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読み終わるまでにかなりのパワーを必要とする一冊。簡易版もでているが、やはり本書を読まないと本書のメッセージ性は伝わらないのではと思いますのでこちらをお勧めします。ユニクロ社長の柳井さんの「付録」(付録のレベルの内容ではないと思いますが・・・)も大変勉強になりました。
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58四半期連続増益の男、が自分の経営哲学を語ります。切れ味がするどい。キャッシュカウとか言われて仕事する気になるわきゃあねーじゃねーか。とか。MBAへの(建設的)批判とか。うまく言語化しないと新橋の飲み屋のサラリーマンの愚痴となるような部分を実績を込めてうまく解説。冗長だったりするし、金言集としての魅力が高いので、時間を掛けたくない場合にはプロフェッショナルマネージャーズノートっていう抜粋本がいいらしい。(読んでないけど)
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ITTのCEOだったハロルド・ジェニーン氏の経営論である。この本は訳書で2004年5月出版の本だが、一度日本で1985年に出版されていていて、ユニクロの柳井会長がこの本を読んだのがこの年だ。柳井会長の前書きと、あとがきを加えて再出版されたものだ。
前書きを読んで柳井会長が1985年に訳書を読んだとあり、奥付に©1985Haruko Tanakaとあるため日本での出版年がわかったが、この原書がいつ出版されたものなのか原書タイトルの欄を見てもほかのところを見ても記載が無く、少し苦労した。検索してようやくアメリカでは1984年の10月に出版されたものらしいとわかった。
ドラッカーもそうだし、昨年読んだ「世界一シンプルな経済学」もそうだが、何十年も前に書かれた本が私たちの営みに対しても正鵠を得ている。これは人や組織の問題が時代が変わっても本質が変わらないということを意味しているのでもあろうし、また実践者たちが過去に学んで行いを進化させていないということでもあろう。
「セオリーなんかで経営できるものではない」
ジェニーン氏は1980年代に日本メーカーが米国メーカーを圧倒した要因の分析をしているが、きわめて自然な結論である。賃金が安く良く働く人が、政府の援助を得て、最新鋭の生産性の高い設備を使っていたのが日本であるから結果は当然だったのだ。
産業心理学をかじったことのある人でなくても、X理論、Y理論は聞いたことがあるだろう。80年代に日本企業の成功を分析して「Z理論」という本を書いた人がいた。今でもその残滓があるが、ビジネスの方法論を理論や体系にすることが流行るようになり、おりからコンピュータメーカーの営業戦略に合流して、コンサルが幅を利かす時代が本格化したわけだが、本書のなかでジェニーン氏はそういった風潮の誤りをすでに喝破している。私が1985年にこの本を読んだら、本書の第一章のこの部分を読んでどのような印象をもっただろうか。それは今の私のそれとはだいぶ違ったものだっただろう。当時の私はジェニーン氏や柳井氏のように、人間の集団を率いるリーダーではなく、才気走った大企業の一企画スタッフでしかなかったから。
「終わりからはじめて、そこへ到達するためのできるだけのことをするのだ」
今やっていることは重要ではなくそれに囚われる必要は無い。われわれは「よいやりかた」を競っているわけではないし、よい結果を求めているのだ。
「だれもが二通りの通貨ー金銭と経験で報酬を支払われる」
ジェニーン氏はまず経験を取れという。エリートではなかったジェニーン氏の経歴の紆余曲折が語られている。氏はMBAについても触れているが、方法論はあくまでも道具にすぎないという視点は当時のアメリカ人の発言としては、日本ではうけなかっただろう。日本企業がこぞって社員をアメリカのMBAコースに社員を送り出し、学生もMBAを目指す流行が盛り上がった時期であったから。
MBAで学ぶ理論は別にIVY leageで学位をとらなくても、習得できることがすぐにわかってしまったし、ケースステディやディベートは実務にいくらでもスキルを磨く場があったから、MBAたちが差別化できる余地は実戦ではすくなかったのだ。コンサルがオペレーション企業を指導するというビジネスモデルが人々の意識にMBAの独自性を成立させていたのだ。
「どの会社にも二つの組織がある」
新しい職場に来てまず必要なことは、誰がどのような位置にいるのかということだ。世界のどこにいってもこれは共通だ。
「経営者は経営しなくてはならね」
日本の会社でも通常は部長以上は、なんらかの産出と投入に責任をもつ経営が仕事のはずだが、トップも含めて経営していない経営者と名のついただけのボスが多いのである。
「リーダーシップは伝授することはできない」
氏は「それは自ら学ぶものである」と書いている。
「机をみれば人がわかる」
ジェニーン氏はいつも机がきれいな経営者と管理者は、自分は何もせず人に頼っているだけであるのという趣旨のことをここで述べている。
私は混乱をオーガナイズするのがリーダーの仕事だと思う。だから管理者に投入される数々の問題は混沌としていて、机の上はその通りの姿となると思う。私の机の上は昼間は本当に混乱している。帰る時にそれをいかに組織化して事務所をあとにできるか。これにつきると思う。
「エゴチズム」
経営者の陥る最大の病はエゴチズムであると述べている。
世の中を見渡せば例にことかかかない。だれもがかかる病だ。この病は必ずかかる病だが軽症にとどめることができるのは自分である。私は家族や友人がとても重要だと思うし、また常に現場の難局に自分から飛び込んでいくことが慢心とエゴチズム防止に役立つと思う。
「数字が強いる苦行は自由への過程である」
人の行動に対する論が多い本だが、やはり数字を大切にすることも述べている。
人間の思い込みと錯覚を牽制することができるのはやはり数字であるということを改めて認識させられる。
「コングロマリットってなんだ」
わたしもコングロマリットについては、とおりいっぺんの知識しか無かった。多角化とか本業集中とか方法論が問題ではないのだが、買収を重ねてどの事業も10%以上の利益を上げていたITTは、コングロマリットでもあり、また専門企業でもあったということだ。氏とITTの幹部はどの企業にも共通するマネジメントスキルを持っていたのだ。
