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小学5年生の僕が主人公で、終始その主人公の視点で描かれているために、文章が幼く感じるところが多々ある。
が、冷静に考えて、”僕”を通して狂気の家の全貌を見ようとしているのだから当たり前だ。
そんな物語でおよそ小学生が使いそうにない言葉が少しでも出てくると、逆におかしくて引っかかる。
読み進めるうちに”僕”の人格形成に関わるバックグラウンドが気になってくる。
さらに、”僕”の姉の言葉遣いも段々誰と話しているのかがわからなくなるところがある。
そもそも自分のことを”俺”と突然呼び始めることについていけなくて、会話の前の文章に戻っていったい誰と話していたのかと慌ててしまった。
登場人物すべての人格も過去も、真実も、”僕”の知っている側面、次々と目にする断片的な事実を”僕”を通して、”僕”がわかったことしか語られない気味の悪さ、後味の悪さが際立っている。
結局何だったんだとモヤモヤするものの、この物語が”僕”が体験した”僕”の幼い頃の人生の体験で、本人が認識したと思っている真実のみが語られているのだから仕方がない。
読了しても解決しない謎が多い、今後の”僕”の人生が狂いそうなそんな匂いのする(実際に読むと”僕”もおかしいので)物語だった。
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死体の部分部分を家中あらゆる隙間から見つけてた僕がそのときは恐怖よりも高揚が勝っていたくらいなのに、夜ホラー映画観て怖がっているところが面白かった。象徴的な場面だなと思った。そこにあるものの気配は微塵も感じないのに、ずっと不在はなずの紗央里ちゃんの実在感。不在の紗央里ちゃんのことを読者にずっと考えさせる工夫が凝らしてあって、気付けばそれが紗央里ちゃんの魅力になっている。そこに描かれていないのに。
家族じゃない。親戚が親戚じゃないときどんな感じか知らない……という中途半端な距離にある「親戚」というものの無気味さ、潜在的な怖さを形象化した傑作。
福満しげゆきの表紙も好き
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主人公は小学生の男の子。
小学生夏休みに毎年行く親戚の家。今年は何かが違った。
少しずつその正体が分かっていくのだけれど…
読むのが嫌になるくらいのギャー!のオンパレード。
それでも先が気になって一気に読んだ。
最後がちょっと物足りない気がした。
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怖い怖い怖い。
語り手が少年で、その稚拙さというか、そこなんでスルーしちゃうの!?みたいなもどかしさがまた怖い。
結局、まともな人は一人もいなかった。
なんで?とかじゃない、もうお手上げのクレイジーさ。
とにかく描写がグロい。想像するとオエッてなるレベルのリアリティ。
でも、クセになるこの感じ。危ないわあ。
読了後は、カップ焼きそばを食べました。
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独特の文体が狂気に合っているなーとおもった。
この家はおかしいと思いながらも、主人公があまり恐怖を感じていないように見えるのは「内側」に入っちゃってたからなのかな。
でも完全な「内側」には入れないよね、やっぱり。
指を見つけるくだりだったか?めちゃくちゃルビが振ってあって、ゴチャゴチャーってしてて小説ならではの演出なのかなあと。
全体的にみんなバランスよく狂っている本です。
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書店で気になって購入。
怖い…というより船酔いみたいな気持ち悪さ。グロい割には主人公の少年が淡々としてるので、そこはあまり(人によると思うけど)気にならないけれど、文体や『奇妙さ』が当たり前にある居心地の悪さ。
理屈とか伏線回収とか好きな人はモヤっとするかもしれないけれど、訳が分からない不気味さが好きな人は気持ちよく酔えるのかもしれない。
個人的に1番不気味だったのは、なぜか突然ルビがめちゃくちゃ振られたページ(笑)
それまで振られてなかった簡単な漢字にもルビ!!ミス?と思ったけど、初版どころか四刷目なのでわざとなんだろうな。なんの意図が…気持ち悪い(笑)
あと警察の自販機の件が解決してなくて気になる。
おじいちゃんが言ってた『猫』も気になる。
姉ちゃんの言葉遣い(もはや『おれ』って言ってたけど)も気になる(笑)
床下収納はおじいちゃん。ベッドも本棚も筆箱もおじいちゃん?魂の話がなんだか切ないな。
昔行ってた親戚の家を思い出した。
時々行くくらいじゃ、『内側』のことなんて分かんないよね。一見平和に見えても。
おかーさんとおねーちゃんはせめて正常であって欲しいなぁ。少年、頑張れ。
