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産休に入った合唱部の顧問の代打として
赴任してきた美人教師の下、
合唱コンクールを目指す中学生たちのお話。
作中での課題曲であるアンジェラ・アキの
「手紙」がいい味を出している。
作中の節々に合唱部員たちが10年後の
自分に書いた手紙の内容が綴られ、
合唱コンクールまでの部員たちの思惑が
見て取れるのが面白い。
桑原サトルのキャラが素敵。
さらに長谷川コトミが絡むと益々楽しい。
ホラーっぽい短編だけじゃなく、
こんな青春臭いのも書けるんですね、
乙い…もといこの作者は。
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五島列島のとある島の中学校の合唱部の物語。
それまでは女子生徒だけの部活だったのだが、
顧問の産休の代わりにやってきた美人先生につられて
男子生徒も入部することになって・・・
元からの合唱部員で、ある事情により男性嫌いなナズナ。
そして、発達障害の兄を持ち、自身も「ぼっち」な桑原。
このふたりを中心に合唱部員たちの青春を描く。
合唱を通して成長していく生徒たちの方に重点を置かれて
描かれているので、合唱そのものに興味がある人には物足りないかも。
それでも青春モノとしてはかなり素敵な一冊です。
そして、、、最後の最後、そうきますか!
途中までに散りばめた伏線をどうやって回収するんだろうなと
残りページが僅かになっていくにつれて心配だったんだけど、
素晴らしい締めだったなー。
いやー、読んで良かった一冊です。確実に。
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合唱団に入っていた小学校のころ、中学校のクラス対抗合唱なんかを思い出した。合唱には、みんなの声と心が一つになって、本当に心地よい瞬間がある。
拝啓 15の君へ を本を読んでいる最中に、何回も聞き直した。
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中田永一名義では「百瀬、こっちを向いて」と本書の2冊読みました。「百瀬」はすごく好きだったんですけどね。こちらはちょっと物足りない感じがしました。
ぼっちのプロ・サトル、美人でやる気のない音楽教師・柏木など登場人物は魅力的でした。ストーリーも、中学校の合唱部という爽やかな雰囲気でいいです。中学時代にありがちな男子と女子の対立も面白かった。
部活など何もしていなかった私は、羨ましく思いながらNコンへ向けて緊張感を高めていました。そしてクライマックス!
ラストサトルの兄の所は良かった!!
でも、でもなんか物足りな~い!と思ってしまうのは、私の期待値が高すぎるのでしょうか・・・
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どこかで目にした書評でタイトルを覚えていたので、たまたま本屋で文庫を見つけて手に取ってみたんですが、やっぱり本は読まなきゃわかりません^_^
おもしろいです。
一気に読みました。
最後の方は、不覚にもちょっと泣きそうになりました。
中学生が主人公の、中学の合唱部の話しなんで、50過ぎのおっさんが読んで何がおもしろい?と思われそうですが(^_^;)
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離島の中学生が合唱の全国大会に向けて、ひとつになっていくお話。
実際に課題曲だったアンジェラ・アキの「手紙~拝 啓十五の君へ~」をベースにして作られている。この曲の歌詞が好き。うまく調理しているな、と思う。
合唱をするには、まず歌詞を理解することが大切。部員たちは課題曲にちなみ、十五年後の自分へ宛てた手紙を書く。
合唱ってやっぱりいいなぁ。
文化部なんて言われてるけど、準備体操だってするし、走ったりもしたなぁ…。みんなで声をひとつにするって信頼関係も必要だよね、とか、懐かしい気持ちでいっぱいになった。
ただ話を欲張っている感じがあったのが、残念。もっと合唱に熱く、部活動っぽさが欲しかった。楽しければいい感じで、どちらかというとクラブっぽい軽さを感じた。
☆あらすじ☆
長崎県五島列島のある中学校に、産休に入る音楽 教師の代理で「自称ニート」の美人ピアニスト柏 木はやってきた。ほどなく合唱部の顧問を受け持 つことになるが、彼女に魅せられ、男子生徒の入 部が殺到。それまで女子部員しかいなかった合唱 部は、練習にまじめに打ち込まない男子と女子の 対立が激化する。一方で、柏木先生は、Nコン (NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝 啓十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向け て手紙を書くよう、部員たちに宿題を課した。そ こには、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られ ていた。青春小説の新たなるスタンダード作品、 文庫化!
