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毎年、年末にかけて来年の経済状況を予測・解説した本が上程されますが、心待ちしているのが、長谷川氏のモノと、もう一冊が日下氏による「日本と世界はこうなる」です。
私が社会人となった20年以上前から、「これからはグローバルの時代だ!」と言われ続けてきましたが、2014年からはそれとは正反対の「ローカリズム」になるという新たな視点をされていました。中国、EUについては衰退の方向、米国については長谷川氏の考え方とは異なって、あまり良くないようです。
また最後の章の「これからの日本の課題」については、日下氏らしい独自な、そして面白いアイデアがあって今回も大変読み応えがありました。
以下は気になったポイントです。
・アメリカの白人比率はあと何年かで5割を切るがこれをどう乗り切りか、白人州・ヒスパニック州・黒人州にわかれるかも知れない(p22)
・アメリカも公民権法で人種差別は表面から消えたが、貧富や職業、言語、居住地の差別に形を変えて差別はなくならない(p24)
・中国は交通の要地に都市を作って住み、周辺を支配した歴史、被征服民族のことが農村戸籍なので、都市戸籍と同じになるのは難しい(p30)
・アメリカ全体をうまくやろうとするのではなく、半分以上の26州とうまくやる(p55)
・情報というのは、持っている人に集まってくる、情報がありそうな人には、人が集まる(p81)
・預貯金が消えても人間は生きていける、しかし月給がなくなったら暴動が起きる、大切なのは、預貯金よりも月々の生活を賄う月給う(p108)
・健康保険、国民健康保険(農民用)、労働者年金保険法、厚生年金保険法は、戦前戦中につくられた(p128)
・新しいものには名前がない、名前がつくころにはもう新しくない(p155)
2014年1月13日作成
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日本と世界はこうなるというタイトルだが、
アベノミクスに関して私はこう思う、日本が取るべき対中韓施策。あとアメリカとEUも少々といった感じだった。
主に安部首相の現在の施策をあげ、
それに対して右寄りな視点からの日下さんの意見が入ってくる感じである。
アメリカの人種問題と分裂説、
中国の分解要素。
あとは日本人村に関しては面白い洞察だったと思う。
その他に関しては行き過ぎた意見が多かった。
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優位戦と劣位戦の話は参考になった。日本は与えられたルールの中で最善をつくしてばかり、ルールを作り変えようという発想がないという指摘はその通り
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2013年に2014年の予想をした本。今読んで、著者の正確な読みに驚かされる。
一つのキーワードがアイデンティクライシス(我々は一体何者か?)。何に価値をおいて考えるかが、これから重要になる。結局、グローバリズムがアメリカの価値の押し付けと分かった今、ローカリズムに流れが変わっていく。その中で、アメリカや中国も結局、お金が自分の価値を測る尺度。日本は歴史の積み重ねで、お金だけでない事は体感している。よって、アイデンティを確立している日本に世界が学ぶという事らしい。