-91
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富士フイルムの古森さんの考え方・価値観・ポリシーが満載のとってもためになる書籍。経営者は孤独かもしれないが、大きな責任と高い倫理観をもって経営をしなければならない。そうした覚悟や決意が伝わってくる。
短期的思考に陥りがちな指標重視の昨今の経営に警鐘を鳴らすものでもある。研究開発費に毎期2,000億円を継続的に投じながら、新たな事業の種を育て続ける視点は素晴らしい。
好都合だろうと不都合だろうと、現実を直視することから逃げてはいけない。人生すべて戦い、というのはハードな事実でもある。
価値観や判断基準のベースとして、世の中の普遍的な理を用いているが、私も身につけたいものである。歴史や先人に学ばないといけない。
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売上げと粗利の大部分を担ってきた銀塩フィルム市場が急速に失われていく中、社長として何を考え、どういう決断をしたのかを古森社長自身が記した一冊。もちろん古森社長自体の先を見通す目、経営判断は素晴らしいと思うが、富士フィルムにとって幸運だったのは、銀塩フィルム市場は失われつつあるが、写真市場自体がなくなった訳ではないこと(銀塩→デジタル)、創業以来、培ってきた技術と技術者がデジタル写真や化粧品といった他市場においても活かせる環境にあったことだ。もしそういった環境がなくてもSATOのようにまったくの他業種に転換できる道も残されていたとは思うが、その道は果てしなく厳しいものであったに違いない。コダックのように市場の終焉とともに、富士フィルムもまた消えていたかもしれない。