「企業内企業家はどこにいるのか」
それが存在しない理由がこの第11章に書いてある。読んでみるべし。
「取締役会のありかたは、もう少しなんとかならないものだろうか」
よく米国企業の取締役会と日本企業の取締役会の違いが話題になるが、この章を読むと大同小異であることがわかる。取締役が取り締まることはできないのである。
「良い経営の基本的要素は、情緒的な態度である」
「会社ではルールにしがたって物事をおこなわなければならないが、ルールに従って考える必要は無い。」「リーダーシップは物事を遂行するように人々を駆り立て・・・満足できる結果を得るまでやめないよう駆り立てる情念の力である。」
最後の第14章はとても短い。タイトルは「やろう」だ。
「事業はスポーツに似ていると思う」と氏は述べる。教育よりも訓練が、バックオフィスの検討と指示よりも現場の状況把握判断と反応が実戦の勝敗を決める点で、���もまったくその通りだと思う。
この本を読むと、アメリカの経営者も日本人の経営者とまったく変わらないという感想を持つだろう。また、数十年程度の時の流れも経営者のあるべき姿に、大きな変化をもたらしていないこともわかるだろう。30年たって、私たちはもとの場所に帰ってきたようである。
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いろんな利益構造を垣間見れます。ゴールのような臨場感もありOK。ただ、会社における私のポジションだと”実用書”にはなりません。が、会議で引用できる材料も盛り込まれています。
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目標を小刻み 四半期程度に分割し達成する姿勢
献身的で強いリーダーシップ
数字を読み取る能力
情緒的献身の態度
問題を解決してこそ経営者
血の通った組織作り
自己達成への意欲
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「経営は終わりから始めてそこへ到達するためにできる限りのことをする」 これは、別にビジネスに限らず自分の人生を考えるのにもとっても有効。勉強とかね。今までスケジュールばかり気にして、どんな結果が欲しいのかって明確にイメージできてなかったなー、と思ったので、まずは勉強のプラニングをこれで考えてみようと思う。
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UNIQLOの柳井さんが絶賛しているだけあって,前半はそこそこ面白かったが,後半のM&A,取締役会といって話は理解できなかったので☆4つ。もう少し経営がわかるようになったら読み直したい一冊。
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おそらくたたき上げの著者が、現場から得た経営論。
学者やコンサルタントへの指摘が厳しい。
アメリカビジネス、モノの考え方の一側面を見た。
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難しかったけど、いい刺激を受けました。
自分の手元に置いておいて、ときどき読み返したくなるような、まさにバイブル的な本です。
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・ビジネスの世界にはだれもが二通りの通貨―金銭と経験―で報酬を支払われる。金は後回しにして、まず経験を取れ。
・本を読むときは初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりからはじめて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。
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これこそ経営!あっぱれジェニーン!『仕事はゴールから逆算して予定を立てる』そうすれば、すべきことが明確になり、成功する。
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経験とは、なにか新しいことを発見し、学び、能力の成長と蓄積をもたらすプロセスである。そういった経験を意識的に捜し求め、手を伸ばして掴み取る。必要ならあらん限りの知能をしぼって、なにかより良いもの、なにか新奇なもの、従来のやり方とはどこか違ったものをつかんでこなくてはならない。反復的な仕事をしているだけでは経験にならない。
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あのユニクロの柳井さんが最高の教科書と絶賛する元ITT最高責任者ハロルドジェニーン氏の本です。
大学の経営を巡る諸理論が、いかに講壇的で、実践とはかけ離れているか、私の知行合一論を裏付ける一冊です。
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こういう本を読むたび、「プロフェッショナル」という標語を掲げ、ブラックな環境でもいい感じにみせる。
前職のマネージャーさんが、「コンサルなんて、client firstとか言ったって、結局はクライアントの奴隷だよ」とか言ってたのもそれに近いと思う。
でも、個人的には仕事人間なので、なるほどそんな風に経営してるのね、あなたがた。。。というのがよく理解できた本。
一方で、現場からの事実をとにかく正確にその目で確かめるという執念、悪いことでもレポートする風土をマネージャーに理解させ、実行させるための制度をつくってきたことには驚きました。
事実を4種類(表面的な事実、仮定的事実、報告された事実、希望的事実)に分類し、これらはたいていの場合、「事実」でないと断言しているあたり、経営するうえで、いかに「事実」を経営者が自分で把握することが重要かを示しているようで、興味深かった。
監査人としても同じ考えで職務に臨まねばなりません。
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面白かった。読んでいて思い出したのは、日産自動車のゴーン社長だ。コミットメント、いかなる理由や不可抗力があろうとも、コミットメントを達成できない経営者は経営者ではない。経営者の仕事は経営すること。非常に共感できた一冊。