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中学時代の男女の関係ってこんなだったかもなーと思い出しながら読んだ。中学に合唱部はなかったが合唱に力をいれていた中学だったから(?)なのか、学校内で全クラス対抗の合唱大会を行って優勝すると県大会の予選に参加できるシステムだった記憶が蘇ってきた。
あらためて、アンジェラ・アキの「手紙」の作詞が胸をうつ。
五島に住む人達にとっては、そこから出て行くのかどうかも含めて、15年後までに大きな岐路に立つことになると思うけど、この生徒たちのほぼ15年後の姿として登場する2人の先生との対比は最後面白かった。
結局部長とナズナの関係はどうなったのか?とかサトルはどうなったのか、とか余韻を残しながらも、最後はうるっときた。
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合唱したくなりました。それだけ、こう、合唱の描写が身体的に移入させられました。さりげない伏線から最後の、あっ、という回収も相変わらずの素晴らしさです。
今の自分は、十五年後くらいのわたしにあたるのかぁと思うと、色々と感慨深くなったり……。
『小学館児童出版文化賞』受賞作、ということで児童文学ですが、作中の課題曲のように、子どもの目線、大人の目線、どちらからも楽しめる作品だと思います。
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合唱とかまったく興味なかったけど、部活動ってやっぱりいい!
きついことも、面倒なこともふくめて得るものの方がきっと多いから。
それを再認識できた。
近ごろ合唱(小学生の)聴くとたいてい泣いてしまうし、この本も泣いた。
でもすがすがしい気分になれる。
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薄めのカルピスを小説にしたような、つまりさっぱり爽やかだけどなんとなく物足りなくもあるような、そんな青春小説である。
舞台は長崎県の五島列島。とある島の、合唱部に所属する中学生たちとそこに赴任した音楽教師との交流を淡々としたタッチで描いた物語。彼らが出場をめざすのはNコン(全国学生音楽コンクール)と呼ばれる合唱コンクール。Nコンには「課題曲」があり、彼らは、15歳の「ぼく」が未来の自分に宛てて手紙を書くというストーリーをもつ『手紙』という作品を歌うことになる。そして、作品と向き合うため出された宿題(じっさいに未来の自分に宛てて手紙を書くこと)を通じて、15歳の彼らもまた、それぞれがいま抱えている「課題」と向き合うことになるのだった。
感動はないが、ひんぱんに登場する「サクマ式ドロップ」のエピソードなどちいさな仕掛けが最後にジワジワと効いて心地よい余韻を残す。
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ついに文庫化していたんですね。ハードカバーでも読みましたが文庫になったことでより読みやすくなっています。手に取りやすく持ち運びにも便利。
ストーリーは爽やかな青春ものですが、音楽っていいなあと思わせてくれる話でもあります。
合唱だから、って避けずに読んでもらいたい一冊。
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中田永一名義では初長編かな?
乙一名義を合わせても長編を読むのは久しぶり。
純粋に楽しみたいと思いつつも、短編にあるような
種明かし、どんでん返しがどこかにあるんじゃないか?
なんて疑いながら読んでしまって、それがなかったのを
残念と思ってしまったのが嫌だった。
青春小説は純粋に楽しまないとダメですね。
長谷川コトミがツボだった。
彼女の「第三者に見られてはいけない写真」とはどんなんだろ?
非常に気になります。
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最初、地の文の人の入れ替わりに慣れるまで、地の文が誰か分からなくて戸惑いましたが、慣れると、文章自体は読みやすかったので、さくさく読めました。
長崎の五島が大好きなので、とても感情移入できました。
合唱がメインだけど、大会はメインではないという印象。
それぞれの個性や悩みが合わさって、成長したり救われたり、小さな島の、一時の青春を感じました。
解説がねじめ正一さんなのは俺得でした!
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個々のいろんな秘め事を開放して行く子供たち。合唱という皆が渾然一体となり大きなパワーを生み出す行為は、心を開放して推進力を与えるのだろう。個のパワーを終結させることはより大きなパワーを生み出すことは言うまでもないが、個にもそれをフィードバックし成長させる。
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自分という人間のもつ意味。
未来を思い描くということの意味。
夢を定めなくても、
行き着くところまで行けばいい。
そんな生き方も素晴らしい。