紙の本
日常生活の沖縄
2005/12/11 12:33
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
よしもとばななさんの「なんくるない」を読んでから、
強烈に沖縄に行きたい〜という気になった。
それから沖縄関係の本を手当たり次第読んだ。
その中の一冊がこちら、岩波新書の「沖縄生活誌」。
戦後生まれで、十一人兄弟の末っ子。
沖縄で公務員もしながらが、詩人でもある高良勉さんが
沖縄の日常の生活を紹介している。
観光案内ではない、日々営まれている沖縄の生活の様子を知って、少しだけ沖縄を近くに感じた。
琉球舞踊のこと、鬼餅のこと、沖縄芝居のこと、
そして沖縄の詩人である山之口漠さんのこと。
高良さんが静岡大学へ入学した時代はまだ沖縄は
日本復帰以前だった。
だから静岡大学へ留学したと書かれている。
パスポートやビザなしでは本土と自由に往来することができない
時代もそんなに昔ではなかったのだなぁと改めて感じた。
沖縄へはいつか行きたい。
それまでにもっと沖縄を知りたいと、この本を読んで
強くそう思った。
紙の本
生活者の澱(オリ)
2005/11/22 01:38
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:24wacky - この投稿者のレビュー一覧を見る
歳時記風エッセイで読んだなかでは『屋久島の時間(とき)』星川淳著と並ぶ味わい深さ。こういう仕事が成り立つのは「そのとき」があるような気がする。リクエストに応じて「書かされる」のだろうが、そのリクエストの時期と著者の「熟し時」がピタリ!合ったとき、幸せな作品が生まれるのでは。そのタイミングは「沖縄戦後60年」かもしれないが、それとリンクしながらも同時に著者の生活がそのときを向かえた、ともいえるのだろう。詩人であり、公務員であり、シマンチュであり、平和運動家であり、それらがただ当たり前にそこにあり、語られる。この著者のポジションにジリジリとした憬れを感じずにはいられない。
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沖縄の暮らしへの穏やかな愛情と、強い信念。織り混ぜ方が確信犯だーと思いつつも、この対比にぐらぐら揺さぶられてしまう。
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沖縄文化について、ざっと広く知るには最適。
沖縄は日本ではなく、沖縄は沖縄なんだな、と再認識。
さらに沖縄って一括りにしているけど、沖縄の中でも場所によってかなり違うんだよね。
いや、本当に日本と違うねー。
というか地域を「日本」とくくるにはいかがなものかと…
個人的には
・正月には雑煮ではなく豚を食べることに、ちょっくら異文化を感じたり。
勿論豚を殺すところから料理が始まる。
・沖縄舞踊を日本政府は同化のために弾圧したけど、アメリカの支配下になったら、むしろ推奨されていたことに皮肉を感じたw
人心の安定をはかるためとかそうじゃないとか。
・桜が咲くのはなんと1月!!
・ゴーヤチャンプルーの『チャンプルー』はインドネシア語から来たらしい
などなど興味深かった。
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世界中が民族独立運動で血を流し破壊行為が頻発している
単一文化だと言われているこの小さな島国のニホンでも
沖縄に独立問題がある
もしも現実問題として「民族自決権」を盾に沖縄が独立宣言をしたら
国会や官僚そして本土の人達はどう対応するだろうか
中国のウイグルやチベットや台湾のように
政治的干渉や武力的な弾圧が起こるのだろうか
ニホンも御多分にもれず簡単に認めるとは思えない
揉め事を企て自衛隊を投入するぐらいのことは起こるだろうし
独立派の抵抗が長引けば少しは血も流すだろう
それどころか泥沼化するかもしれない
この場合自分の生き方を宣言しているのは沖縄で合って
それを阻んで抵抗しているのはニホンの国家である
にも関わらず抵抗しているのは国家の言うことを聞かない沖縄が
無理難題を持ち出してわがままを言っていることにされてしまうだろう
これが多勢に無勢・勝てば官軍と言われる所以(ゆえん)である
この本は静岡大学に留学した沖縄県玉城村の人が描いた民族誌です
一年の春夏秋冬を通してその文化的な生活を実例を通して語っています
著者は医者を志しながらも文学に傾倒し詩人として活動しているかたわら
公務員として暮らしをたてています
沖縄を内側からと外側からの二面で捉えている奥深い内容で
ニホンと沖縄と世界の関係を理解しやすいものです
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沖縄生まれ沖縄育ちながら、伝統文化と距離を置く家だったため、シーミーすら参加したことはない。そういうわけで、一度生活文化を知りたいと思って手にとった。初めて知る話ばかりで面白かったが、現実に体験していないがために、全然覚えてない(汗)
面白いと思ったのは、内地のまつりは秋の例大祭的なものが多く、稲作の収穫の時期なんだと漠然と理解していたが、沖縄の場合は稲作は二期作が多く、豊年祭は旧暦の6,7月に集中し、秋はむしろ静かだということ。なるほど言われてみれば沖縄では秋にまつり、という感じもしない。
こうした伝承系の記録は、後世に残すために必要なものだと思う。