どうでもいいけど、夕飯前に途中まで読んでしまって気持ち悪くなったのに、トマトケチャップライスに鶏肉炒めを食べてしまった。作りながら色々連想してしまいつつ完食です。読む時間、大事。
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家族と親戚の距離感をホラーで表現したらこうなるのかあという感想。ホラー的には僕が余りにも冷静に死体を探しまくるところがハイライト。何を冷静に足とか指とか舌とか見つけちゃってんのおおおおお。そして拾った指をポケットに仕舞うなああああああ。って突っ込みながら読んでました。でも叔母さん達がおばあちゃんを殺してバラバラにして家中に隠していた理由も不明のままだし、唯一のまともな大人と思われていた主人公の父も心が壊れていたことが判明するし、そして紗央理ちゃんはあんな訳の分からない家に戻って大丈夫なのか?!謎多き小説でした。
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不条理系のグロテスクなホラー小説でした。
文章も。
セリフも。
登場人物たちの行動も(主人公含む)。
全てがどこかズレていて、歪な世界観の中で物語が進んで行きます。
怖くはなかったですが、グロい描写が多く、苦手な人はまったく受け付けないと思います。
古典的な怖さや、ホラーに理屈や理由を求める人には合わないかも…。
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ただグロとなにかありそうなスリルを感じさせる伏線を張り巡らせてるのに特に意味はなく浅い
結局なんで殺されたのかとかはないただのサイコ家族だったよーっていうタイプのオチ
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何が気持ち悪いのかがわからない、とにかく文章が気持ち悪い、書いてある事が気持ち悪い、紗央里ちゃんの家族が気持ち悪い、この世界は現実なのかすら怪しく感じてくる、もしかしたらあの世なのかとも思えてくる
結局何だったのか?何を見せられたのかわからなかった
薄目の本なのに濃密で気持ちが悪い世界が広がってる
正に気持ち悪さ濃縮還元て感じの1冊でした(褒め言葉です)
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毎年夏休みになると僕たち家族は叔母さんの家に泊まりに行く。でも今年はいくつか違うことがある。姉が受験生なので母と姉は家でお留守番していることと数か月前に叔母の家に同居していた祖母が亡くなっているということだ。そういえば祖母が亡くなったという報告は何故か死んでから数か月経ってから連絡が来たんだっけ、葬式も既に済ませてしまっていて父と口論になってた。そんなことがあってから初めての叔母の家、出迎えてくれた叔母の腕は真っ赤な血で染まっていた。
ホラーです。尖りに尖りにきった文体で非常に好みが分かれる作品でしょう。擬音からルビに至るまで恐怖演出に突き抜けた半面、物語としては終始はちゃめちゃで繋がりがないです。所々にびっくり演出が施されたMAPを進んでいくホラーゲームのような感覚で、筋書きや目的地は一切無いような作品。
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最初から最後までずっと「なんだこの話」。
子ども主観の、句読点少なめの話し言葉で読みにくい…。
生理的嫌悪を感じる表現がチラホラあり、気持ち悪かった。
登場人物の感覚がまともじゃないのが怖い、という話だが、奇をてらいすぎ・狙いすぎてて入り込めず。
半ページだけ全ての漢字にルビが振ってある箇所があり、何か意味があるんだろうか…??
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100冊ビブリオバトル@オンライン第2ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
2020.08.22〜23
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小説が映画や漫画と違ってすごいところは、そこに人がいると書けば人がいることになり、地の文に主観ぽいことを書けばそれは登場人物の思考になり、カギカッコをつければ話したことになり、そしてある程度の制約はあるもののそれが現実のものとして認められるためのハードルが限りなく低いところで、この小説はそういった小説の得意分野を存分に活かしたテキストになっているので良かった。
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よく分からずに終わる部分が多いけどそこが良いんでしょうね。
これを演劇で観てみたいなと思いました。小劇場で。叔母さんの登場シーンで客席に緊張感が走る空気とか味わいたい。