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周りから見れば、ジュリヤンは翻弄する人。読者から見れば、翻弄しているようで、実はそれ以上に翻弄されている人。斜めに鋭く見るジュリヤンは、本音と建て前をうまく使い分ける。そこに大きなギャップがある。もしも()書きで心理描写が記されていなかったならば、ジュリヤンは恐ろしいほどミステリアスに見えただろうし、読者からしても「どうしてそうなったのか」と突っ込まずにはいられなかっただろう。
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なんかもうダメだこいつら…
他にすることなかったんかねフランスの貴族というものは?
1830年頃のフランスの時勢をよく反映しているのはとっても面白かったです。各都市がいったいどのような印象を持たれていたのかや、教会内部の対立などについてが生き生きと描かれていると思います。
誤訳がひどいということで大変叩かれていますが、すごく読みやすいのは確か。古典であるにもかかわらず(というとアレですが)、取っつきづらさはないと思います。
別に私は仏文学者ではないので、あらすじが大体わかればいーやと思ってしまうのです。
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上巻は読むのに苦労した。19世紀初頭のフランスの慣習や文化について知識がないからか。天気のように様々な面を見せるジュリアンの不安や憤りに共感することは多かった。冷静さと激しさなど、多くの正反対の性質を合わせ持つ彼だからこそ、多くの人の心に入り込めるのだろう。
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語訳の話もあったので、最新の4版を購入。
が、93ページから123ページまで紙がしわくちゃだったので3版に交換。
この本とは、相性悪いというか縁がない。。。
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たぶん初めて、乗り物の中で読むことができた本です。
今まで、乗り物で本読むと気持ち悪くなってたから。
それだけ集中して読めた面白い作品だったってこと
主人公のジュリアン、はじめはそこまで「美少年」じゃないんだと思ってた
作者もそうだったのかな。書いてたら付け足したくなっていったみたいな。
金がほしい、という強すぎる思いから、僧職につくため、乗り気じゃなかったのにかかわった貴族たち。
いつぞや自分は貴族的な生まれながら泣く泣く神学校に入る、みたいな感じになっていくジュリアン。
目的と手段と自分の心とを分けていたはずなのに
もういっかあ、って
古典新訳は、内容には親しみたいが文体が、っていう需要にみごと応えてると思う。
欲を言えば本当にもっと今の言葉遣いでもいいと思うけど。斬新で。
あとこの本のせいで、私の現にも変な感情が吹き込まれた気がします。
注文していた下巻が今日入荷したらしい!
早く読みたい!こんな気分ひさしぶりだわ
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ずっと手を出したいと思っていた名著にやっと手を出せた。
当時のフランスの状況のことはよくわからないが、それでも内容的に楽しめるだけの作品だと思う。
当時の時代背景のメモ
この作品が書かれた時代はナポレオンの時勢が終焉後の王政復古期である。
当時の勢力抗争として考えられるのは、「王党派」(貴族、上層階級)と「自由主義勢力」(それ以外の庶民)である。「王党派」は復古した王政の権力維持を唱える保守勢力。「自由主義勢力」は革命的な勢力である。
主人公は「自由主義勢力」の立場である一方、彼が仕えたレノール町長、恋仲になったレノール夫人は「王党派」である。
上巻では、主人公の貴族的な「王党派」に対する憤り、革命的理想とともに、レノール夫人との階級差がある中での禁じられた恋を描いているように思う。
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当時のフランスの状況を理解したうえで読んだらもっと楽しめたと思う。でも十分面白かった。ジュリヤンは幸せだったのかな?所々ジュリヤンが私と被っててなんかぞっとした。下巻も期待。
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上巻は、非常に読むのが苦しかった。
登場人物たちの気持ちにあまり共感できず、彼らが激情にかられたり涙ぐんだりすることに、ついていけない。むしろ、なんだい、すぐにメソメソしちゃって、とげんなりしてしまう始末。
けれど、意外や意外、下巻になると・・・!?
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貧しく家族にも虐げられてきた青年が、その抜群の記憶力と美貌で、貴族社会に入り込み、社交界を足場に出世していく。その飛躍の鍵は、それぞれタイプの異なる2人の女性。下巻で登場するマチルドと主人公の青年ジュリアンの、プライドと激情が数行置きに交錯するあたりは、その内容にも長さにも正直うんざりするが、物語の結末のためには、そのうんざりした気分が必要なのかもしれない。主人公も2人の女も、自分や相手の激情に感動しつつ、それをいかに打算的にコントロールするかに、常に心を砕いている。それがうまくいけば、社会的には成功するがうんざりした日々が続き、失敗すれば一瞬の生の充実はあるが滅びるしかない。マチルドは、いいとこどりで生き残ったような気もするが、その後最も不幸な人生をおくるのかもしれない。
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フランスの歴史が少し分からないとつらいけれども
ナポレオンが主人公に多大な影響を
与えてた、と言う事実を知れば
問題なくは読めると思います。
その気質ゆえに家では散々疎んじられていた
ジュリヤン。
一見おとなしげに見える彼は
実は心のうちには「大きな野望」を抱いていたのです。
そして計算高い彼は
一人の夫人を誘惑し、
ついぞは彼女をものにさえしてしまいます。
そして彼はその計算高さ、狡猾さを武器に
地位までも手に入れようとしています。
だけれども脆さも見えるという不思議。
それが下巻では
どうなっていくのでしょうか。
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高校生のときは新潮文庫で読んだ。当時はよく分からなかった部分も今となっては余裕をもって楽しめる。面白くてムラムラする。
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2014年6月の課題本です。
http://www.nekomachi-club.com/side/12885
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スタンダールは、大学時代に読んだ「パルムの僧院」以来で、初読というのが恥かしくなるほどのド古典だが、初読。
訳者の野崎歓が言う通り、1830年代当時よりも、自らを偽って生きることの多い(そして恋愛のゲーム化がますます進む)現代において、なお共感されるところの大きな小説と言えるだろう。現代的なエンターテイメント小説と比較すると、構成に荒削りなところは多いが、それでも「近代小説の嚆矢」と言われるスタンダールの面目躍如といった作品で、ほとんど一気読みだった。
野崎訳に対する批判は、すでにあちこちで論じられている通り、違和感のある文章がなかったと言えば嘘になる。しかし、そもそもこの問題は、翻訳自体に対する批判というよりも、改訳に対する編集部の姿勢を批判しているものと理解している。
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★評価は読了後に。
別訳だが相当に久方ぶりに手にする。
正直あまり好きではないんだが、何だか久々にフランスっぽい、つまり湿っているようなしつこいような(良い言葉で言えばアンニュイと言うのかな?)感覚を愉しんで(?)味わっております。
まぁそれはともかくちょっと長いかな、訳そのものの問題は当方には分かりかねます。
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何度も叫んでしまった。「ジュリヤンこのやろーーー!!!」と。
この野郎、一人の親友に恵まれ二人の女性に愛され三人の恩師に助けられ(ピラール神父、シェラン司祭、ラ・モール侯爵)多くの民をその美貌と才知と得体の知れなさで魅了し死んだ後は小説になっちゃって今でも数え切れない人間の心に語り残り続けているというのに、出世?権力?なんじゃそりゃ!人間不信にも程があるし、勘違いも甚だしい。感情に煽られっぱなし。コミュ障。KY。挙げだしたらきりがない。でも憎めないんだ。嫌いになれないんだよ。「死ぬな」って願っちゃうんだよ。愛しちゃうんだよ。君みたいな男を。君だから。だからもう一度叫ばしてもらおう。「ジュリヤンこのやろーーー!!!」と。