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日本人ほどバルセロナが好きな外国人は他にいないと思うが、その日本で一番新しい入門書。
建築の専門家が社会や政治に目配りして都市の歴史を語る ―というと「またか」と思ってしまうが、読んでいると類書とはどうも違う印象を受ける。
おそらく「ふつうの人たちの生活」が念頭にあるからだろう。
19-20世紀の都市改造も、一般労働者の日常生活を心地よくするため、建築家たちが具体的な生活空間を懸命に考えた軌跡を追う。
上から目線で設計された花の都パリ、理念の影絵のような闘争に没頭する先進国の社会主義者たち、いずれとも違う。一歩距離を置く。
生活と政治が具体的なスペースの中で結びついている。文化のための文化、アートのためのアートではない。私的な生活空間の中でちょっと奇抜なことをしたところで、そんな気どった自己満足は白い目で見られるだけなのだろう。
よくいわれる地中海都市の特徴を、はじめて実感できたような気がした。
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バルセロナの土木家、Ildefons Cerdà がかっこよすぎる!
メモ:
・ボイガスによる「郊外のモニュメント化」の公共空間の描き方
・アグバルの水ビジネス
-バルセロナでは水は民間管轄(マドリッドは公的セクター)
−スエズ(フランス)の傘下に
・ラ・カイシャの社会福祉事業
オルテガの引用
「人はなぜ家をつくるのかーその中に住むためである。人はなぜ都市をつくるのかー家から外に出るためーそしてそうした人たちがお互いに出会うためにである」
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縁あって数回にわたり訪れている街、バルセロナ。
ゴシック建築にガウディ建築、意外に広く静かな地中海、新鮮な素材が手に入る豊富な市場。今のバルセロナは少しずつ分かってきた。
しかし、この本を読んでいて、たどってきた歴史とそこから生まれた今につながる物事に、歴史の迫力を感じた。
著者は同年代の方。相当な知識とそれをささえる情報収集力を感じる仕上がり。新書にもかかわらず、なんども読んでしまい、その度にバルセロナ旅行へと駆り立たせられる。
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バルセロナを訪れるにあたって歴史を知ろうと読んでみた。
地中海貿易での繁栄からスペイン中央政府による圧政、
王制、内戦、独裁を通じてカタルニアの中心としてあり続け、
ついに芸術、文化、スポーツなどの分野において世界が注目する
都市として蘇った。
繊維産業の発展がガウディなどの希代の建築家を育んだこと、
整然とした街区がスペイン中央政府による圧力から生まれたこと、
など、興味深い知識を得ることができた。
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バルセロナの魅力はその設計にもあります。芸術文化を受容しつつ多難を克服した地中海都市の底力は想像を越えたものです。
バルサやガウディ、ピカソを好む人にも。
九州大学
ニックネーム:天神(あまがみ)ルナ
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【読書その94】大好きな待ち、スペイン、バルセロナ。その甘い思い出を思い出そうと手に取る。しかしながら、ドストエフスキーモードの自分にはあまりしっくりこない。
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バルセロナで暮らすにあたり手に取ったが、とても興味深く読み進めた。あとがきに「バルセロナをあたかもひとりの人物であるかのように描きたい」とあるように、視点にあったかさが感じられたからかな。
あの街に住んでみようと遠く日本からでも思えるようになった現代に生きてることを、改めてラッキーと思う。
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前回読んだ「物語 バルセロナ」が中世中心だったのに対し、本書では近代にかけて、1992年バルセロナオリンピックあたりの歴史も描かれており街の都市開発の歴史がよく分かる本だった。キーワードは「囲壁都市」。バルセロナに行ったら是非歩きながらその歴史を感じたい。