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イギリス貴族社会・中産階級社会の俗物性を描きつつ、それで世の中が成り立っている側面を認めながらも、それに対する違和感を拭えない人々の独白を重ねていく。「私」とは?人生とは?幸せとは?屋内のパーティーの俗物性と屋外に広がる暗闇の虚無。その境界にある窓際が象徴的。
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印象派やマリー=ローランサンの絵画のような淡い色彩を思わせる作品。全体的に少々退屈で、主人公ダロウェイ夫人がお上品すぎるきらいはある。ただ、第一次大戦に従軍した青年セプティマスのPTSDに苦しむ心理描写や、ダロウェイ夫人の回想の中の女友達とのキスシーンなどは大変素晴らしい。
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登場人物の環世界(主体にとって知覚できる空間・時間)が織りなすシャボン玉の中で、バスケやサッカーでボールをパスしあうように、次々と主観がシャボン玉からシャボン玉へ渡り歩いていく、と私はとらえています。
1つの主観が、別のシャボン玉の客観になっていくところが面白いです。また、それぞれのシャボン玉がよくできているのが、バージニアウルフの読み応えだと感じました(この本しか読んでないけど)
アガサクリスティの「春にして君を離れ」も、主観からはじまりそれを俯瞰していきながら人間模様が暴かれていく(環世界の狭さ愚かさを赤裸々にしていく)話で、なんか似ている気がします。イギリスの女性作家の特徴なのかも??